みどりの指に憧れてみどりのカーテンを待っている 【つくり手であること】
英語の慣用句に、green finger もしくは green thumb という表現があります。直訳すれば「緑の指」「緑の親指」、意味は「ガーデニングの才能」のこと。植物と上手に接する手を持つ人を表すときに用いられ、小さな家庭菜園がまったく理想に程遠いわたしにとって、喉から手が出るほど欲しいものでもあります。
今の家は中間山地のため湿気が多く、ただでさえ地球全体の気温が上がっているのに輪をかけて、夏の暑さはものすごいことになります。自宅が職場でもあるためエアコンはありますが、あまり長時間エアコンの風に当たっているとすぐに体調を崩しがち。そこで毎年ちょっとずつグリーンカーテンにもチャレンジしてきました。
グリーンカーテンとは、つる性の植物を育てることで建物の壁や窓覆い、夏の日差しを和らげるなど、様々な効果を期待するもの。自然で地球に優しいカーテンとして、地球温暖化が叫ばれるようになった10数年前から毎年夏に向かう時期に話題に上がりますね。
私が小さい頃はまだ「グリーンカーテン」という言葉は定着してなかったと思いますが、実家の母屋の大きなガラス戸の前には必ずひまわりを横列で植えていて、祖母は「日よけになる」と言っていましたし、アサガオが大好きな母は今も毎年、リビングの日よけにアサガオの壁を作っています。暑い夏を乗り切るために、先人たちは同じようなことを昔からしてきたのでしょうね。
食べられるカーテンを目指す
せっかく育てるのだから、今の家では食べられるカーテンを目指しています。小さい庭で、つたの生える植物をたくさん種まきしました。
●モロッコいんげん
●バターナッツかぼちゃ
●ホップ
●ヘチマ(食べないけど食器洗いスポンジのため)
しかしすでに暑くて追いつかない
と思ったものの、植物たちの成長を追い越すかのごとく暑くなるニッポンの気候。早い梅雨に入ったと報道されていますが、日差しがあるときはすでに暑い...まだやっとクルクルと巻きついたばかりの葉っぱたちは私の膝ほどの高さだったり、もしくはワサワサと茂る前のひょろっと1本といった状態で、果たして本格的な暑さに間に合うものだろうかと一抹の不安を抱きはじめています。
グリーンカーテンも、グリーンの指がある人にはもっと簡単に実現できるものなのでしょうか?
CO2削減が国を挙げて急務である昨今、真剣な話、グリーンの指をたくさん育てるような教育改革が必要なんじゃないかとさえ感じています。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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