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パリオリンピック柔道観戦記〜男子66kg、女子52kg

なんでこんな事始めたんだろう、って前の占いのときにも感じてたんだけど、やると決めたのでやっていくことにする。

阿部一二三選手

強い選手は組手が上手い

阿部選手も組手がとても上手いと思った。やっぱり引き手から、ってのは阿部選手も同じだと思うんだよなぁ。相四つだと引き手から行くことが多くなるのは事実なんだけど、やっぱりそれでも意識しないと引き手からを徹底できないから。

繰り返すけど、僕は引き手至上主義派なので、引き手を上手く使えるようになると、実力が上がると思っている。

あと、阿部選手はよく考えてるな、と思った。東京オリンピックで優勝してから、マークされることは分かっていたのだろう、だから両袖でも戦えるようにしている。大外刈もそうだし、袖釣込腰もそうだし。

どっちの技も元々使ってたけど、ここまでこの2つを多用するようになるとは思わなかった。まともに組んでくれない、ってところで考えたんだろうな、と思う。

邪道というほどでもないけど、奇をてらった方法に走った選手は、大概弱くなるもんなんだけど、阿部一二三選手はそんな事なかったなぁ。お見事でした。

あと、引き手をちゃんと使うことで、奥襟を取らせないってところも効いていたのかな。両袖を自分の形にすることで、相手の引き手と釣り手、両方を殺すことができていたのが効果的だな、と感じた。

横綱相撲

基本的には全部横綱相撲という感じで、そんなに危ないところは見えなかった。準決勝は延長線に入っていったけど、それでも最後はちゃんと投げて勝ってたし。

ほとんどの試合で投げられそうな雰囲気は一切なかった。上記した通り、組手がしっかりしてたから、苦し紛れの技にも一切困ることがない。

こうなると一番気をつけなきゃいけないのは組際。まあ、組際はいつでも気をつけなきゃいけないのだけど。そこも危なげなく抑えていた。お見事としか言いようがない。

今回の勝ちについては、あんまりケチのつけようがなかったなぁ。

無理やりケチを付けるなら、技有が多くて、一本の投技が少なかったかな、と。それもまあ、審判の裁量次第なところもあるしね。僕だったら一本にしてたかもな、ってのもあったし。たまたまだと思う。

それにしても強かった。おめでとうございます。

今後はどうするのか

東京大会以降も負けてないんだよね、同じ階級で。同じ階級では敵がいなくなった、ってことなんじゃないかと思うんだけど。ボクシングの井上尚弥みたいなもんかな。

となると階級を上げるか?って話が出てくると思う。年齢的には26歳、もうすぐ27歳ということで、そろそろ減量がきつくなってくる年齢ではある。吉田秀彦が階級を上げたのは26歳、古賀稔彦が階級を上げたのは28歳。阿部一二三選手が次のLAオリンピックを狙うとしたら、30歳か31歳になる。

現在がどれくらい減量してるのか知らんけど、それ次第かな、という気はする。

さて、どうなるのか。

阿部詩選手

原因は色々と言えるだろうけど

阿部詩選手が2回戦で敗退するとは、流石に思ってなかった。1回戦は快勝だったし、2回戦も直前までは完全に優勢に進めてた。負ける要素は殆どなかった。よもやよもやだよ。

よもやよもや

一本を取られたシーン以外は全く問題なかったのだけど、あそこだけ、完全にやられてしまった。誤審でもなんでもなく、完璧だった。

あの直前で横向きになってしまった、ってところが問題だったのだろうと思う。

投げられる直前のところなんだけど、横向きになってしまった。相手に引っ張られて、その流れで横向きになって、内股か何かで逃げようとしたところを抱きつかれた感じ。

引っ張られたタイミングで相手に正対したまま対応出来てたら、抱きつかれるようなこともなかったと思うのだけどね。

まあ結果論です。それまでは問題がなかったし。

あの一瞬だけ、だったんだよなぁ。

KELDIYOROVA選手は強かった

でも、やっぱりKELDIYOROVA選手は強かったと思う。技有を取られていたとは言え、それ以外のところでは五分に近い戦いをしていたし、受けの強さもあった。そして何より、チャンスを逃さない集中力があった。

阿部詩選手はあの一瞬、集中が切れた、のかもしれないね。

そしてKELDIYOROVA選手は見事に金メダルを取っている。彼女からポイントを取ったのは阿部詩選手だけ。この2人がやっぱり強かったのだと思う。

ここはもうKELDIYOROVA選手を褒めるしかないし、それだけの強さと資格があった、ということだと思う。

KELDIYOROVA選手、おめでとうございました。

LAオリンピックでのリベンジを期待したい

阿部一二三選手はLAオリンピックで30歳か31歳、阿部詩選手は28歳。まだまだバリバリ現役でやってる年齢。むしろ一番脂が乗る時期ちゃうか。

そこでぜひ圧倒的な力で優勝して欲しい。

加えて、その次はブリスベンオリンピック。その時でも32歳、まだやれる。48kg金メダルの角田夏実選手は31歳11ヶ月、てかあと10日くらいで32歳だし。まだまだ全然行ける。そこで連覇したら、めちゃカッコイイ。

そんな結果になると、素敵だなぁ、って思う。

今回はお疲れ様でした。

全柔連の戦略が失敗してんちゃうか

今回、多くの日本人選手がシードを外れてるのは、直前の世界選手権とかに出てないから、だよね?他にも試合を休んだりしてたのもあるだろうけど、世界選手権のポイントが大きいから、そこが一番影響大きいんちゃうかと。

気持ちは分かる。オリンピックの直前で怪我したくないよね。

でも、その結果として、阿部詩選手がシード外れたことによって、KELDIYOROVA選手と2回戦で当たることになった。厳しい組み合わせに入れられてしまってる。

これは戦略失敗してんちゃう?

まあ、2回戦で敗退した永山竜樹選手とかはアレだけど。

そもそも「オリンピックの2ヶ月前に世界選手権とかアホちゃう?」とは思う。それは思うんだけど、でもインターバルが2ヶ月ありゃ大丈夫でしょ?ってのもある。実践経験積ませるとか、相手に圧倒的な力を見せつけるとか、そういう意味合いでも、出場させたほうが良かったんじゃないか、と思ったりするんだけどね。

まあ、選手の希望だったってのもあるかとは思うけど。

この辺も結果論なんだけどね。他の選手が結果を出したら、その方針は正しかった、ってことになるし。

#スポーツ観戦記

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