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パリオリンピック柔道観戦記〜男子100kg、女子78kg

水をぶっかけてしまったMacbook Airだが、取り敢えず大丈夫そう。でも、今は大丈夫でも、そのうちあかんようになる可能性があるからなぁ。どこまで使えるか。ダメになったらM3 MBA買うか?そんな金あるか?

ウルフ・アロン選手

準々決勝も敗者復活戦も同じような組手で負けている

全く同じではないのだけど、どっちの試合でも、外気味、上の方から叩かれて背中〜帯を持たれて負けている。同じような組手。

最近は、こうやって背中持ってても帯を持ってても指導にならないんだよね。昔はそこを持ち続けてると指導になったものだけど。僕の好き嫌いで言うとあの組手は好きじゃないのだけど、ルール上問題ないならそれは戦略の一つだからなぁ。

90kgの村尾選手も同様の組手に苦戦していた。こういう持ち方をする日本人選手はまずいないから、なかなか厳しいのだろうな、と思った。僕もやりたくないしなぁ。

敗者復活戦では、ウルフ選手は外側から掬うような形で釣手を確保していたが、あれだと技はかけにくいでしょ。上半身のスペースが無くなるし、浴びせ倒すような技くらいしか掛けられない。そういう組手を選択した時点で選択肢が狭められた気がする。

最後はいいところを持ててたような感じだったけど、スペースが余り無かったところで、自分がちゃんと体を回転させきれず、相手に透かされたような形になってしまった。あそこは狙われてたような感じだったなぁ。

あと、腕を交差するような仕草でウルフ選手が何度も指導を取られてたんだが、あれって何なんだろうか?って調べたら、ピストルグリップということか。それで言うなら、袖口に指を入れている人間が何人もいたけどなぁ。あっちもちゃんと指導を取ればいいのに。

こういうダブスタに見えるような審判をやってるから、批判されるんだよなぁ。

2回戦の内股は素晴らしかった

ウルフ選手の2回戦の内股、あれは本当にすごかった。

左足で一回引っ掛けて、スペースを作ってから軸足の右足を更に奥に送り込んで、相手を追い込んで跳ね上げる。同時に引手を引き、釣手でコントロールする。完璧な内股。

技術が凝縮された、素晴らしい内股だった。

これをやるためには、ある程度のスペースを作っておかないとできなくて、準々決勝のSULAMANIDZE選手、敗者復活戦のSHERAZADISHVILI選手はどちらもこのスペースを消すための組手をしてきた。ここに付き合ってしまったところが、やっぱり敗因だよなぁ。

東欧だったり旧ソ連系の選手は、こういう組み方をする選手が多いよね。二人共ジョージア出身だし。頭の斜め上から背中〜帯あたりを目指して組んでくる。そこからスペースを消して、谷落、肩車、小外掛からの浴びせ倒し、裏投、こんなのを使ってくる。あと逆技の巻き込み系ね。

この組手への対策は大事だと思う。

柔道を広めるための広告塔としても素晴らしかった

東京オリンピックの金メダリストとして、誰よりもテレビに出て、柔道の普及に努めてたんじゃないかと思う。柔道の普及だけが目的じゃないと思うけど、でもそうやって金メダリストがテレビに出て露出を増やすことで、認知度が上がったところは間違いなくある。

また柔道とは関係ないところでも話題になったり、決して楽な3年間ではなかったと思う。

そんな中で、もう無理だと言われるような状態から、逆転でオリンピック代表になったのは素晴らしいし、実力も見せてくれたと思う。

お疲れ様でした。ありがとうございました。

水谷隼が「水谷かウルフを出しときゃいい、って思ってるでしょ?」って言ってたのを思い出す。

高山莉加選手

3位決定戦は完敗

残念ながら3位決定戦はいいところがなかった。組手でも負けてたし、先に掛けられてたし、前に出たところをうまく掬われてた。

今日に関しては、完全に相手のほうが上だった。

相手は奥襟や背中を無理に取りに来るタイプではなかった。それだけに、相四つでしっかりと組んだところで無理に先に掛けて引っくり返され、その後は前に不用意に出たところで引っくり返された。完敗だったと思う。

不用意に前に出るとあんなふうに担がれるよ、というところが見えた試合だった。

もう少し足技から入る、あるいは組手を工夫して有利な組手に持っていく、などの工夫があったほうが良かったのだろう。

釣手を煽るとか、下から持つとか、引手を持ったら引き付けるとか、そういう変化も必要だったかな。

大腰は見事だったけど、寝技狙いは厳しい

敗者復活戦の大腰は見事だった。しっかりと引手を引きつつ、追い込んで、最後は一回転させた。

ただ、この試合も大腰以外はいいところなかったと思う。相手に攻められてたし。判定があったら負けてただろうし、受けに回る時間が多かった。

3位決定戦もそうだったのだけど、相手の技を受けて寝技勝負、だったのかもしれない。でも、今のルールでは寝技勝負は厳しい。すぐ待てがかかるから。もう少し時間を取ってくれたら、とは思うものの、そういう風潮だから仕方ない。だったらその中でも勝てるような方針を考えるべき。

初出場だし、5位は立派

金メダルを狙っていたとは思うけど、本人としては残念な結果だろう。

でも5位って十分すごい成績だよね。世界で5番目だからね。それは誇りにしていいと思う。世界で一番代表になるのが難しい国だし。

お疲れ様でした。

累積指導で金メダルが決まるのはどうよ?

男子100kg級の決勝は、指導3つの累積で決着が決まった。女子もそうだけど、女子の場合は技有取ってた選手がそのまま勝ったからね。

ウルフ選手を破ったSULAMANIDZE選手が技有を先に取っていたのだけど、最後は指導を3つ取られて反則負け。

それってどうなの?っていつも思う。消極的とか、組手が、とか、ぶっちゃけどうでもいい。勝負とは関係ないって思う。

それで金メダルが決まるのって、ホンマに納得しづらい。投げて技有取ってたの、あっちやん、ってね。

技を掛けさせるように、ってことでルール改変をして今のルールになっているのは理解している。でも、その結果として、相手に反則を与える試合運びがはびこるようになった。

更に、未熟な審判が適当に指導を取る、ってのも散見される。

これがルール改正で本当に得たかった未来なの?

曖昧さを排除する、ってのもあるのは分かる。でも曖昧さをホンマに排除するなら、審判は全部AIにして、審判なしにしたほうがいいんじゃね?って思う。

まあ、柔道の誤審騒ぎは今に始まったことじゃないけどね。

それも柔道、と割り切ることも必要だけど、でも明らかにおかしいものはおかしいと声を上げ続けることも重要。それは全日本柔道連盟の仕事だよ。選手に全部任せて放ったらかし、じゃなくて、ちゃんと全柔連が引っ張らないとね。

#スポーツ観戦記

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