
まだ寒い寒い冬の時期、イノシシの罠に、1匹のメスのたぬきが掛かりました。
たぬきは、作物を荒らしたり糞害をもたらすなど、害獣として駆除の対象になっています。
見た目はとっても可愛く、特にメスだと小さめで丸くて(冬毛のせいもあり)コロコロしています。
そんな姿を見てしまうと、「かわいそうだから、逃がしてやりたい」そんなふうに思ってしまうのも無理もありません…
ですが、やはりある一定数は、少しづつ命をいただくしかありません。
せっかく命をいただくのですから、肉は食用に適さなくても、毛皮の活用ができるかもしれない。
そんな訳で、罠に掛かったたぬきの毛皮をいただいて、鞣すことにしました。
今回は、罠のたぬきを仕留めるところからでした。
丸くてふわふわかわいいたぬき…
思い起こせば、絞めたことがあるのは、魚くらいでした。
動物を締めるのは実は初めての経験。
命をいただくというのは、こういうことなんだなぁ…というのを改めて感じました。
その後、川で3日ほど血抜きと冷やしを行い、皮を剥ぎます。
皮を剥いだら、イノシシと同じく、余分な脂肪を取り除き、塩漬けにして脱水(私は一度にやりきれないため、これを同時進行します)、重曹とホウ酸で作った鞣し液で鞣します。
10日以上鞣し液に漬けて、水洗いをし、水分をあらかた飛ばした後、板に貼り付けて乾かします。
そうして完成した、たぬきの毛皮…
ふんわり柔らか。
加工も行いやすそうです。
たぬきの毛は、筆類や歯ブラシなどにも利用されます。
毛皮も昔は高値で取引されていたそう…
害獣として、ただ殺され、ただ廃棄されてしまうというのなら、こうして役に立ててあげたいと思うのでした(どちらにしても人間のエゴですけれど)