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映像のない音だけのドキュメンタリー映画「Our SOunds」
最近、ドキュメンタリー映像作品が盛り上がっている。NHKでも昨年末に「このドキュメンタリーがやばい」という特番が放映され、さまざまなパネリストの方がNHKで放映
されたドキュメンタリー作品について紹介をしていた。そのパネリストの一人にジャーナリストで映像作家の伊藤詩織さんモイテ、僕は彼女が2020年に制作した「Suncatchers」という10分間の短編ドキュメンタリーの主人公として出演をしている
ツバメのおじさんと僕のこと
その駅はビーチまで直線で300メートルのところにある。駅の2階からはビーチへと続く椰子の並木道と水平線も眺めることができる。
心地よい海風が通り抜けるその駅構内に、いくつかのツバメの巣がある。去年まで使っていた巣を一生懸命直しているなと見守っていたら、風が少し暖かくなった頃にいつの間にか雛が孵っていた。僕は親戚のおじさんの気分で、毎日のようにその雛に会いに行っている。
「こんにちは」と不意に声
はっきりとした夢と、ぼやけた境界線のこと
夢のなかで、僕の大切な人が傷つき泣いていた。その人を傷つけたのは僕で、その人を泣かせたのは僕だ。
昔からよく明晰夢をみる。夢の中で思考もしているし、夢の中のディテールや身体感覚や、そしてそこで動いた感情もまるで現実に起こった自分の記憶のように覚えている。今、僕が目覚めている時の世界はモノクロで全てがぼやけていて、なにかをはっきりと見ることはできない。だけど夢の中は鮮やかに彩られていて、美しい景色
あの4月のジャスミンの香り
今年もジャスミンを買った。
昨年までは鉢植えを買っていたのだが、ずぼらな性格のためか毎年必ず枯らしてしまう、そんなことを7年くらい繰り返していた。ジャスミンには棘はないけれど、枯らしてしまうたびにチクっと心が傷ついていた。
今度こそ今年こそはと思い、今年は鉢植えではなく苗を買ってきて小さな庭の片すみに植えた。このほうが管理が楽だと教えてもらったからだ。
4月のジャスミンには思い出がある。
君と僕が見ているもの
教えてほしいんだ
今、僕たちの目の前にある景色を
教えてほしいんだ
今、僕たちの目の前にある色を
教えてあげるよ
今、僕から見えている景色を
教えてあげるよ
今、僕から見えている色を
僕が見えなくなってから
君が見てきた景色は
僕にとってどんな風に映るのだろう
僕が見えなくなってから
僕が見てきた景色は
君にとってどんな風に映るのだろう。
教えてほしいんだ
君が今、世界をどんな風にみて
明日の朝、目が見えなくなるとしたら最後に見たいもの
自宅のリビングで時計の針の音を聞きながらこの文章を書いている。2020年4月16日の夜、あと2時間もすれば日付が変わる。
さて、この文章を読んでくれているあなたに質問があります。
明日の朝、目が見えなくなるとしたら最後に何を見たいですか?
4年前の4月17日の朝、いつもと同じように目覚めると僕の目は見えなくなっていた。
誰も僕にこの質問をしてくれなかった。だから僕は答えの準備もないままに視力