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パリオリンピック柔道観戦記〜男子100kg超級、女子78kg超級

最重量級まで来た。今日と明日かな?の団体戦で柔道も終わり。柔道が終わったら、僕のパリオリンピックも8割くらい終わりになる。バスケも負けたし、後は男子バレーと男女サッカーかなぁ。

素根輝選手

足が心配

残念ながら準々決勝で敗退し、敗者復活戦も棄権したので、これで素根選手のパリオリンピックは終わりを告げることになった。

気になるのは足の怪我の状態。4月に膝を痛めた、と言っていたので、その影響があったのだろう。最後歩いて帰るときも引きずるようにしていたし、本当に心配。膝の怪我は癖になるからなぁ。って、しっかり治さないとどんな部位でも癖になるんだけど。

東京オリンピック後に手術をして、4月にまた怪我して、で今回のパリでの怪我だから、かなりキツいと思う。下手したら日常生活にも影響出るし、体重もあるし、しっかりと休めて欲しい。まずは完治させることを最優先に。

あの体格でやるには、技術がないと無理

素根選手の身長は162cmらしい。小学生の頃の僕よりも小さい。それで最重量級にいるんだから、技術がかなり卓越していないとやっていけない。

4月に負った膝の怪我の影響か、今日は全体的に調子が良さそうな感じではなかった。技への入りも全体的に遅かったし、単発になっていた。相手が研究してきてた、ってこともあるのかもしれない。

でも2回戦の大内刈は見事だった。きれいに引っ掛けて、引手を引き付けておくことで相手を引っくり返す、いい技だったと思う。ああいう技がもう少し出てたら、また違った展開になってたのだろうけど。

素根選手も、斜め上から背中〜腰を取りに行く組手に苦しめられていた。準々決勝なんかはまさにそうだったよね。釣手でもう少しスペースを作れてたら、また違う内容になってたと思うけど、あそこまで密着されたら突き放すのも難しいからなぁ。

素根選手は、釣手は上から持つのと下から持つのとどっちが得意なんだろう?あの体格だと、下から持ったほうが技が掛けやすいと思うんだけどなぁ。下から先に持つことができたら、上から持たれてもあんまり怖くない。逆に下から持つ前に上から持たれてしまうと、厳しくなる。

そのへんが今日の素根選手は中途半端になっていたような気がする。

あの体格差であそこまでやれるのはすごい

他の選手と組んだとき、頭一つ違うとか普通だからね。それでも五分以上に渡り合って、東京では金メダル、世界選手権でも2回の優勝、すごいとしか言いようがない。

今日負けたとしても、その実績が色褪せるわけじゃない。本当に素晴らしい。

まずはじっくり膝を治して欲しい。

お疲れ様でした。

斉藤立選手

相手について行ってしまった

準決勝は相手の動きに合わせてしまったなぁ。前に出ていったところを担がれてしまった。あれは相手のほうが見事だったと思う。いや、よく見たら少し引き出して、低く入ってるな。前にも出てるけど、引き出してもいる。

準決勝では相手のほうがやっぱり一枚上だったなぁ。実力的には勝っている感じではなかった。順当な結果だったのではなかろうか。

なんていうんだろう、お父さんの斉藤仁さんと比較するのもアレなんだが、落ち着いていないというか、バタバタしてるんだよな。相手に合わせる柔道になっているというか。

最近は、外国人選手の対策が進んできたことで、組手が進化しているとか、力強さが上がってきたとか、色々とあるとはおもう。だけど、相手に引きずられているというか、相手の動きに合わせてバタバタしちゃってるところが、どうしてもこういう結果につながっているんじゃないかと。

相手に引きずり回されてしまうと、ああいう形で入られることが多いんだよなぁ。引手は取れてるんだから、焦らずに釣手に拘りすぎず、引手を取って引き付けて、相手の動きを止める、っていうことをやっていくべきだったんじゃないかと思う。

3位決定戦のあの組手は酷いと思うが、やってくることは見えていた

3位決定戦のYUSUPOV選手のあの組手は、かなり酷い。思い切り肩越しに帯を取りに行く。それで防ごうとして足を持ったら指導。これはもう酷すぎるとしか言いようがない。今のルールだとこれが正解なので、仕方ないのだけど。

