天孫降臨とルーツを訪ねて〜自分を知る鹿児島旅〜
旅のいきさつ
令和元年に出た桜井識子さんの『和の国の神さま』を読んで以来、鹿児島の訪ねたい場所がいくつもあった。
本には古事記の天孫降臨と天照大神の2つの取材があり、私はそれぞれの場所を訪ねたかった。問題は行きたい場所が南北に反対方向なのだ。
5年が過ぎてようやく格安航空券を買ったが、動けるのは当日と翌日だけ。3日目の朝に帰るのでスケジュールが悩ましい。
古事記のテーマ方は、霧島神宮、霧島東神宮、宮﨑神宮、鹿児島神宮からまず霧島神宮を選んだ。
それぞれが離れているのだから仕方がない。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)のモデルとなった神さまを訪ねる。初日の宿は霧島神宮の近くにして、2日目のホテルは翌朝早朝のバスで鹿児島空港へ行けるように、鹿児島中央駅近くに取った。
2日目については、3つのプランを作った。
<プラン1>鹿児島や鹿児島中央周辺で観光
『お稲荷さんのすごいひみつ』に乗っている稲荷神社(鹿児島五社の第三位)へ行ってから、桜島で温泉に入って夕食を食べる
<プラン2>指宿周辺で観光
温泉や砂蒸し風呂など体験してくる 開聞岳が見える露天風呂もあるのでそこから眺めたい
<プラン3>開聞岳のふもとへ
天照大神に会えるという開聞岳を見てくる
多分一番気楽に快適に過ごせるのはプラン1
プラン2は観光しつつ温泉から開聞岳を眺める折衷案
プラン3は開聞岳の登山口まで行く。移動ばかりでキツいし戻りの電車が3時間後とアクセスが悪い。
でも天照大神に一番クリアにつながれる場所がここなので、いつかはもう少し丁寧に予定を組んで、適切な時期に行きたい。
『和の国の神さま』の何がそれほど興味深いのか、少し説明がいるだろう。
神仏など見えない世界の存在が見えて話もできる桜井識子さんは、取材を重ねていくうちに霧島神宮の神さまは、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)のモデルとなった古代人だと知る。(以下ニニギさんと表記)
渡来人が来る前に広い範囲でクニをまとめてルールを作った人物で、初代天皇かとの問いには否定している。
(日本のルーツの話は諸説あって、私はただ識子さんが各神社で直接コンタクトをして検証を重ねたものを信用しているに過ぎない。)
また実際に大和へクニを作りに行ったのはニニギさんの孫たちであるという。
私は無秩序な暴力横行の世界をなんとかしようと、仲間と力を合わせて平和な社会を作った霧島神宮の神さまの雰囲気を感じてみたかった。
また、それまで識子さんは国内相当数の神社を訪れて来たがどこでも本物の天照大神に会えなかった。
どこも祈る人間の気持ちに応えようと代理で天照大神をやっている。人間は違う名前で呼ばれたくはないが、神さまは名前が違っても気にしない。他の神さまもそんな風だし、御由緒と実際の御祭神は違うことは珍しくないらしい。
しかしある時、彼女は弥彦神社の神さまに開聞岳で会えると教えてもらい、開聞岳に登って初めて本当のアマテラスさんに会うことができた。
詳しくは本を読んでもらうしかないが、アマテラスさんは開聞岳にいるのではない。呼ぶと高天原から開聞岳に降りてきてくれる。
超古代、失われた大陸ですでに神さまだったアマテラスさんは今の日本上空へやって来た。
イザナギ、イザナミと呼ばれる神さまが龍の形に日本列島を整えて、アマテラスさんはしばらく列島全体の上にいたが、やがて高天原という日本人の意識にしかない世界ができたので神話の神さまたちとそこにいることにした。
アマテラスさんは島国日本の暮らしを守る神さまで、古事記の天岩戸に隠れた天照大神とは別人である。
開聞岳は、アマテラスさんが超古代に上陸して日本の神界に入った特別なポイントで、かつては山もなく地球のエネルギースポットだったという。
そのような特別な場所なので、こちらが見えなくても呼べば必ず出て来てくれる。
伊勢や元伊勢など、かつて正しくコンタクトできた人がいた場所でも会えるが、最もクリアにコンタクトできるのが開聞岳なのだ。
私は腰や背骨の関係でリュックや重い荷物が持てないので登山はしない。第一今回行くのは12月の午後だし日時が適切ではない。だから航空券を取った時はアマテラスさんの方は期待せず、霧島神宮関連を回ろうと思っていていた。
しかし霧島神宮関連も回るにも十分な時間がないので、もう1つの本『お稲荷さんのすごい秘密』から鹿児島の富隅稲荷と稲荷神社(鹿児島五社の第三位)に行こうと考えたり、最後まではっきり決まらないまま出発した。
霧島神宮を訪ねて
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