死ぬまで時間は味方であり続ける。
私の頭の中には、理想の世界がある。
平和で、個性を尊重し、
各々が自分に与えられたギフトを享受し、
その喜びを世界に還元している。
みんなが無理せず、
ありのままの自分で、
笑顔でいられたら、いい。
何かを成すとかではなく、
存在している命に感謝できたら、最高。
なにより、理想の世界の私は、
本音でありながら、
誰とでも仲良くしていて、
笑顔で、明るく、感じが良く、
それでいて無理をせず、
ダメとか言いつつ、もう完璧なんですよ。
理想というか、妄想です。
現実にはない理想を願うほど、
現実は理想と乖離してしまう。
よりよくあろうとすることですら、欲だから。
望みを叶えたいなら、
先ずは、現実に抗わないこと。
それは、理想を捨てて、
迎合することとは違う。
現実を否定しないといいつつ、
ずっと比べていた。無意識に。
理想との違いは何か?
現実への眼差しが、比較だったから、
理想との違いを拾い上げ、
細かな違いに苛ついていた。
現実が理不尽だったのは、
私が進んで理想とは違う現実を
カウントしていたから。
理想との違いに幻滅し、
踏み躙られてきたから。
理想があるから、傷ついてきた。
けれど、理想を捨てるのは、忍びない。
こんな世界であったなら。
それは、私だけの善なる世界。
叶わなくてもいいから、
心の片隅にあって、輝いていて欲しい。
人生を照らす希望の星。
そのくらい遠い未来に置いてくる。
世界は概念なので、
時空を越えることだって可能なのだ。たぶん。
理想は未来に預けて、
今ある現実を優先する。
理想とは違う現実に傷つくのではなく、
理想を押し通そうとするでもなく、
理想への執着を手放す。
現実と乖離した理想は、
私にとって都合が良いだけなのかもしれない。
今ある現実は、
誰かにとって快適なのかもしれない。
私のための世界が理想なら、
誰かのためなら世界が現実。
変えてもらっては
困る人がいるのかもしれない。
意見を求められてもいないのに、
私の理想を語る必要はないのかも。
理想の世界は、私の中にあればいい。
小さく輝く星くらい遠くに置いておこう。
迎合するのではなく、
理想との違いを見つけようとらせず、
今ある現実に理想を見出そう。
違いではなく、叶えられていることに
目を向けよう。
現実は、チャンスを与え続けている。
選んでいるのは、いつだって今の私。
選択の答えが、現実。
なら、いつかは叶うのだ。
今は理想とは違っても、
理想を目印に人生の舵を取っているなら、
今より理想に違い未来になるから。
独りよがりの理想に執着せず、
けれど、理想にも現実にも絶望せず、
現実を優先してゆく。
理想は希望でいい。
今でなくていい。
あるだけで、未来に導くもの。
私は命だから。
死ぬまで、時間は味方であり続ける。
たぶん。
fumori