”好き”でつながることが、自然なコミュニティ #新しいコミュニティの作り方

「新しいコミュニティの作り方」イベントに参加した理由

Eコマースのバックヤードで運用に携わる方たちのために、「BACKYARD FES.」を開催している。

主な目的は、
・普段は会うことのない、バックヤードとお客様が体験でつながる「EC market」
・Eコマースについて、大切にしたいことの情報共有「Guest Talk」
・Eコマースのバックヤードの運用に関する情報共有「BACKYARD CAEF」
・バックヤードで日々貢献されている方々に、各店舗の経営者・店長・同僚の方からの”いつもありがとう”の想いを添えた表彰式「BACKYARD AWARD」
・バックヤード同士の交流「BACKYARD Party」

このイベントで、それこそ初対面のはずのバックヤードとの交流が、想像以上に自然すぎだったことが本当に心に残っている。

よくCROSS MALLのユーザーさんからも、「他のユーザーさんの運用事例が知りたい」と他社バックヤードとの交流をのぞむ声を聞く。
FES.中のGuest TALK Day1でも、「経営者同士のつながりはあるけど、現場同士の交流の場、あるといいよね」といったお話もあった。

個人的には、その「交流」が日常的にあったらバックヤードの方に喜んでもらえるのかもしれないけど、どうしたらFES.のように自然なものにできるのだろう・・・そのヒントを得るためにも、自分自身が周りと初対面でも「自然だな~」と感じる体験の場がほしいと思っていた。

そんな時に、IKEUCHI ORGANIC 牟田口さんの、このnoteで「新しいコミュニティの作り方」というイベントを知った。


「コミュニティを作ること」を求められているわけではない


イベントに参加して感じたこと。
それは、「Eコマース」「バックヤード」の方たちの交流の場を作ることではなく、自然とバックヤード同士の交流が生まれるための応援をすることが役割だということ。

「来てください」とお願いしてきてくれた場合は、相手も「お客さん」の意識になってしまう。
でも、「集まろう!」で集まれば、「もっとこうしていきたいよね」「次回はこんな風にしようか」とお互いから前向きな話が自然とうまれるし、終わった時の満足感・次につながるパワーがお互いに自然と湧き上がる。
そんな場が理想だなと感じた。


IKEUCHI ORGANICから学ぶ、健全な”つながり”とは?


イベントで特に心に響いたこと。
それは、自身の感じたことにも通ずるのですが、イベントで紹介された「イケウチな人たち。」の話。以下、共有です。

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IKEUCHI ORGANICでは、当時課題にされていることがあった。
それは、お店でお客様から熱狂的なお声をいただいても、工場がある本社の今治にはその共有がストレートに受け取ってもらえないということ。
牟田口さんは、「お客様の熱を工場にも伝えたい」という想いがあったという。

