パリオリンピック柔道観戦記〜混合団体戦
オリンピックの柔道競技も混合団体戦で全て終了。明日はちょうど予定があるので、今日までで助かった。でも柔道が終わってしまうのは寂しいのう。これで僕のオリンピックはほぼ終わった気分になる。まあ他の競技も見るんだけど。
混合団体戦
決勝戦
準決勝も観てたけど、決勝だけ。フランスとの因縁?の一戦。ここ最近は世界選手権でもフランスとの決勝が多いよね。さすが柔道大国。
正直、フランスとはやりたくなかった。観客の声援がやっぱりすごいからなぁ。Hometown Decisionもあるし。まあ実力から行くとこうなるんだけど。
それにしても、なぜ角田選手なんだろう?斉藤選手なんだろう?二人が悪い、というわけではなく、角田選手はどうしても体重が違い過ぎるし、斎藤選手はRINER選手に勝てるイメージがない。ウルフ選手のほうがまだ可能性がある気がする。まあ結果が全てなんだけど。
90kg級
村尾三四郎選手なら安心して観ていられる。と思ってたら、案外バタバタしてる。ここは絶対に落とせない。
NGAYAP HAMBOU選手は結構バタバタするタイプの選手だな。バタバタするタイプの人は、付き合って前に出ていくとやられることが多くなる。だから、自分の組手を考えて、相手にできるだけ付き合わないことが重要。相手と一緒にバタバタすると、何が起こるか分からない。
村尾選手は最後まで落ち着いてたな。しっかりと追い込んで大内刈。引手もしっかり引きながら追い込んでた。お見事。
70kg超級
素根輝選手が怪我をしたので、高山莉加選手。高山選手もいい選手なんだけどね。どうしてもサイズ感とかで負けてしまう。DICHO選手はパワーもあるしなぁ。
基本的にはずっと押されてるなぁ。どうやって勝つかのイメージが出てきにくい。寝技のほうが勝機はあるか。
と思ったら、見事な大内刈。アレは一本あってもいい。その後の寝技は惜しかった。行ったと思ったんだけどなぁ。粘って粘って、相手が後ろに引いたところで一気に入っていった。いいタイミングを狙った。お見事。
そのまま最後まで凌ぎ切って、日本が2勝。ちょっと指導が危うかったけど、でも良かった。
大内刈はしっかりと入って、最後まで追い込んだ。いい技の入り方でした。
90kg超級
斉藤立選手とRINER選手だと、やっぱりしんどいだろうなぁ、と思うんだが、ここまで結構何試合も相手はやってるし、斉藤選手のほうが若いから、体力勝負でいけばなんとかなるか?奥襟をいかに殺すか。
ずっとRINER選手の組手を警戒したまま、特に見せ場もなく指導を積み重ねていく。斉藤選手はRINERに勝って金メダルを取るイメージを持っていたはずだけど、どうやって勝つつもりだったんだろうか?RINER選手対策ができていたような感じがしないんだけど。
奥襟を持たせないようにするのは考えなきゃいけないけど、それなら準決勝のイタリアのPIRELLI選手のほうが対策ができてたと思う。
取り敢えず延長に持ち込んだけど、本当に「取り敢えず」という感じ。この「勝てる気がしない」感がすごい。コーチ人はなにか対策を与えていたのだろうか?考えていたのだろうか?対策を練っていたけど実践できなかったのか、自分の柔道というしょうもないキーワードに頼っていたのか。
斉藤選手はRINER選手に完全にビビってるなぁ。ある程度良い組手になったとしても、技を掛けていかない。それに、RINER選手のほうがいい柔道している。自分の得意な組手を工夫して取ろうとしているし、組際を工夫しているし。そりゃ勝てないですよね。
最後は内股で一本負け。まあ、実力的にはこんな感じだと思う。仕方ない。善戦、と言えば聞こえはいいが、7分間「負けなかっただけ」。勝ち目はほぼなかった。まあ、仕方ない。
57kg級
ここで角田夏実選手。うーん、だったら阿部詩選手のほうがサイズ的にもあってたと思うんだけどなぁ。巴投げのがどこまで通用するか。CYSIQUE選手のパワーとの勝負になる。
パワー負けしなければ可能性あるか。
CYSIQUE選手の手が顔によく当ってるなぁ。アレはだいぶ乱暴だが、反則でもないからな。
と思ってたら、見事な巴投げ。すごい。一本勝ちするとは思わなかった。
