前田知洋(まえだ ともひろ)

クロースアップ・マジシャン 100以上のテレビ番組やTVCMに出演。『Hanako』(マガジンハウス)で人生相談だったり、ASCII.jpでコラムを連載したり、たまに『ほぼ日』でも偉そうに語りますが、本人はノラネコ気質。大学では人工知能(エキスパートシステム)を研究していました。

前田知洋(まえだ ともひろ)

クロースアップ・マジシャン 100以上のテレビ番組やTVCMに出演。『Hanako』(マガジンハウス)で人生相談だったり、ASCII.jpでコラムを連載したり、たまに『ほぼ日』でも偉そうに語りますが、本人はノラネコ気質。大学では人工知能(エキスパートシステム)を研究していました。

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noteをはじめた理由

ありがたいというか、不思議というか、知らない人から相談のメールをよくいただきます。たぶん、しばらく前に『Hanako』で人生相談を連載していたり、今も月1のラジオ番組で人生相談をしているせいかも。 本音を言うと、僕のほうが誰かに人生相談してほしいくらいダメなヤツだし、サーカスの綱渡りみたいなフリーランスな人生だし。人さまにアドバイスできることなど、あんまりない。だから、そんな相談メールを眺めるたびに「返事はしなくてもいいかなぁ。知らない人だし…」と、毎回のように心に決める。

    • 新しいトランプ『チェーンバック』を作った理由

      前田知洋モデルとして15番目となる『チェーンバック(ブルー)』 前田知洋モデルとして15番目となる『チェーンバック・ブルー』は、イカサマの手口を暴く、ギャンブルデモンストレーション専用のトランプ。プロトタイプ(オレンジ)は、2023年にホテルニューグランドでのショーや「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)、六本木オズマンドのライブでお披露目されました。 1ロットの製作費は、車が買えるくらいの値段 いままでのトランプ同様、U.S.PLAYING CARD Co.(以下U

      • 世の中のことは、すべてトランプから学んだ

        トランプが象徴する”ルールと運、そして戦略”。でも結末は、誰にもわからない 本来、トランプはギャンブルの道具。ギャンブルでは、たった1枚の手札で人生が台無しになったり、信じられないほどの大金を得たり、運命が切り開かれたストーリーは無数にあります。 僕がこの仕事を選んだとき先行きはまったく分かず、ただ必死にマジックを続けていただけでした。 マジックを続け、ありがたいことに100以上のテレビ番組やTVCMに出演したり、畏れ多いことに赤坂御用地での晩餐会でマジックの披露したりな

        • 不思議なカナリアの話

          ジャケ・ドローという名前を聞いたのは、僕が高校生だった頃。たぶん、ロボットやアンドロイド工学の黎明期の授業で教わったような気がしています。(当時、僕は工業高校に通っていて、ちょっと前のAIブームのように、世間はロボットブームで盛り上がっていた……。そんな時代でした。) ジャケ・ドローは1721年にスイスで生まれ、時計や精密機械……(そのころの最先端技術だったオルゴールやオートマタ)の製作者でした。 なかでも「シンギングバード(歌う鳥)」は、「まるで、生きているような機械」

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        • 前田知洋の種明かし、またはメソッド
          14本

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          絶対必要、ボツにする勇気

          世に出る作品は、破片の上にある湯河原にある細川護煕さんの庵に、山のように積み上げられた陶器の破片があります。これは、焼いたけれど「世には出さない」とされた器を割ったものです。 破片からは、どこがどう良くないのか、さっぱりわかりません。僕の感覚としては、粘土を練り、ろくろを回し、窯に入れて焼く。出来上がった作品に多少の欠点があったとしても、またそれも味わいだとも思うのです。 だから、高く積み上がった破片を見て「もったいないなぁ……、なんとかならないのかなぁ」と感じるのは、僕

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          アイディアは、人と違うスタートに立つことから

          チャンスをピンチにしてしまう癖のある人好きな言葉のひとつに「ピンチはチャンス」があります。不幸なアクシデント、ピンチに困っていると、不思議な展開でチャンスになり、幸運につながる。 僕は、ほとんど『運』だけで、綱渡りのような人生を過ごしてきました。思い返せば、綱渡りのロープから落ちそうになったとき、助けてくれた人たちにも出会いました。 逆のこともあります。せっかくのチャンスなのに、それを生かせずに、わざわざピンチにしてしまう人もいます。たとえば「本を出版する」というチャンスが

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          10 他のマジシャンのアドバイスを聞くべきか?