そのための取り組みとして、お客様からの「工場に行ってみたい」というお声を元に、2017年10月から年に一度「工場見学ツアー」というファンイベントが始まった。

そして・・・

池松さん:イケウチオーガニックは今年で66年。リーマンの前の2003年に、お付き合いのあった問屋の連鎖倒産で、民事再生されてますよね。
工場で働いている方は昔から働いている方たちなんですか?
牟田口さん:昔からの方と、民事再生後で、半々くらいですかね。
池松さん:なるほど。OEMでやってきたから、自分たちがどんな風にお客さんに見られているか?もわからないし、町の中でのポジションも微妙なところがある?
牟田口さん:実は相当微妙で・・一回民事再生してしまうと、「あそこは失敗した会社だ」とみられてしまうんですね。なので就職先の希望もこなかったりして、要は「働いている人たちが誇りを持てない」という環境があって、それはやっぱり一番問題意識としてあって、「お客さんと生産者をつなぐことでそこが変わってくればいいな」という想いでファンイベントもやりましたね。
池松さん:なるほど。そこから「イケウチな人たち。」に至るまでどういうプロセスだったのですか?社内の説得はどんなだったのですか?
牟田口さん:まず、「イケウチな人たち。」は何か?というと。僕らのお客様には熱狂的な方が多くて、ただそれが本社の今治にはどうしても伝わりづらい。それをストレートに伝えてみたい、と思ったのがきっかけです。
なので取材先は、うちのタオルをおしぼりで使ってくれているレストランの方だったり、美容室でタオルを使ってくれているオーナーの方だったり、全部自分たちの取引先の方ですね。で、この方々の”好き”の度合いが半端なくて、この取材全ておしぼりのことしか話してないような内容になっているんですね。この方は本当にIKEUCHI ORGANICが好きで、彼の紹介でレストランの方が「おしぼり使いたいです」と毎日お店まで会いに来てくれださる方がいるくらい広めてくださっているんです。
好きな人の集まりをどんどん紹介することで、きちんと本社の人たちにも伝わるし、コミュニティとしても急には成長しないかもしれないけど、大きくなっていくのでは?と始めました。
社内では、予算も結構かかる話なので、リスティング広告を全部やめて切り替えました。社長経営陣含めて話をした時は、売上どうなるの?とか聞かれるかと思ったら、「それはいいね」と(笑)。「ファンの声をちゃんと伝えることは、健全なお金の使い方だよね」と、すんなりメディアを作ることができたという感じではありますね。
池松さん:そういう流れの中で工場や会社の方たちが、お客さんと交わることを初めて知ったのが、昨年の6月。それがあって、お客さんとつながるのが大事になった?
牟田口さん:そうですね。作り手と使い手の関係をもっと深めたいという想いですね。
池松さん:これは、今治の人たちだけではできなかった?
牟田口さん:そうですね。
池松さん:東京の牟田口さんがいたからできた?
牟田口さん:いえいえ!そんなことはないです!外部の方にも結構入ってもらっていて、それも「IKEUCHI ORGANICのことが好きで、ぜひ手伝いたい」という方しか実は呼んでいなくて、ライターさんもそうですし、カメラマンさんもそうですし、みんな好きで集まるという形になっているんです。
坂口さん:集まっているライターさんが、すごい有名ライターさんが本当に多くてうらやましいくらいですが、それは製品がいいからですよね。
牟田口さん:本当に、ベースがそこですね
池松さん:
テレビで拡散型の、有名だから聞いてくださいではなく、イケウチファンのライターの人が、熱烈なるイケウチユーザーに取材をすることによって、同心円状に人づてに話が広がっていく。こういうことをやっている会社さんて他にあるんですか?
牟田口さん:どうなんですかね。僕はよくわからなくて、ベンチマークをしてこういうところに市場があるんじゃないかみたいな調べ方はしていないですね。単純に自分の原体験に基づいて、この熱量のあるお客様の声をどうやったらストレートに伝えられるかということを自分の体験を元に作っています

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”好き”だからつながって、その人数が3人→4人と増えていくことが”集まる”になっていく。それが自然なつながりだし、自然なことをやっているから、健全なつながりでいられるんだと思う。


コミュニティは、作るものではなく”できるもの”

イベント中、坂口さんが「コミュニティは作るものではなくできるもの」とおっしゃっていたが、まさにその通りだと思った。
自身がイベントに参加して、大事にしたいと思ったことは3つ。

1.”好き”でつながることが、自然で健全なコミュニティだということ。
2.コミュニティを作ることが目的にならないようにすること。
3.自分自身の「体験」を大事にすること。

目的は、自然とバックヤード同士の交流が生まれるための応援をするため。
B.Yは、そのための手段の1つ。
B.Yで紹介している「Eコマース」や「バックヤード」は、本当にスゴイ。その、「こういうところがスゴイんだよ!」「こういう人がいて、めちゃくちゃ魅力的だった!」そんな風に自分が感じたことを言葉にして、B.Yを通してバックヤードに「応援してます」という想いを届けられるようにする

今回のイベントのスピーカー4名とも、「想い」が卓越していた。その「想い」がうまれた根拠としてストーリー(原体験)もあるから、その人にしかできない嘘の無い魅力を感じ、無敵だなと思った。
B.Yでも、「想い」がうまれたその人ならではのストーリーを、改めて大事にしていきたいと思った。



補足

①イベントレポート

https://twitter.com/hamami_chan/status/1098259096518615040

「グラフィックレコーダー」という存在を初めて知った。イベント終了後1時間程度で、このクオリティのものがあがるスピード感と、内容の濃さ。スゴイ!


②福岡との中継

サテライト会場として、福岡とskypeで中継。
音声が安定せず、途中LINEで音声をつなぐなど苦労もされていたものの、この取り組みで良いなと思ったのが3点。
・東京にいなくても、リアルタイムで一緒に参加できる点
・質疑応答タイムで福岡と東京とのコミュニケーションもとれる点
・中継終了後、サテライト会場側でも交流ができる点


③参加者がどうやってイベントを知ったのか

Facebookが圧倒的に多かった。
残りは、peatex / twitter / note / その他 がそれぞれ3~5名程度。


④東京会場の参加者用のイス

BACKYARD FES.でも使用したものと同じ椅子!
この本当にちょっとした共通点が、とても嬉しかった。
飲み物を置くちょっとしたテーブルにもできるし、気軽で良い。

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