⑦レアルマドリードvsシティ 1stleg レビュー
ついにやってきたCL。勝ちたすぎてやばい。
先発。
マドリーはまさかのチュアメニCB起用。前節のアスレティック戦の活躍を考えるとチュアメニは中盤でロドリの潰し役のほうが良いと思うけど。
シティはデブライネが体調不良でお休み。代わりにコヴァチッチが抜擢された。
マドリーの保持。
シティの非保持は、ロドリ以外の中盤以上5枚でハイプレス。ロドリはベリンガム抑え。
マドリーの保持はDFライン+2ボランチ+キーパーの7枚なので単純計算でハイプレスははまらない。しかもルニンのロングボールが正確で圧縮もなかなか効かない。普段のシティならSBのアカンジかグヴァルディオルを相手SBまで押し上げてくるが、カウンター対策なのかそこまではしてこなかった。
とにかく、ハイプレスをかけてもあまりボールを回収できないシティ。ただ、開始1分に先制できたシティはそれでよし。優先順位は背後→ライン間→手前で良い。ハイプレスも食いつきの悪い、かわされないタイプのプレス。
ただ、思ったよりも早くその優位性は崩れる。
試合開始早々の得点で流れをつかんだシティだったが、すぐに追いつかれ、追い抜かれてしまう。若干不運なリフレクションと警戒していたカウンターから。
ここからはボールを奪いきるプレス。ロドリをハイプレスメンバーに加えて6枚でマドリーに襲い掛かる。ロドリが加わったことでフォーデンやハーランドは背後を気にせずにプレスをかけることができる。
対するマドリーだが、さすがにシティのハイプレスをかいくぐるのは難易度が高すぎるので、ロングボールに逃げる機会が多くなる。ライン間のベリンガムも、引き出す動きより、背後へ抜け出す動きが多くなってきた。この割り切りはもちろん想定内。
この試合ではあまり押し込む展開をつくれなかったが、プレス回避はまあまあできていた。やはりルニンの存在は大きい。
個人的にはマドリーの保持はこれでいい。マドリーの後衛はフィジカル軍団だから、無理につながせるよりも蹴らせるのは正しい。ルニンを絡めたビルドアップができるのはここ最近のマドリーの強み。今日みたいに、相手のバランスを考えて使い分けられると良い。
マドリーの非保持。
非保持の時間の方が長かったのでこちらの方が重要。
上図はおそらくマドリーがやりたかった形。
シティはストーンズを一列上げた3-2-5でビルドアップ。
マドリーは上図のような形で人を捕まえる。これができれば、出しどころがないのでキーパーに下げさせられる。実際にこうなっていたシーンでは下げさせるか、無理やり縦パスつけさせて回収できていた。頻度でいうと、前半は2回に1回くらいはできていたと思う。後半は4回に一回くらい。
上図では4つの〇があるが、これらが注目のマッチアップである。
まずこの試合のMVPといえるほど守備に貢献したクロース。この試合のクロースはライン間のフォーデンにべったり。背中で消しながらプレスもかけるし、プレスバックも欠かさない。素晴らしい。
チュアメニのところも良かった。前の状況を考慮して良いタイミングででていく。ここ最近のチュアメニは守備でものすごい活躍をしてくれる。
問題は前の2つ。カマヴィンガとヴィニシウスのところ。
先に言っておくと、ヴィニシウスにこれをやらせるのは少々無理がある。この試合のヴィニシウスは、ストーンズを消しながら行けるときはルベンディアスまで行く役割だった。明らかに向いていない。ヴィニシウスに守備で神経を使わせるのももったいない。かといってベリンガムにやらせるのも違うから難しいところではある。
ヴィニシウスが効いていないのでストーンズがボールを引き出せる。ストーンズが前向きでもっている時にカマヴィンガがロドリまで出ていくと、ハーランドやコヴァチッチに縦パスを差し込まれるので出ていけない。そんな感じでカマヴィンガもあまりロドリを抑える仕事はできていなかった。
上記のことを踏まえると、マドリーの守備は70点くらい。高得点寄りでいいと思う。球際も激しく行けていた。しっかりと形を準備してきたアンチェロッティも素晴らしい。ただ守備陣営が素晴らしいとその分ヴィニシウスとベリンガムの雰囲気守備が悪目立ちしてしまう。それで減点30点。要改善。
試合の方は3-3のドロー。マドリーは絶対に勝たなければならない試合を落とした。1失点目はルニンのミス。2失点目はカマヴィンガのスライドミス。3失点目はさすがに無理。
個人的には全く悲観していなくて、同じことがエティハドでもできれば勝機はある。ただ、2ndlegはチュアメニがいないのがめちゃくちゃ痛い。
改善点は、ヴィニシウスとベリンガムのところの守備くらいである。ただ、意識の問題に近いので改善は本人次第。
次はマジョルカ戦。アウェーだし合間だしモチベーションは上がらないが、リーグ優勝を考えると負けるわけにはいかない。上手く控えの選手を使いながら危なげなく勝ってくれるのを願っている。