可能性がないものに、不安は抱けない。

今の私の幸せを叶える。
今の私を不幸にする理想なら、いらない。

そう決めたら、
今の私を不安にさせるものは、２つになった。

死と未来。

驚いたことに、あれだけ私を苦しめた
過去の記憶は、力を失っていた。嘘みたいに。

嫌だったり、許せなかったり、恥ずかしかった過去は、
思い出せば、嫌だし、腹立つし、恥ずかしいけれど、
当時の熱量を追体験することは、なくなった。

過去というフィルターがかかって、緩和されている感じ。

ちょっと他人事っぽいというか。
ダメさ加減が愛らしいというか。
受容できる濃度が高まったというか。

過ぎ去った今は、距離感のある過去になってゆく。
その回路が機能し始めたらしい。

記憶は、今に干渉しない。
過去は、今の私を不幸せにしない。

過去がクリアになったお陰で、
問題は明確になった。

今の私を不安にする死と未来とは、
未知と不確定さのことだから。

わかっていることに安心するのは、
わからないことが、怖いから。

安心したいという欲求は、本能的なもの。
私個人ではどうにもならない。

ただ、全てがわかっていたら、不安はないけれど、
わかりきったことを、淡々とやるだけの人生って…
なんの苦行だい？

わからないことは、
わかりきったこと以外を知る、やるチャンス。

死後は、無かもしれないし、
善悪で裁かれるかもしれないし、
人智では理解できない概念の世界が
広がっているのかもしれない。

どちらにせよ、知らない世界を知ることになる。
未知が、既知になる。謎は、解ける。

死が怖いのは、未知を知る覚悟がないからだろうか？
生きている間に、知りたい何かがあるからだろうか？

どちらにせよ、
まだ生きていたいってことになるのかな。

未来が確定していないという不安は、
予測される未来とは違う未来を生きられる可能性でもある。

可能性がないものに、不安は抱けない。たぶん。

不安になったら、望む未来を選べるサイン。
と、捉え直してみようと思う。

恐怖や不安といった感情に囚われやすいのは、
ネガティブな未来を避けようとして、
そうならないよう全力を注いでいるから、だと思う。

必然、暇さえあれば、ネガティブな未来を想定し、
そこでの問題を解決するということを、
無意識に繰り返すことになる。

今が未来の問題だらけになるので、
ネガティブな今が積み重なってゆく。
今が不幸せになってゆく。

今は、大変だけれど、未来は安全に生きられる。
そう信じてきた。

けれど、本当だろうか？

あれだけ想定して、
思い通りになった未来って、何割ある？

悩むことで、やった気になってない？
悩めば、未来に貢献した気分にはなれるけど、
それで満足してませんか？

そもそも、なぜ、
確定していない未来に、想い患おうとしてるの？
積極的に、主体的に、自分から食いついてくの？

暇つぶし？
自己満足？
贖罪？

なぜ、わざわざ、
今の私を不幸せにすることばかり考えているの？

なぜ、解決しない問題で、今を埋め尽くそうとするの？

いや、逆かな？

未来の問題を解決できたとしても、
予測してるのは私なのだから、
解決できるのは当たり前かも。

なら、なんのために、もやもやしてるの？
なにがしたくて、もやもやしてるの？

過去の時は、ヤバかった。
抜け出せなかった。

変えられない記憶は、何かのせいにするか、
自分を責める以外に処理しようがなかったから。

その場では気が楽になっても、
同じ熱量でぶり返し、その度に新たな答え、
納得できそうな言い訳を探し続けた。

今に干渉する記憶に、終わりはない。
無限地獄だった。

けれど、未知と未来は、違う。
不確定だから、ループできない。

今ある予測は、確定しない。
あくまでも可能性の１つでしかない。

未知や未来への不安は、
苛むためのものではないということ。

ベクトルは反転する。

無限のループまでから、無限の可能性へ。

固定概念から解放され、
今より希望に叶う未来とつながる。

その可能性を示す不安に含まれる感情を、
過去に苛まれているときの恐怖に重ねていませんか？
取り違えていませんか？

その不安は、冒険や好奇心や知識欲や、
心動かされるものとセットではないですか？

足りない自分を補うためではなく、
この命が伸び伸びと生きられる場所へ行くための
ゲートだったりしませんか？

門番は、過去と未来。

あなたは、過去になにを学び、
なにを未来を夢見ていますか？

私の選んだゲートは、それ。

今、生きている人類に、確定できる未来も死後もない。

個人としては、あるかもしれない。
信じることで、確定するものもあるから。

けれど、彼らの死後や未来観を、
私も採用しなければならない、なんて義務はない。

無意識で選ばされているものが、世の中には溢れている。

そういうものだろう。
こんなもの。そんなもの。普通。当たり前。

大勢の人が信じている死後の世界観や未来予測が、
今の私を不幸せにしているとするのなら、
なぜ、それを信じ続けているのだろう？

私は、今の私の幸せを叶える。
今の私を幸せにしない理想なんか、いらない。

私の幸せを叶えるから、
あなたの幸せも尊重する。

互いの幸せを潰し合わないように。

みんなが自由に、自分の幸せを叶えながら、
みんなの幸せを願い、それを叶える自由を尊重する。

そんな夢みたいなことを人に話せば、
バカにされる時代だった。

けど、バカにされたって、
夢を見ることを止められる人なんて、いない。

いつだって、見たい夢は見れたんだ。
夢見ても、よかったんだよね。ずっと。

私を不幸せにしてきたのは、
夢見る勇気を捨てたから。

なら、取り戻そう。

そして、
それは可能だし、たぶん、確定した未来。

未来には、どんな可能性だってあるし、
決めて、選んで、信じ続ける限り、確定しているから。

 fumori