前田啓一 MAEDA Keiichi

ノンフィクションの書籍を自費出版しています。『民衆 対 陸軍』2023年、『明治サムライ時代論』2023年、『暗がり礼賛』2021年、『木綿リサイクルの衰退と復活』2020年、『軍人たちの大阪城』2018年、『黒船の思想 上巻』2015年。アマゾンなどでご購入いただけます。

前田啓一 MAEDA Keiichi

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最近の記事

地震は天災、大雨は人災

能登半島において今年(2024年)1月に地震、9月に大雨が起き、多大な犠牲と損害が生じた。被災された方々に心よりお見舞い申し上げたい。 本記事の読者も私と同じように感じておられると思うが、一つ私が指摘したいのは、地震と大雨の相違だ。 地震は天災だが、大雨は人災である。 地震は地球という天体内部の現象で、人間から見れば地下の奥深いところで生じる自然現象である。 人間の力で食い止めることのできない純然たる天災である。 これに対し、大雨は二酸化炭素の排出によりもたらされた人災

    • 地元の掲示板「ジモティー」を活用して、不用品をリサイクルしよう!!

      私は不用品の処分に、地元の人々とつながるウェブサイト「ジモティー」を活用している。 非常に便利なサービスなので使い方を説明する。 まず(有料オプションを除き)システム利用は完全無料で、私は何十回も利用しているが、一銭もカネを払っていない。 サイトを提供する(株)ジモティーは広告収入により運営されているようだ。 いろいろな使い方があるが、中心は不用品のやり取りだ。 まずジモティーに広告を出す。 「欲しい」と思った人からメールが来るので、受け渡しの場所と時間を決める。 私はす

      • 「お返し」の習慣をやめよう!

        ★★中国には「お返し」の習慣がない★★ NHKラジオ「まいにち中国語」5月24日の放送で、「お返し」をめぐる日本と中国の相違が取り上げられた。 日本では冠婚葬祭で金品を受け取ると、その「お返し」をすることが多い。出産の内祝い、香典返しなどの形で、受け取った金額の半分かそこらの品を「お返し」として贈る習わしがある。 番組によると、中国ではこのような「お返し」の習慣はなく、受け取ったままの状態が続く。相手方に何か起きれば金品を贈るが、何もなければ、受け取ったままの状態が何年も何十

        • プロ野球3チームによる「3カード日本シリーズ」

          阪神タイガースが日本一の栄冠に輝き、阪神ファンの私としてはうれしい限りです。 その一方、私はかねてクライマックス・シリーズ(CS)に批判的で、 その代案として「3カード日本シリーズ」を唱えている。 以下に述べます。 ■■ プロ野球3チームによる「3カード日本シリーズ」 ■■ 私は以下の理由で今のクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズに不満を抱いている。 (ア)リーグ戦1位のチームが日本シリーズに出ないケースがある。 (イ)CS後半で1位チームに1勝のアドバンテージ

          戦うからには負けたくない、勝ちたい

          拙著『民衆 対 陸軍』のカバーを飾った絵画、 阿部合成『見送る人々』1938年作が兵庫県立美術館で公開されている。 「2023年度コレクション展II」にて12月24日まで展示。 下記サイトの「作品リスト」→「休部--ただいま不在中」のNo.2 です。 https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/j_2309/tokushu.html 日中戦争と思われる戦いに出征する兵士を多数の民衆が熱烈に見送る一方、右横の4人は冷めた視線を送ってい

          戦うからには負けたくない、勝ちたい

          大都市圏での自動車「所有」に課税しよう!

          米メディアCNNによると、シンガポールでは自動車を所有するには許可が必要で、この許可取得のために、1600cc以下の車で約1140万円(1米ドル=150円で換算)、大型車だと1600万円近くが必要とのこと。しかも10年間有効な免許のため、10年ごとにこの重い負担が生じる。 https://edition.cnn.com/2023/10/05/asia/singapore-most-expensive-car-license-intl-hnk/index.html 都市国家

          大都市圏での自動車「所有」に課税しよう!

          拙著『民衆 対 陸軍』の16章~終章は次のような内容です。

          日中戦争でわが軍は首都南京を占領し、主要都市を制圧した。しかし、中国の人々は抵抗を続け、日中戦争は泥沼化した。戦争はわが国経済にとり大きな負担となり、国民生活は切り下げられる。それでも政府は戦い続ける姿勢を崩さず、1940年、「大東亜共栄圏の確立」が国是となる。 米国との対決色が強まるなか、政府は『臣民の道』を発行し、国民に忍耐を求め、精神主義を強調する。国民もまた生活の困難に耐え、戦い続ける決意を固める。その背景には、一種の「催眠状態」、共産主義への恐怖があった。 章節立

          拙著『民衆 対 陸軍』の16章~終章は次のような内容です。

          拙著『民衆 対 陸軍』の14~15章は次のような内容です。

          満州事変の後、わが国の軍国主義化はどんどん進んだ。1933年に国際連盟を脱退し、1934年には、陸軍が「たたかいは創造の父、文化の母である」という衝撃的な言葉で始まる「陸パン」を発行し、政治への干渉を強めた。  1935年に天皇機関説事件が起き、これを受けて、天皇の権威を絶対化する国体明徴声明が発表された。軍隊の呼び名は「国軍」から「皇軍」に変わり、1936年の二・二六事件の後、暗殺の恐怖が良識ある人々の口を封じた。  『国体の本義』が1937年に発行され、天皇の神聖化が一段

