SUMMER CUTE GIRL
薄いピンク色のTシャツは、たくさん洗濯をしたのか、少しくたびれて見えた。背中には「SUMMER CUTE GIRL」と白い文字でプリントされている。
左手にはまだ開ききっていないたんぽぽの綿毛をしっかりと握りしめて。小さなヒマワリがたくさん咲いたショートパンツをはいたサマーキュートガール。
麦わら帽子をかぶった小さな頭とハートの飾りのついたサンダルをはいた足はキョロキョロぱたぱた、動きまわるのに忙しい。
ちいさな右手はお母さんがしっかりと握りしめて、せわしなく駅の改札をくぐりぬけていった。
お母さんが持っていた小さなリュックサックには、しっかりと油性マジックで名前が書かれている。キュートガールはリュックサックなんて気にしていられないものね。
下り電車は海辺の町へ。サマーキュートガール、なぎさちゃんの夏の冒険はいま始まったばかり。
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