見出し画像

7. インド武術カラリパヤット1_カラリについてざっくり

趣味は何ですかと聞かれたら

Vanakkam.
私がやっているインド・ケララ州の古武術カラリパヤット/KalaripayattuについてはXなど他のSNS、また友達などに時折話をする機会がありますが、せいぜい「カラリってこんな感じ」「昨日も練習してた」くらいの話にとどまっており、まとまった話をするのは多分今回が初めてかもしれません。
今日はカラリの話で。
カラリは2012年に始め、今年が2024年ですから12年やっていることになります。
が、趣味は何かと聞かれてもカラリとは答えないかな。
以前愛読していると紹介した『マッピング思考』ではアイデンティティについての言及もありましたが、カラリは私のアイデンティティと言っていいかも。
自分はどんな人間かと聞かれたら「私はカラリを長年やっている人です」とか言うと思います。
(アイデンティティは一つではないので、場面によりますけどね。けど概ねインド関係だろうな)
実際カラリやってる= 周囲はそれを私の趣味で充実していると思っていると思いますが、私は「無趣味で休日充実しない」とかぼやいていたことが実際あります。日曜はカラリの練習をしているにもかかわらず。
まあ平たく言うと趣味以上のもので、辞めろとか言われたり、悪く言われたりしたら発狂しますよと爆

話はそれますが、『マッピング思考』では、自分のアイデンティティを強固に持たない方がいいと説かれています。
AかBかという1トピックへの見解なだけのものが、Aに固執しすぎ、Bの意見の人やBを批判するのが日常になってしまうとAの意見を持つことがアイデンティティ、生き方になってしまう。同じ意見の人とのみ交流し、意見を変えることは生き方が変わるほどの重さとなり、考え方をアップデートできなくなるとかなんとか。
カラリに関して私はかなり強固にアイデンティティを保持してますw
カラリをやらない人や他の武術を攻撃はしませんが、カラリやカラリをしている自分が批判されたら発狂します(2回目)

カラリについてざっくり

相変わらずの前置きの長さですが、まあそれくらい私にとっては重要てことで。w
カラリパヤットは前述の通りインド南部のケララ州という小さな州発祥の古武術です。

ケララ州(google mapからですが使っていいのかな)
私の道場は地図上だとコジコード(カリカット)の北にあります

Wiki(事実でない記事もあるけどカラリに関しては大体合ってる)などにも詳細はありますが、ざっくり言うと南インドの王の居城を守る兵士のカースト(Nayarとかそういう名前の人はそうです)に広まった武術で、体術のほか様々な武器術があります。また武術のみならず体のケアをするためのマッサージ術も伝わっています。
口伝のため資料がほぼないのですが、北方系(Vaddakan/northern style)、南方系(Tekkan/southern style)、中央系(central style)の3つのスタイルがあります。イギリスの植民地時代には禁止されていたという話も聞きました(このあたりは資料もあったと思うんですがどれか探し切れておらず)。
中央系は現在にはほぼ伝わっていないのですが、私の所属道場では南北両方、またストレッチとして中央系も少しやります。道場主がマッサージのクリニックを当地で運営しており、また息子たちもそれぞれ日本で言う理学療法を大学で学んでいたこともあり、うちの道場はカラリのいいものは取り入れ、練習やマッサージを通じて体を整える意図が強いです。
実はそういうごった煮的な道場のため、他の道場(当地ではカラリ中興の祖の道場として有名)の日本人の方に「うちが正統なんで!」と言われたことがあります。
なおここの道場は日本の先生も演武を演舞と表記したりしているように、show upする方向性のようです。美しく見せる武術パフォーマンスって感じですかね。道場も色々ありますし、私はどこも正統だと思います。
ただ見てて美しく、楽しいのは私の所属じゃない方です涙 うちは泥臭いんですよね~w
そういえば日本の武道なんかだと、私の身内でも経験がありましたが一度ある教室に入会すると他の教室への参加ができない(出来てもものすごくハードルが高いし、裏切り行為と思われる)など、各道場で縄張り意識が強い印象です。なのでやりたいとなるとあちこち体験に行って合う先生を探す必要がありますが、インドのカラリ道場はそうでもなく、ある道場で人数が多すぎて先生が対応できない場合は他の道場を紹介する等も普通にあるそうです。

またちょっと話がそれましたが、カラリはアジアの武術の元になったとも言われています。空手の大山倍達さんなんかは「空手のルーツはインドにあり」と言っていたなんて話もあります。皆さんも良く知っているダルマ=達磨大師は元々南インドの王族出身で、彼が中国に禅宗と共に武術を伝え、それが中国武術となり、日本に伝わって空手になったとか。
諸説あり、この話も眉唾なんでしょうが、実際空手を見ているとカラリに似ているなという型も結構あります。動きを追及すると自然と似たような形に収斂されていくのかもしれませんが。

という感じでまた長くなったので次回もまたカラリの話にします。
私の所属道場の紹介などです。
私が何でカラリを始めたか~とか、そういう「私の話」って必要ない気もしたんですが「私の所属道場は~」とか書くとやっぱりちょっと触れた方がいい気もしています。