でも、あの体制になったらやれることはほぼほぼ限られる。そこに合わせてしまったところは斉藤選手の経験不足だったり、対応力の低さだったりがあるのかもしれない。

僕だったらどうしてたか、ってのはちょっと見えないところはあるんだけど、でも右手で引手を取りに行っただろうな。引手を先に取るための工夫をする。両手で取りに行くとか。それで抑えられてたら、防げたと思うし。

全体的に組手が中途半端だったな、と。相手に研究されていた部分もあろうかと思う。でも工夫が足りなかった。総じて引き出しが少なかった、ということなのかな、と感じた。

次がロスオリンピックというのに巡り合わせを感じる

次回、4年後の2028年はロサンゼルスオリンピック。そう、斉藤選手のお父さんの斉藤仁さんが金メダルを取った、1984年のロスオリンピック以来、44年ぶりのロスオリンピック。

4年後には斉藤選手はより脂が乗って、選手としての全盛期に近くなってくると思う。そんなところでお父さんが金を取ったロスで再びオリンピックが開かれる。こんな巡り合わせはそうそうない。

今回は残念な結果ではあっただろうけど、ぜひロスでやり返して、金メダルを取ってもらいたいと思う。それがお父さんへの孝行にもなるだろうし。

試合後のインタビューで「日本に帰れるのかな、と思うくらい情けない」って言ってたけど、そんなことを考える必要はないし、5位でも立派。胸を張って帰って欲しい。そして、ロスを目指して欲しい。

お疲れ様でした。

オリンピックを優先して世界選手権に出なかったのは果たして正解だったのか

個人のメダルとしては、男子が金2つ、銀1つ、銅2つの計5個。女子が金1つ、銅1つの計2個。

この結果としてはどうなんだろうか。男子は悪くないと思う。女子がちょっとね、という感じ。

もちろんメダルが全てではないけど、目指してたのはもっと上の成績だったとは思う。

ネットで言われているように、判定が酷かったってのはある。あるんだけど、どこかで言われているように「日本包囲網」とか、「日本に対して厳しい」とか、そんなことはないんじゃないかな。単に審判が未熟なだけだと思う。日本人以外の試合でも、同じように誤審と思われるような判定はたくさんあったから。

それを考えると、やっぱり実力不足だったり、ピーキングの失敗だったりが大きいんじゃないかなぁ。

今回は1年以上前に代表に指定して準備をさせる、みたいな取り組みもしてたけど、それもどうだったんだろうか。誰が早くに決まったかもう忘れたけど。

2024年の世界選手権は5月に実施されている。優勝した選手のオリンピックの成績は、男子が金2個、銀2個、5位1人。2選手はオリンピックに出場してないから、かなりの好成績。
女子は銀2個に5位1人。こっちは微妙だが、出場してない選手が多い。4人出場してないから、3人出場してこれってのは結構いい成績なのでは。

これ見ると、世界選手権で好成績を残した選手がそのままオリンピックでも好成績を残している事がわかる。

もちろん、その選手が元々強かった、ってのが一番大きいのだけど、でもこれだけ好成績が出てるってのは、考えさせられるものがある。

間隔が詰まっていることを嫌ったのだろうけど、逆に間隔を空けすぎたことでピーキングが難しくなった面もあるんじゃないかな?

加えて、日本の有力選手が軒並み世界ランキングを落とすことにつながった。結果として、オリンピックでシードを取れなかった。タラレバだけど、阿部詩選手が例えば世界ランク9位じゃなくて8位とかになってたら、シード選手と早々に当たらなかったんじゃなかろうか。たまたま昨日のニュースでも鈴木桂治監督が「シードは必要だな」って言ってたってのを見つけたし。

RINER選手みたいに、ベテランになっててしんどいなら分かるけど、20代の選手もいたしねぇ。ある程度試合があったほうが、試合勘とか含めて良かった面もあるんじゃないかと。

こういうのも含めて、改めて試合への臨み方も考えていかなあかんやろね。

#スポーツ観戦記

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