          (レッスンの最後に重要なお知らせがあります) アドバイスをしたい人僕がポルシェに乗っていた20代の頃、こんなふうに話しかけてくる人がいました。 「ポルシェはさぁ、クラッチが弱いから気をつけたほうがいいよ」 僕が、「え〜とですね……(汗)、僕の968はティプトロニック*なので、クラッチはないんですけど……」と、いくら説明してもその人は、 「でもさぁ、クラッチに気をつけたほうがいいよぉ……」というばかりで、ぜんぜん会話になりません。 (初めてのポルシェだったので)少し不

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          09 創ったトリック、「どっちに伸ばす?」

          みんなのゴールは、どこ?先日、あるショッピングサイトで買い物をしていました。精算のとき、登録していたクレジットカードの有効期限が切れていたので、新しいカードを登録していたところ、なぜか途中で「手続き完了」と表示され、手続きが終了してしまいました。 早めに欲しいモノだったこともあり、購入がちゃんとできたのか、ショッピングサイトのサポートに電話してみることに……。 電話の相手は、対応は丁寧なのですが、なんだかポイントがずれているというか……。僕が事情を説明しても、担当者は「も

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          08 マジシャンか?ショップか?で変わるトリック

          マジックの世界を眺めていると、「ほんとは、プロのマジシャンになりたいけど、とりあえず、トリックやレクチャーノートを売っている……」という人がいます。 いえ、今回はその賛否じゃありませんので、ご心配はいりません。SNSで以前つぶやいたこともありますが、僕は「トリックを売るマジシャンでも、売らないマジシャンでも、どちらでも良い」と思っています。その理由は「創作や生き方は、自由だからこそ発想が豊かになる」と考えているからです。もちろん「人に迷惑をかけなければ」の話ですが……。

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          07 手順を作る。トリックをどう発表する?

          頭の中にあるモヤモヤを形にするこれまでのレッスンで、トリックの原理(プリンシプル)、そのやり方(メソッド)、観客から見えること(エフェクト)、そしてトリックを創る素材や加工のしかたを説明してきました。今回は、いよいよ、頭の中にあるモヤモヤとしたアイディアを形にしていくレッスンです。 トリックを完成させる3つのステップ 下の動画は、1989年に、アメリカの専門誌『GENII Magazine(ジニーマガジン)』に寄稿するために創作したトリックです。 ちなみに、表題の『PAC

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          06 いろいろな加工を知る

          前回のレッスンでは、トリックの創作に便利な素材を紹介しました。今回は、それらを「どんなふうに工作するか」にスポットを当てて解説していきます。 トリック創作の王道 トランプ、カードの加工からトリックの創作で最も多く使われるギミック(しかけ)は、トランプ(プレイングカード)であることに異存のある人は少ないでしょう。その最大の理由は、「トリックにギミックが使われているか、使われていないのかが、わかりにくい」からです。 たとえば、「女性を箱に入れて半分に切る」というトリックなら、

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          05 いろんな素材を知る

          最先端素材?オールドテクノロジー?トリックを創るとき、いつも誘惑されるのは、新しいテクノロジーを使いたくなってしまうことです。例をあげるなら、液晶、電波、センサー類などのデジタル機器やスマートフォン……。さらに、液体金属など最先端素材も魅力的です。しかし、残念ながら、そんな素材をトリックの創作に使うのは、できるかぎり避けています。 「えっ!最新素材はダメなの?」と驚かれるかもしれませんが、僕がデジタル機器、最新素材をトリックの創作に使わない理由は「変質や異常がわかりにくい」

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          オリジナルとバリエーションの微妙な関係

          今回は、「オリジナルのトリックを創作するレッスン」を購読なさっている方からのご質問です。今週はレッスンの配信が休みなので、レッスンの番外編とでも言うのでしょうか……。 ご質問「多くのマジシャンやマジック愛好家が、先人の考えたトリックのバリエーションを考えたり、公表したりしています。 そのバリエーションを作るときについて疑問があります。どうしたら良いバリエーションが創れるのか。そして、そのバリーションが作品として優れていて、新たなオリジナル作品として認知されるには、何が必要

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          04 新しいエフェクトを発明するには?

          フリアーのパズル下の動画は、アメリカのマジシャン、ウインストン・フリアー(Winston Freer, 1910-1981)が考案した、組み方でサイズが変化したように見えるパズルです。(BGM(音)があります。ご注意ください) フリアーは、1930年からアボット(Abbott's Magic)というマジックメーカーで働くかたわら、1948年にはトランプのエッジ(側面)にペンで書かれた文字が現れるトリックも発表しています。 エフェクトって何だろう?マジックの本やトリックの説

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          03 基本の手法、けれんの手法(メソッドの話)

          メソッドとは解決法のこと このレッスンでは、いろいろなカタカナの言葉が出てきます。01では「プリンシプル」。今回出てくるのは「メソッド」です。 本当は、僕はカタカナ言葉が好きではないので、そのかわりにメソッドの日本語訳の「解決法」という表現を使うほうがいいのかもしれません。でも、この「解決法」という言葉は、ケンカとか、トラブルの「落とし所」みたいな語感があるので、創作には向かない気もしています。 そんな理由から、 ● どうやって、不思議なことのように見せるのか、その手口

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          02 いろんなマジックを知っておくべき?

          マジックの世界以外にも、たくさんあるプリンシプルトリックを創作するときに、いろんなマジックをたくさん知る必要はあるのでしょうか。急いで、その答えを決める前に、マジックの世界でありがちなことを、いくつか挙げてみますね。 ○いろんなマジックを知っていて、いろいろと詳しいけれど、あまりオリジナルのトリック、すごいトリックを創作していない人がたまにいる。 ○マジックの道具を買うのは好きだけど、トリックの創作はめんどくさいと思っている人も同じようにいる。 ○マジックに詳しくて、オ

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