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バー周遊記 2023年1月 その2

目指すはカモメ

新年を迎えて秘蔵のボトルが出てきた。ボウモアの17年。

蒸留されたのがおそらく1985年ごろという。17年熟成なので、2002年ごろに瓶詰めされて20年余。

それでは早速、といきたいところを抑えて。今日の大トリをこのボウモア17年と決めて、そこに向かう道のりを迷ってみることにした。

スタートはジンリッキーにした。最近はジントニックよりもお願いすることが多い。自分の中での好みの流れが変わってきているのかもしれない。するすると体内に取り込まれていく。

人心地がついたところで、どうやって山を登っていこうかの思案に入った。あまりバタバタした流れにはしたくないので、味があっちこっちに飛び回らないようにしよう。ショートカクテルよりもウイスキーに入った方が良さそうだ。少し抗ってみたのは、スコットランドに入る前にアメリカを経由することにした。しばらくご無沙汰していたジャックダニエルのロックを選択した。甘みを強く感じながら大西洋を北上していった。

アイラ島で足踏み

スコットランドのどこに上陸しようか。スペイサイドか。

ここで味のレパートリーを増やしてもいいものかという思いがフツフツと湧いてきた。最終目的地となるボウモア17年の予想している味わいに近そうなところに寄せた方が正しいアプローチではないか。

安直と言ってしまえばそうなのだろう。現行のボウモア12年をお願いすることにした。こちらはよく知っている味わいになる。ピートの香りも取り入れつつ最後の山に向かっていった。


ボウモア17年

時を経た味

最初からシェリー酒の香りと味わいが強くひろがった。時が経っているのでとても角が取れた丸みを感じた。なだらかに引いていく余韻は一口毎に微妙な差で変化しているのか、と思われた。

作り方が現代と違っているのだろうと思った。もちろんどのように違うのかはわからない。結果としての味わいはだいぶ異なることはわかった。

最後に加水を一滴。時を経て残っていた最後の角が取れ、風に乗って流れていった。

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