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#010 読書感想文 歴史をつかむ技法
読んだ本の紹介
歴史を学ぶ上で注意すべきことは何か。
そして歴史小説との違いとは何か。
日本の歴史を中心に、全体を俯瞰しながらポイントを捉えていく。また、文化区分にも言及しており、その違いを意識することもできる。
この本を読んだ理由
歴史が好きで、今後研究していきたいと思っているからである。
あらすじ
第一線の歴史研究者が日本の歴史を考え、時には歴史学という世界にも言及し、考え方、研究の仕方、研究者とはについて熱く語るものである。
「司馬史観」、「網野史学」といったところも語っていたり、「歴史は偶然の産物」か「法則性があるのか」などについても考え方を示しているので、歴史を考える上で非常に勉強になる。
良かったところ
歴史が好きだったり、歴史を研究したりしていると、どうしても1つの時代、1つの事柄に注目して他の時代のことや別の機構などには興味が湧いてこなくなるのだが(それも大事)、全体を見る大切さを教えてくれる。
また、「日本」という国をどう考えれば良いのかという筆者の考えも示されている。いつ使われたのかが分かれば、高校の授業ももっと面白くなるのではといったアドバイスもされている。
気になる箇所
①歴史嫌いの人にとって「ここは難しい」といった言及をされているが、そもそも歴史に興味を持っていない人にとっては、どうするのか。『会計の世界史』みたいな現代のものと組み合わせることが必要かもしれない。
②紙幅の関係上、書ける内容は限られている。つまり、入り口に過ぎない。それが全てではないし、これからいろんな史料に触れると、この本では述べられていないことが分かるだろう。それを自分の研究にするのも良い。
③卑弥呼論争なども書かれていて、テーマとしては非常に面白い。日中戦争を中心とするところは、述べられていないので自分で補う必要がある。
④通史に近いものを何冊か読んだが、こうした全体を捉えようとするのは非常に難しい。読んでみると「知っている」と言いたくなりそうだが、それを書くのは困難である。「明治」だけでも書ききれないほどである。
※オーディオブックで読書。(最近は便利になった)