一度堪えられて、あかんかと思ったけど、そのまま引っくり返した。アレが途中で流れが止まった、と見なされたらあかんかったんだが、流れのままだと捉えられた。お見事。
阿部詩選手のほうがいいんじゃね?って言っててごめんなさい。完璧でした。
73kg級
阿部一二三選手なら、1階級上くらいならそんなに苦にならないはず。学生時代から団体戦で上の階級とやってるし。相手のGABA選手は銀メダルとは言え、ラッキーで勝ち上がっていった印象だし。ここで決めて欲しい。
全然組み合おうとしないのはGABA選手で、阿部選手は前に出ていってんだけどね。完全にGABA選手は逃げてるんだけどなぁ。ビビってんのかな。
やっぱりパワーはあるんだな。奥襟や背中を持たれたりするとしんどそう。そこは上手くかわしているけど。不用意に技を掛けに行くと引っくり返されるな。組手と組み際だな。
鼻血はしんどい。詰めると呼吸がきつくなるからなぁ。この延長戦が続いている中で鼻は避けたいところだが、仕方ないか。ただ、延長に入ってからも阿部選手のほうが優勢ではある。パワーにやられないか、そこが心配。
背中を叩かれて、大外刈を巻き込み気味に来るのが怖いな。パワーと体格で持っていかれそうな感じになる。
あー、しんどくなったところで、無理矢理の肩車かな。やられた。全体的に押してたんだが、体力がきつくなってきたかな。とは言え、言い訳はできない。後ちょっとやったんやけど。
70kg級
高市未来選手はここで汚名返上をしてもらいたい。勝てる力はあるはず。AGBEGNENOU選手は3大会連続メダリストだけど、高市選手も力は負けてないはず。
最初の2分は押し気味かな。組手で負けるとしんどい。いい感じで相手の力を逃がしている。組手を工夫しているなぁ。いいぞ。
徐々にAGBEGNENOU選手も慣れてくるだろうから、いい組手を持てているうちに勝負をかけて欲しい。とは言え、焦るのもよくないのだけど。
あー、やられた。いい組手でいけてたんだが、最後は大外刈に少し無理な動きをしたところで、一本背負で返されてしまった。
代表決定戦
まじかよ。90kg超級。これは「やりやがったな」って思われても仕方ない。この時点で多分キツいだろうなぁ。
正直、斉藤選手とRINER選手だったら、格が違うので、そのままやっても勝てないと思う。ずっと出ずっぱりのRINER選手が体力的にヘロヘロになっているところを期待したい。
そういう相手の失点を期待しちゃうところはあかんねんけど。
斉藤選手が完全にRINER選手にビビってる、怖がっているのがあかん。完全にビビってる。いい感じで技に入っても、自分から切っちゃってる。
丁寧にやっているとは思う。でもビビってるから勝負にいけない。今回も負けてない状態が続いているだけ。勝ちに行ってない。
完全にビビってる。投げられないようにしているだけ。これじゃあ勝てるわけない。
最後はまた内股でやられた。残念。
総括
阿部選手で勝てなかったのが痛かったなぁ。角田選手、高山選手が勝ったのに、それを活かせない。
代表戦になった時点で、パリオリンピック何だから、90kg超級が出てくるのはほぼ間違いない、という前提で戦ったほうが良かったんだけど、なかなか勝てない。
阿部選手はもう仕方ないと思う。高市選手はもう少し、と思ったけど、攻めに行ってだからまあ。
斉藤選手は完全にRINER選手にビビって、「負けない」ようにするだけで精一杯。引き分けがある団体戦なら良かったんだろうけど、そうじゃないからなぁ。
あー、もったいない。
でも、選手たちは今持てる力は出し切ったんだと思う。斉藤選手も、自分がいかに実力足りないか、ってのを思い知ったんじゃないかと。「情けない」ってインタビューで何回も言ってたけど、「情けない」と言えるほど強くないよ、ってことだろうし。
ぜひ次のロスオリンピックではやり返して欲しい。
銀メダル、おめでとうございます。お疲れ様でした。胸を張っていいと思う。
明日、柔道競技全体の総括をやって終わりにしようかな。
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