こどもたちの反応

以前作った補助教材をこども教室で実際に使ってみた。

まず、今日のこども教室は2コマとも8名満員だった。
このご時世、空間を広くとらないといけないので、これ以上は増やせないところ。

結果としてそのうち3名に使ってもらって「作ってよかった!!」と思った。

・講師側から説明・確認がしやすかった。
・机の上のスペースをうまく使えた。
・こどもたちがプリントに答えを書くのがスムーズになった。

6歳の双子の女の子たちは、詰みがどういうものか理解はしているし、ある程度頭の中で予想することができる。けれど、王手でない手を指したり、とりあえず思いついた答えをプリントにすぐ書いてしまう。
そこでまずはこの紙に駒を並べてもらって、動かしながら確認する。

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これまでは将棋盤を使っていたのだが、盤の場所をとるのと、11の地点はこどもにとって手が届きにくい場所だ。そして、回答用のプリントをどこに配置するかが難しい。
この教材のおかけで場所をだいぶ小さくでき、手も届きやすくなった。
駒を並べるのも楽しそうである。
いままで符号をよく書き間違えていたが、盤に符号が書いてあるのでそれも楽になった様子。

今日から入会の5歳の男の子はそもそも文字がよめなかった。漢字どころかひらがなも。(それでも将棋は指せる。すごい。)

この説明を声で読んで説明した。…けれど、ひらがなもかけないので数字だけ書いてもらうことにした。

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数字もあまりかいたことはなさそうだったけれど、まねしてそれっぽく書いていた。書くことが重要ではないので、まる。

しかし、やはり王手をしなかったり、逃げられるところがあったりで、確認ができていない。そのたびにこのプリントの取り出し「詰みチェック」のところを1から読み上げて一緒に確認していく。

…ということを繰り返して、プリントがバラけているのが良くないなと。

他によく注意したこととして、成れることに気が付かなかったり、成、不成をかかなかったり。

そんなわけで、教室が終わったあとにアップデートしたのが以下。

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(修正点)
・敵陣の色を変えました。
・4つのチェック項目を書きました。
・成、不成について書きました。
・符号の文字サイズを拡大しました。

まえのほうがスッキリしてデザイン的にはキレイだったんですけどね…。
でも使いやすいほうがいい。
これでまた来週使ってみます。

(以下、思うことをつらつらと)

将棋用語が難しい(3)」で書いたことだけれど、駒の動きを示す「右」とか「上」とかは、大人にとっても難しいのでこどもにはもっと難しい。
というわけでうちのこども教室では右/左は書いても書かなくても○にしている。プリント上で駒からマスに→を書いて貰えばok。符号を正しく書くことはもとめておらず、詰みを理解ができているかどうがこちらがわが確認するためと、まぁ文字を書く練習としてやっている。

そもそも右/左がどっちなのかを覚えるのが難しい。
私自身、将棋をするまで右/左がわからない人間だった。(実話です。"飛車のほうが右"と覚えるようにして、そのあとに棋譜でさんざん右/左に出会ったので、実生活での右と左がわかるようになりました。つまり高校生の頃までさほど困らなかったんですね)

こどもの成長はそれぞれ。最近入った4歳の男の子は3手詰がスラスラ解け、講師に8枚落ちで圧勝し、歩を片付けるときに「さんにがろく、さざんがきゅう…」と呟きながらキレイに箱にしまってくれます。すごい。

お家の人がだれも将棋をしないのにアプリで対局してどんどん強くなってる子も。他のお教室とかけもちしてるのかと思ったらそうじゃなくて独学らしい。アプリとか本とかで戦法覚えたそうで。

こどもは興味と素材さえあればいくらでも自力で学んでいく、といつも思う。将棋に興味をもってくれた子に楽しんでいるうちに上達する教材を与えてあげたい。

どうぶつしょうぎはそうした考えで生まれたもの。あれが売れたということは、将棋をやりたい/やらせたい需要がもともとあって、でもそれまで適した教材が少なかったからなのだ。

以前も書いたが、もうすでにねこまど内で私よりこどもに教えるのが上手い講師は数名いる。その先生たちに任せておいて良いのだが、それでも私がいま現場に立って教えるのはこうした教材づくりと、講師育成のためだ。

将棋講師として働ける人を増やす。
講師の力量に頼りすぎず、生徒が学びやすい教材を作る。
これが「会社として」教室を運営する意義だと思う。


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