人生の「足の置き場」を考える|働き方が極端でフリーダムな人たち
前回に引き続き、フリーランスになりたい人からの相談への回答としてこの記事を書こうと思います。
サラリーマンを辞めてフリーランスになろうか"迷っている"という人に真っ先に思うこと。
「転職じゃダメなんですか?」
「部署異動じゃダメなんですか?」
なにが問題で労働環境を変えようとしているのか、明確な理由がなければ"逃げ"です。
逃げることが悪いこととは全く思いませんが、それが動機でフリーランスになっても確実に失敗します。
逃げた先でさらに辛い思いをするのは悪いことです。
そうならないために、フリーランスになることを"迷っている"人へ、私がどうして「独立」「フリーランス」という選択肢を選んだのか、またこの点を考える必要性について示していこうと思います。
結論からいうと、私の場合は転職も部署異動も選択肢としてはダメでした。
というか、そもそもフリーランスになるかどうか"迷っている"わけではなかったので、今回伝えたいこととは少しだけズレてしまいますがそこはご愛嬌。
私自身や、周りのフリーランスの人たちを見ていて感じる「あえてフリーランスになる」ことを選択した人たちを通して、フリーランスになることを考えてみましょう。
フリーランスになるってどういうこと?
明確にやりたいことがある。
確実なマネタイズプランを持っている。
この2つを満たさない場合の独立であれば、フリーランスの選択肢を考える前に「部署異動」または「転職」を考えるべきです。
それはフリーランスとして生きることに否定的だからではありません。
ほとんどの場合、独立の動機が「部署異動」または「転職」によって解消されるからです。
現在の自分の労働環境を変えたい動機、同時に労働における条件は「お金」「時間」「業務内容」の3つに集約されると考えています。
例えば年収1000万円として、月間330時間の労働だったらどうでしょう?
これはおおよそ月曜~金曜日で15時間の労働拘束時間になります。
私なら年収500万円でいいので、1日7.5時間労働のほうがいいです。
本題とはズレますがそもそもこの計算式よりも給与が低く不満があるのなら、早急に転職を考えましょう。
例えば自分に合っていない業務をずっとやるのはどうでしょう?
別の仕事であれば得られる正当な評価を得づらい環境で働き続けることは苦痛だと思います。
いずれの問題も今の労働環境を変えたいと思う動機としては十分ですが、フリーランスの選択を取るには十分ではありません。
部署異動や転職で解消される可能性が高いからです。
短いとはいえ私もサラリーマンだったので、転職や部署異動が簡単なことでないのは十分承知しています。
一方で、フリーランスとして生きることもまた簡単なことではないのです。
手近にある選択肢から目をそらさずに、自分の置かれている状況をひとつひとつ検討していきましょう。
それでもフリーランスの選択をした理由
前回の記事でも書いた通り、私は2020年2月からフリーランスとして仕事をすることを選びました。
私の場合は身体の問題で月金9時5時で会社にいることが出来ません。
一度働き始めればある程度以上の強度で2日間昼夜問わずずっと働き続けることが出来るのですが、そうでない時は本当に何もできません。
これは先に書いた3つの要素の「お金」「時間」「業務内容」のうち、「時間」の問題に起因する動機です。
私はいわゆる「サラリーマン的なタイムスケジュール」での労働が出来ないため、基本的にはすべて納品ありきの成果報酬での業務です。
イベントの仕事の場合は企画立案や、細かい内容の策定(台本)はできるのですが、イベント当日の立ち合いは信頼できるビジネスパートナーに委託することがほとんどです。
イベント当日までに多少の打ち合わせは挟みますが、基本的には納品ベースであるためこの仕事を本業としようとしていました。
結果は前回投稿した通りになったわけですが・・・
コンサルタントの仕事は、初回の打ち合わせの後データや現場の状況を見ながら定期的なミーティングが発生します。
ミーティングは多くても週1回程度なので、なんとか面会が必要な日に合わせてスケジュールや体調を調整します。
