離婚しない夫婦喧嘩のコツはパワーワードを減らすこと

友人に冬実さんという人がいて、出会いは夫経由。それぞれの夫が山登りが趣味なんだけど、そのサークルで夫同士が知り合い、そこから派生して妻の私達が仲良くなったという関係。
つまり、夫婦で繋がってるんですよ。

ここ最近、冬実さんからのLINEの10割はご主人の愚痴。内容はどの夫婦にもありがちなことで、育児をしないとか、一人で勝手に遊びに行くとか、育児をしないとか、育児をしないとか…(笑)。
でね、今日、冬実さんと久しぶりにランチをしたの。その時になかなかハードな夫婦喧嘩の顛末を聞くことになった。
何で始まったかわからないけれど、ケンカの末、ご主人が警察に電話をしたらしい(笑)。冬実さん曰く「自分の話を聞いて欲しかったみたいよ」と。


Yahoo!知恵袋にでも相談しろよって思ったね(笑)。


警察に電話をして慰めてもらうはずが、ご主人が冬実さんにしたことが判明し、逆に怒られるという。
おまけに、警察はご主人の実家にまで電話をかけて「あなたの息子さんね…」という感じで義母さんにとくとくと話をしたら、それまで絶対にご主人の味方をして冬実さんを罵っていた義母さんが、「夫婦のことは夫婦で解決して!」とやっとキレたらしい(笑)。


息子より警察をとったのか!


まあ、そんなわけで冬実さんは「離婚する」と言う。そして、ご主人はご主人でうちの夫に「離婚する」と電話してきてるわけ(笑)。
でもね、「こういう夫婦は別れないよね」というのが私達夫婦の見解なんですよ。
なぜかというと、


ケンカできてるから。


ケンカ「してる」ではないですよ。
ケンカ「できてる」です。
夫婦においてケンカというのはすこぶる複雑怪奇なものでして(既婚者ならわかると思うけど)。
一番離婚に近いのはケンカ「できない」夫婦だと思うよ。

子どもの頃、ある歌手が離婚会見を開いてたの。私はたまたまそれをワイドショーかなんかで目にして。
その歌手が言うには、


「私達は7年間夫婦でしたが、1度もケンカをしたことがありませんでした。
それはケンカできない関係だったからです」。


幼心にそれがすごく不思議で。
うちは両親をはじめ、祖父母も親戚もよく夫婦喧嘩する家庭だった。
しょっちゅうケンカしてるんだよね。しかも派手めなやつね(笑)。
物心ついた時からそういう環境だったから、そのことで特に心を病むとか怒鳴り声に怯えるとかなかった。
アニメを見ながら遠くの方で聞こえる諍いの音に「あー、また始まったなー。今日は何が原因だろ(笑)?」って思いながらアニメを観てたからね。
で、観終わったら「そろそろ様子を見に行きますか」なんて思って争いの場へ何も知らないふりをして行くわけよ。
そこには心配とかそういう感情はまったくなくて、単純に好奇心。野次馬根性みたいなやつよ(笑)。
まあ、そういうわけだから私は夫婦ってのはケンカするものだと考えていたの。

でもね、ケンカしない夫婦もいるらしいのよ。
小学校も高学年になると友達と互いの家庭や親の話をするようになる。
その中で「お父さんとお母さんがケンカしてるの見たことないよ」と言うクラスメートが何人かいたの。
当時は幼かったから「えー、そんな夫婦もいるんだー」ぐらいにとらえてた。
中学生になるとわりと斜め思考になり、「あなたの目の前でしてないだけで、絶対どこかでやってるわ」って思ってた(言ってない)。

ケンカできない、というかケンカしない夫婦が実はそんなに仲良くないことを知ったのは高校生になってから。
小学校から高校まで一緒だった凪子ちゃんていうのがいたんだけど、彼女の両親は巷で評判のおしどり夫婦だった。
なぜか赤の他人の子どもまでもがその仲睦まじさを知ってるぐらい。なんで子どもが知ってんのよ!って感じだけど、きっとその子の親がそういう話をしてたんだろう。
だけど、私達が高校2年生の時に凪子ちゃんの両親は離婚した。
その理由はお父さんの浮気と借金だった。


どこが仲睦まじいねん。


夫と結婚してすぐの頃、男友達と電話で話したことがある。
彼は私よりずっと早く結婚したんだけど、「新婚なのにケンカばかりだよ!」と私が愚痴ると「ケンカできるだけええやん」って言われたの。


「ケンカするってことは本音を言える仲ってことやろ」とも。


「あぁ、彼は奥さんに本音を言えないんだな」って感じた。

夫婦におけるケンカは一般的なそれとは少し違う気がしている。
うちもよく仲違いする夫婦なんだけど、それでも子どもは2人いるし、未だに離婚してないからね。ケンカするくせに夜の営みもそこそこあるし(笑)、私達も冬実さん夫婦と同じようにきっとずっと夫婦でいるんだろうと予測している。

夫婦における仲の良い悪いを推し量るのは難しい。
ケンカすることで互いの本音を知ることもある。
先述した某歌手が会見で言っていたように、ケンカすらできないぐらい冷めきってしまって会話もない方が危ないと思うんだよね。
表面上は仲良くしていても、結局、それって仮面だからね。
仮面夫婦の代表である松田聖子と神田正輝だって、マスコミの前では手を繋いでラブラブを装ってはいたけれど、マスコミがいなくなるとすぐにその手を離し、お互い別の車に乗り込んで別の方向へ行ってたらしいからね。
で、結局別れたじゃん?

「うちは1度もケンカしたことないよー」と私に自慢げに話してくる人もいるけれど、「えー!それってすごい!!」と言いながら、心中では「それってどちらかがすごく我慢をしてるんじゃないの?で、そのうち離婚するパターンじゃないの?」って思ってる(笑)。

冷静に論理的に賢くケンカができる人もいるけれど、私はその時の勢いでガーーーッて言いあった方がスッキリするんだよね。
唯一気を付けていることは子どもの前ではキレないことかな。

夫婦なんていつもどんな時も仲良くいる必要はないと考えてる。なんかそんなの嘘臭いわ。
ケンカをして相手の気持ちに気づいて、自分が悪かったとわかれば素直に謝れば良いんじゃないかしらね。
あとは、前回のケンカの際に相手から「それは絶対に例外なく言わないで!!」と言われたことは必ず守るとかね。これはケンカのルールというか作法かもしれない。
相手との約束を守りながらケンカしてると、よほどの語彙力がない限り次第に使えるパワーワードが減っていくから(笑)。
そうなると自然とケンカできなくなるわけですよ(笑)。

友達夫婦に「離婚だ離婚だー!」って言えてるうちは安泰よ♡ きっとこのGWで冬実さん夫婦は元通りになり、またケンカして、また元通りになりを繰り返すんだと思うわ(笑)。

夫婦のケンカは「夫婦喧嘩は犬も食わない」レベルがちょうど良いってことよ♡

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