桃色のひかりのなかの誰かの目 あした買うはずだった鈴虫 メロンパフェ くいしばったら太陽が縦に沈んで ぜんぶが溶けた 石ころを 石に投げつけ腕をみる 黒いシールのつぶつぶがある にゃんじゃか は にゃんじゃといわれて青い猫 見せてみなさい これがにゃんじゃか 川の底 転がりだしたら球になる にんじんだったら色だけ残る こめかみに 灰のお花を擦りこんで 砂漠をよこぎる道をいくなら
橋のうえ くるまが急に哀しんで ガソリン奢り なぐさめもした 一輪車 乗ったらたしかにそんなもの 乗らないなら誰かにあげなさい 診察券 忘れてしまい 保険証 忘れてしまい 車も忘れた くまごろう 君のくるまのなまえだね 回覧板に 書いときました 雨の後 大きなやすりをこすりつけ 溝にすりつけ 西日をあてた 軽トラで 4月の琵琶湖に集まって 花びら一枚 載せずにかえる
かなりひさしぶりににきをかく。まえは積もった雪に棒をさして穴ぼこをあけたりしていたのにもう夏も終わりそうでつぎはたぶんまた冬。いつまで経っても終わらない。自分がしんでも当分終わらないはずだと思うとけっこうほっとするしありがたいけどでかすぎてこわい部分もある。さいきんは小説を書いたりして過ごしている。ほんとうに過ごしているだけで社会生活のことをほとんど何もできていないし家での生活のことすらあまりできていない(パジャマを20日間くらい替えなかったりする)。それから、夏は半分くらい
東京の神保町・猫の本棚にある「猫と書」さまの棚にて、2ヶ月間、小さいサイズの絵を展示していただくミニ個展が行われます。 ーーー 9/13(金)-11/17(日) 木~日 14:30-19:30 (月火水 定休) 場所:猫の本棚「猫と書」さまのひと棚 〒101-0065 東京都千代田区西神田2-2-6-102 東京メトロ・都営地下鉄 神保町駅 徒歩5分 JR水道橋駅 徒歩6分 ーーー 2ヶ月のあいだ、小さなひと棚のなかに、下の3枚のうち1枚の絵のみ飾っていただく展示で
新鮮な重力 新鮮な重力は どこにでもある あたらしい季節と古い季節の中心にも ジャングルジムのうえのきつねの 口の中にも 新鮮な重力をうけて 立ちましょう それか座ったり 川を流れるだるまを掴んだら あなたがだるまに新鮮な重力を与えることになる あそこにカモメがとんでいる カメ アモメ カモモメ モメ 彼にも新鮮な重力がかかっています わたしたちがりんごを抱きしめるとき 世界が回りだすけれど かならずどこかにS字フックをかけられるばしょがあるはずだ それを探してカレ
ロングになるのが待てなくていますぐ三つ編みをしたら毛が硬すぎて綱のたわしみたいになった。首に刺さって痛かった。 きょうはチャリで走った。きのうもチャリで走った。スマホのスピーカーからCoccoを流して走っていたら、自分は子どものころ見たあの謎の大人のひとりになってしまったんだなあと気づいて、でもすこし清々しい気持ちになった。 土日、どちらもドラム缶の見張りをした。誰かのドラム缶はすこしずつぼろぼろな感じになっていく。人のものが、金属が、雨ざらしで朽ちていくのを見張るのはなん
街をぬけ ドーナツ持って 草原に ガラガラのこし 古墳で眠る さむかった あたたかかった おとといの にきを書いたら 爪がとれたよ アメリカを あめにかといい ザリガニを にゃりにゃりという 街灯がつく 起こしてね そう言うわりに 立ちつづけ 真っ赤なひとみで かもめをみるね エメラルド グリーンたすと エメラルド グリーンになる 算数がある 左向き ねるとたいてい 夢を見る わたしと誰か 古墳と光 2023/10/30
この冷たい星のかたすみでしずかに朝がやってくるのを待っている小さな小さなくまがいた。くまは白く、まるでぬいぐるみのようにやわらかいはだをして、ひとみは葉のさきの朝露のつぶのようにぬれて光っていた。波の立つうみのそばの岩のかげにくらし、いつも凍えていた。この星は暗くとても冷たい星だったから。 くまはひとりきりで暮らしていた。岩の上に打ち上げられた藻をたべて生きていた。くまはとても小さいままで、藻はくまがいくら食べてもなくならなかった。うみはとても広かった。 とくべつに
ジャングルジムでむずかしいキスしよう ほんとうだったらいいのにね 棒にからだ押しつけてハグしよう あとからいたいね くるくるまわって水瓶のまね プリズムのゆめ あなたをみつけた星たちといっしょ 眠るときも ころばないときも あたたかいコートの中においで はみでても抱きしめてあげる かみをとかしたり 杏仁どうふのあじ 秘密にしたい かなしいとき肌をたたいて やさしいリズムで 誰にもいわないで ふたりだけ さよなら でもまたあったね ジャングルジムでむずかしいキスしよ
東京に住んでいるかぎり富士山は西にあるけれど月はいつも違う方角にいる。 雪がすでに降っているようにおもえる。常に降り積もっている。正月の静けさを求めている。日常が素晴らしいと、このところ皆が言っている。悪い兆しに疲れてしまっている。 金木犀というなまえは金、木、水、と時間が戻っていくさまを思い起こさせる。秋のなかにいてどこか別のしかも過去の具体的でない何かの記憶を呼び起こそうとしてくる香りのムラを特にわたしたちは美しいと感じて、すれ違うたび鼻から思い切り空気を吸い込んでそ
ホームセンタを物色しまくり銅管エルボというかっこいい部品を発掘した。208円。 きょうは写真の中を歩いているような日だった。街にあるもの全部に抜け目なく日光が当たって止まっているように見えた。ノースリーブでたくさん歩いたから腕がひりひりする。 気持ちのウェーブがコントロールできずとても疲れてしまった。確実に3つは何かの記憶を失くした。 身体の中にパフェを感じる。少しずつ積み重なっていく層、パフェが豪華になるころわたしは死んでしまい天国でそれを食べるのだとおもう。さすがに人に
ほぼ毎夜、床を拭いている。部屋の明るさは天井からぶら下がっている電球、カーテンレールに取り付けた小さいLED照明、アロマディフューザーの明かりの3段階あって、この中でいちばん弱いアロマディフューザーのみをつけた状態にすると、床はすこししか見えない。さらにアロマディフューザーの明かりにも2段階あって、弱の方に切り替えると床はほとんど見えない。その暗さで床を拭く。 窓を2箇所開けて空気が通るようにしておく。薄くて小さい正方形の布を濡らして軽くしぼる。部屋の奥ひだりはしから玄関まで
思いのほか、外は台風。世の中すべてがバランス重視で、センスは引き算、とのこと。 社会は暴風雨にも負けず回っている。スーパーもツタヤも年中営業中で、自然の脅威に負けちゃってもいいんじゃない、電車やバスも、人間の気合いでふつうに走って、夕方に目覚めた無職のこれは自分の為にですらも何もしていないので罪悪感から膀胱炎になりそう。でもみんなのほうが、がんばりすぎなんじゃない。って強い気持ちがあるつもりでも、からだはほんとに膀胱炎になりそうなんだから、バラバラだな生活が。 「それは僕が対