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地震は天災、大雨は人災

能登半島において今年(2024年)1月に地震、9月に大雨が起き、多大な犠牲と損害が生じた。被災された方々に心よりお見舞い申し上げたい。
本記事の読者も私と同じように感じておられると思うが、一つ私が指摘したいのは、地震と大雨の相違だ。

地震は天災だが、大雨は人災である。

地震は地球という天体内部の現象で、人間から見れば地下の奥深いところで生じる自然現象である。
人間の力で食い止めることのできない純然たる天災である。

これに対し、大雨は二酸化炭素の排出によりもたらされた人災だ。
石油や石炭の燃焼による二酸化炭素が大気中にたまり、地球温暖化が生じた。
海水面の気温が上昇し、蒸発した水分が大気中にたまり、これが大雨となって降り注いだ。
今回の大雨は、人間の経済活動によりもたらされたのだ。

今夏の猛暑に象徴されるように、地球温暖化はいよいよ深刻となってきた。
この流れをせき止め、温暖化を和らげるには、人間の経済活動を減速、縮小する以外にないと私は考えている。
その表白として『暗がり礼賛』(学術研究出版、2021年)を発行した。

しかし、世の指導者やメディアの多くは以前として、もっと便利な生活、さらなる経済成長を言いふらしている。
これは誤りである。

今月9月に能登半島を襲った大雨は、天災ではなく、人災である。
この事実を直視するとともに、経済成長の追求をやめ、新たな暮らし方を模索するべきだと私は考える。

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