          拙著『民衆 対 陸軍』の14~15章は次のような内容です。

          さらば炊飯器 さらば家電シリーズ⑤

          掃除機、テレビ、洗濯機、冷蔵庫と述べてきて、今回が最終回である。 電気炊飯器をはじめとする台所の家電について述べる。 電気炊飯器を捨てたのは、2011年に大阪・池田に転居した後、この翌年ぐらいだろう。 「厚手の鍋でお米を炊くほうが、炊飯器よりおいしい」という話を聞き、耳に残っていた。 私の電気炊飯器は古くなっていて、鍋を試そうと思った。 姫路に住んでいた父親の台所に厚手の鍋が二つあったのを思い出し、 新しく買うのも、もったいないので、この一つをもらい受けた。 ふたはガラス

          さらば炊飯器 さらば家電シリーズ⑤

          拙著『民衆 対 陸軍』の12~13章は次のような内容です。

          11章までの経緯で「社会主義」が消え、「議会主義」「軍国主義」が残された。1929年に浜口雄幸内閣が発足し、「議会主義」は「黄金時代」を迎える。しかし、同内閣は金解禁でつまずき、ロンドン海軍軍縮条約の締結により保守派の不興を買う。浜口はテロリストに銃撃されて命を落とし、大陸では関東軍による満州事変が勃発する。 五・一五事件により犬養毅首相が射殺され、政党政治に終止符が打たれる。その一方、事変の真相を知らない国民は満州における陸軍の快進撃を熱狂的に称賛し、満州開発による景気浮揚

          拙著『民衆 対 陸軍』の12~13章は次のような内容です。

          さらば冷蔵庫 さらば家電シリーズ④

          掃除機、テレビ、洗濯機に次いでおさらばした家電製品は電気冷蔵庫だ。 2011年に大阪府池田市に転居し、この時点、かなり大きな電気冷蔵庫を所有していた。 買ってから10年近くの品だった。 前回に述べたように、転居を機会に洗濯機とのおさらばを実行に移し、成功した。 これに気をよくして、冷蔵庫も処分することにした。 ジモティーだったと思うが、インターネット上に広告を出した。 無料譲渡で、私のマンションまで取りに来ること、私は搬出を手伝わないこと、が条件だった。 搬出を手伝わな

          さらば冷蔵庫 さらば家電シリーズ④

          さらば洗濯機 さらば家電シリーズ③

          掃除機、テレビ受像機に次いでおさらばした家電製品は、電気洗濯機だ。 私は2011年に千葉県から大阪府に転居した。 電気洗濯機は老朽化が進み、買い替え時期に差しかかっていた。 転居を機にその古い洗濯機を処分し、 このとき「洗濯機なしで生活してみよう」と思い立った。 千葉で手洗い用の洗濯板を購入し、「洗濯機なし生活」に備えた。 大阪のマンションに入居した後、 風呂の残り湯に洗濯物をつけてみた。 すると翌朝にはすっかり汚れが取れている。 わざわざ用意した洗濯板を使う必要もなく

          さらば洗濯機 さらば家電シリーズ③

          拙著『民衆 対 陸軍』の9~11章は次のような内容です。

          第一次世界大戦の結果、ロシア、ドイツ、オーストリア、オスマンの四帝国が崩壊した。わが国は「残された帝国」となり、指導層は四帝国と同じ道を歩む事態を恐れた。その一方、米国主導のワシントン体制により、わが国は大陸進出の道を阻まれる。 ロシア革命は「民衆の台頭」を世界的に促し、わが国では皇太子狙撃事件が引き金となって第二次護憲運動が始まり、男子普通選挙が実現した。 普通選挙と同時期に治安維持法が定められ、この法律による弾圧で社会主義勢力が衰退する。普通選挙を支えとする「議会主義」、

          拙著『民衆 対 陸軍』の9~11章は次のような内容です。

          広島原爆に被爆した女性の回想

          大阪発の月刊紙『新聞うずみ火』9月号に、15歳にして広島原爆に被爆した女性、寺前妙子さんの回想が掲載されているので引用する。 寺前さんは学徒動員により広島中央電話局で働いていた。 -- 窓から青空を眺めていた時、キラキラと光り輝いて落ちてくるものが見えました。ずんずんと大きくなりながら落ちてくるので、友達に『あれは何やろ』と問いかけようとした瞬間、『ピカッ』と炸裂したのです。真っ白な世界に変わったかと思うと、『ドーン』という大音響が鳴り響き、真っ暗闇になりました -- 広

          広島原爆に被爆した女性の回想

          さらばテレビ さらば家電シリーズ②

          掃除機の次におさらばした家電はテレビ受像機だ。 2011年に国内のテレビ放送は地上デジタル(地デジ)に完全移行し、それまでのアナログ放送は廃止となった。 私は2005年から千葉県船橋市に住み、アナログでテレビを受信していた。 戸建て住宅だったが、テレビアンテナがなく、理由は受信難だった。 近くにある大学の建物がテレビ放送の電波をさえぎり、自宅の屋根にアンテナを立てても受信できない地域に家があった。 このため、大学で電波を受信し、これを有線で地域まで送る仕組みとなっていた。

          さらばテレビ さらば家電シリーズ②

          拙著『民衆 対 陸軍』の6~8章は次のような内容です。

          大衆的人気の大隈重信が総理大臣となるが、大隈は元老たちの「かいらい」だった。長州軍閥や元老たちの意を受けて大隈内閣は中国に「二十一カ条の要求」を示し、大陸への膨張意欲をあらわにする。 一方、第一次世界大戦中にロシア革命が勃発し、戦後には東欧諸国が独立した。「社会主義」「民族自決」という形での世界的な「民衆の台頭」である。 わが国では大隈が退いた後、長州軍閥の寺内正毅が総理を務めていた。しかし、米騒動により寺内は退陣を余儀なくされ、「平民宰相」原敬が首班となる。米騒動という「民

          拙著『民衆 対 陸軍』の6~8章は次のような内容です。