知りたい欲、食べたい欲
職場の昼休憩、ふと、昔聞いたロックのフレーズが脳裏をよぎった。
ドゥーダダッダッダッダ、という軽快なスキャットが流れる。軽快だが少し切ない、お洒落だけどどこか懐かしい。
しかし曲名を思い出せない。
日本人男性のロックバンドで、全曲英語の歌詞の作品を発表している。
YouTubeで観たミュージックビデオの中には、360度カメラで撮影した映像もあった。
そのキーワードを頼りにインターネットで検索しても、思い出せる限りの歌詞をキーワードに入力しても、それらしい歌手名にも曲名にもたどり着けなかった。
仕事中も、家に帰ってからもそれが誰だったのか、ずっと気になっていた。
この感覚、味わったことがあった。
小学生の時、授業中に突然アップルパイが食べたくなった時があった。五時間目の授業の間に突然、口の中に林檎の甘煮の水々しい酸味が広がり、我慢できなくなった。
急いで家に帰ると、偶然母がリンゴ入り菓子パンを買っていた。パイでは無かったが、無心でアップルパンを頬張った。
知りたい、思い出したい、情報を得たいという欲は、食べたい、という衝動に似ているのかもしれない。
そのようなことを考えているうちに、寝る前に、曲の正体にようやくたどり着いた。
FIVE NEW OLD の『What's Gonna Be?』。
この曲を味わいながら今日は少しだけ夜更かししよう。