時にはデータ収集のために実地に1週間ほど通しで立ち会うことがありますが、連続でサラリーマン的なタイムスケジュールをなぞるのはそれが限界です。
これが苦手であることは承知しているので、お客さんに迷惑をかける可能性があり、できることなら営業のコンサルタント的なことをビジネスにはしたくなかったのですが、ご時世的に背に腹は代えられないため仕方ありません。
サラリーマン時代に比べればはるかにマシなタイムスケジュールです。
現在の週の労働時間としては30時間、単純に月~金で割ると1日6時間程度ですが先に書いた理由により丸2日+毎日1~3時間程度でビジネスが回っていくように調整しています。
ちなみに、自分の適正としてはどちらの仕事でも現場でのプレイヤーのほうが高いのですが、身体が相手では「業務内容」までわがままは言えないので一つの妥協です。
フリーランスだからと言ってなんでも思い通りになるなんてことはありませんからね。
余談:フリーランスだからできる自分なりの働き方
話がややこしくなるので、あえて触れてきませんでしたがもう一つ週に30時間程度接客業のアルバイトをしています。
このnoteをTwitterにも投稿した関係で、その仕事をご存じの方も多くいらっしゃることかと思いますが、接客業はプレイヤーとしての自身の「業務内容」の補完の一つの要素です。
単純に「お金」のことだけを考えると決して効率がいいとは言えませんが、融通が利き、身体的な問題に起因するわがままも受け入れてくれる労働環境は自分のバランスを取るために必要な大切な仕事です。
こうした選択肢の多さはフリーランスならではの魅力であり、特徴だと思います。
極端な働き方を目指すならフリーランスになるしかない
いま「働き方改革」などのスローガンの下、テレワークやフレックスタイム制度など様々な働き方、タイムスケジュールが組めるようになっています。
それはもちろん承知していますが、専門的、技術的な評価を得ていないサラリーマンがここまで極端なスケジュールを組むことは、私の知る限りでは無理でした。
※本来営業職も専門的かつ技術的なプロなのですが、そういう見方、評価をされていないことはまた別の機会に書こうと思います。
私の場合は3つの要素の「お金」「時間」「業務内容」のうち、「時間」に対して極端な労働をしているフリーランスです。
1週間のうち、丸々とはいえ2日しか働かずに生活していくというのはなかなか周りの理解は得られないものです。
例えば身近にいるフリーランスのクリエイターと呼ばれる人たちは「業務内容」が極端な労働をしているように見えます。
「天才」「俺には無理」と言って敬遠されることも多いでしょう。
確かに才能が評価に入る働き方かもしれませんが、土台となる技術の習得のために莫大な時間を投じていることは忘れてはいけません。
極端に収入の高いフリーランスの方もいますが、マネタイズできる能力や評価を持っている人は「お金」の面に対して極端です。
これは「時間」や「業務内容」が絡んでの結果ですが、それでもサラリーマンであれば実現できないような収入のフリーランスは実際にいます。
いずれにしても極端な働き方で生きていくということは、それだけで周囲からの評価は冷たく厳しくなります。
そうした状況でも自身の能力を発揮し続けていく、自分の生活のための軸足をどこに置いてどこに進むのかを理解し続ける。
それが出来る人だけが「転職」や「部署異動」の選択肢を超えてフリーランスとして生活していくことのできる人だと感じています。
「お金」「時間」「業務内容」の3つの要素のうち「時間」「業務内容」の選択肢について、自身の話ではありますが、フリーランスを選ぶ動機として具体例を示してみました。
多少極端すぎる例かもしれませんが、ご自身のおかれている状況に広く置き換えて考えていただけると思います。
私はフリーランスとして生活していますが、だからこそ安易にフリーランスを選択しないことを伝えることもまた相談に対する回答だと考えています。
3つの要素のうち、残る「お金」のことは次回投稿しようと思います。
一番気になることであり、そして一番ややこしいことでもあるので。