11. インド武術カラリパヤット3_道場の様子
とにかく適度な運動はした方が良い
Vanakkam.
前回までちょっと別の話に脱線していました。
同じ話をだらだらするよりいいかなと思って…笑
あと、過去の記事を読み返してみたんですけど「w」はやめた方がいいなと思いました。なんとなく。「笑」とかつけてるので変わらない気もしますが。
という訳でカラリについては前回までざっくりしたカラリの紹介と、私がなぜカラリを始めたかみたいな話をしていました。
最近年齢のためか友人とよく話題になるんですが、適度な運動はやはりやっておいた方が良いなと実感しています。体の健康もですが、気分転換になりますから。
私は「カラリをしている」ことがあるところではアイデンティティになっているので、カラリが一番みたいな言い方になる時がありますが実際自分が楽しく続けられる適度な運動であればなんでもいいと思います。散歩から始めてもいいよねーって、同年代の友人とはよく話題になります。
道場の様子
私の通うクラスはインドのケララ州にある道場の東京支部、ということになっているので普段は日本人の先生(インドの本部道場から日本で教えるように言われている人)の下、都内で練習していますがここではインドの本部道場での様子について紹介します。
カラリの道場は通常半地下で、上に屋根があり壁との間に隙間があるつくりになっています(Vadakkan=北方系とTekkan=南方系とで異なる)。
こんな感じです(写真)。ちょうど道場に入ったところから撮りました。
実は前は屋根が藁ぶき、かつそれが崩れてきていてもっとオンボロだったのですが、最近リニューアルしました。新しい道場を見たくて、今年9月にインド出張中の週末を利用して訪問したのです。
元々「カラリ」という言葉の意味として「道場」があると聞いたことがあります。
床は土で、ケララの赤土が印象的です。これにスパイスなどを調合したオイルを染み込ませて馴染ませていきます。地面はでこぼこしていて結構固いです。日本のフラットで清潔な板張りの床などに慣れていると最初簡単な型でも体への負荷が大きく、普段なら何でもないちょっとした動きですぐばててしまうんですよね…なので体を慣らす期間も入れて、練習するなら2週間は滞在したいところ。日本人だと会社辞めないと難しいですよねえ…涙
通常カラリの道場には祭壇があり、練習前後にそこで簡単な礼拝を行うのですが私の所属道場には祭壇はなく、礼拝は祭壇がある体で行っています。
見学者を受け入れたりして観光っぽくプロモーションしている道場だと割と派手な祭壇を用意したり(インドの日常だとこれはかなり「外向け」なのではと言う印象があるところも)、武器もきれいに並べていますが私のところはご覧の通り。
武器は長棒、短棒、こん棒、剣、盾などがあり道場隅に置いてあります。ウルミという鞭のようなものがあり、日本の方によく聞かれますがあれはかなり上級者の技で、私も自分の道場では見たことがありません。私は長棒、短棒が使えます。
半地下なので道場に入る時は階段(といっても2-3段)を降りて入る形になりますが、必ず右足から入ります。
カラリは一部の型を除いてすべて体の左右でいうと右から始めます。Uターンするときなども右回りです。
これには陰陽が関係しているそうです。右が陽、左が陰で右からエネルギーが入っていくとかなんとか。
あと、少し話がそれますが基本的にインドでは左は不浄の手(=トイレの時使う)のためお金のやり取りなどは基本右手で行います。私ももう癖になってるので、日本でも誰かと割り勘するときなどは、基本右手でお金を受け渡ししています。何かのはずみで左手を使ってしまうこともありますが、何だかおさまりが悪いというか、やり直したくなります。
カバー写真について
余談ですが一番上の写真は2013年に韓国で行われた世界武術祭でのもの。
一応ユネスコ傘下の団体が主催しているもので、日本含む様々な国の武術を観ることが出来るイベントです。私の道場の先生たちが来ていたので会いに行ったのですが、そこでそれまでつながりのなかった国の友人が出来たのも良い思い出です。
特にコサックを紹介しに来ていたウクライナチームとは特に仲良くなり、観光も一緒にし一晩中酒を飲み交わしたんですよね。今でも親しくしていて、ウクライナを訪れたこともあるので戦争が心配ですがいつかまた遊びに行きたいものです。
なおこのイベントについても色々ツッコミどころがあるのですが、まあそれは別の機会で。
これまた余談ですが、このイベントで韓国滞在中、先生に長棒(170cmくらいある)など武器を貰って帰国した*のですが、当時アメリカ系の会社に勤めていた私はその日帰国後羽田から直接会社に行き、20時からアメリカ本社との会議に出るという予定で、武器を持って出社することになりました。残業中の同僚に「こんな時間に入ってきてどこの暴漢かと思った」とか笑われた記憶があります。
お土産をくれるのは優しさですが、急にこんなの渡して持って帰るの大変かなとは考えないインド人です。笑
*空港でも色々ありました…まあ危険物ですもんね。武器だし。
次回は練習の様子についてお話しします。