合法メンヘラ女の軌跡 ICU編1
目が覚めると古びた病院のICUにいた。
夜中のICUはすごい。目覚めたのは麻酔が切れたからではない。せん妄を来した高齢者の叫び声と排泄物の香り、そして無機質な医療機器のモニター音で起きたのだと思う。最悪な目覚めである。当然機嫌も悪い。
「目が覚めましたか?なんの病気か分かりますか?」
気分も機嫌も最高潮に悪い私に看護師が声を掛ける。(は?分かるわけないだろ、ふざけんな。病名の告知は医師の仕事だろ?)元看護学生、国試浪人女は内心で悪態をつく。
「…分かりませんけど、アル中ですか