【キャリア】「成果」と「結果」の違い|Vol.2
こんにちは。MadeS(メイズ)です。
仕事柄、色々な方とお会いしたり一緒に仕事をしたりすることが多いのですが、最近、「成果」と「結果」の違いを混同している人が多いと感じることがよくあります。
経営者でもマネージャーでも営業マンでも開発者でも事務方でも、役職や職種に関係なく同じく間違えている方が意外と多いです。
これを間違えると、個人の観点で見ればキャリア形成に悪影響を与えますし、経営の観点で見れば持続的な企業経営を困難にしますので、これついて書いていきたいと思います。
1. 「成果」と「結果」の定義
ネットで調べてみましょう。
成果とは、
結果とは、
分かるようで分からないですね…
同じことを言っている気もします。
少し咀嚼してみると、
成果は、あることを「して」得られた「結果」なので、「行動」を積み重ねて到達した「量」ということです。
結果は、ある原因や「行為」から生じた、結末や状態なので、「成果」を通じて現実に生じたものということです。
分かりやすい例文ですと「努力の成果が結果として表れた。」です。
つまり、成果とは行動量、より正確にいうと、正しい行動×その量=行動量ということであり、結果とは行動量を通じて得られたものということです。
成果を出すということは、言い換えれば、何をどれだけやったかということで、成果と結果の関係を考えると成果を出すことが圧倒的に重要ということになります。
2. 受験勉強の例
多くの人が経験した受験で当てはめてみると、以下のようになります。
【正しい行動】
・自分にとって分かりやすい先生に教えてもらう
・参考書を読む
・問題集を解く
・模擬試験を受ける など
【その量】
・予備校での受講量(1コマ90分)
・参考書によるインプット量(1日5時間 or 1日100ページ)
・問題集によるアウトプット量(1日5時間 or 1日100ページ)
・現在地の確認量(各科目90分×科目数×通算3回) など
これらの掛け合わせが正しい行動量であり、これを達成できることが成果となります。そして「成果を出した」先に、志望する進学先への合格か不合格かを手にするということになります。
3. 会社でよく起こること
冒頭述べた「間違えている方が意外と多い」のは会社の中でよく見受けられます。
営利企業(株式会社)であれば、目的は利益を上げることですので、数値目標を売上○億円などに掲げている企業は多くあると思います。
これ自体は何も間違っていない正しいものなのですが、この「売上○億円」は結果です。
にも関わらず、この売上いくらを部署のノルマにしたり社員のノルマにする経営者や幹部が多いことが問題です。
必要なことは、結果を手にするために部署や社員に達成してもらう正しい行動量を定めることであり、部署や職種に応じて何が正しい行動で、それをどれだけこなせば最終的な数値目標に届くのかを考えること、そして届かなければ正しい行動量の設定が不足していたもしくは誤りであったかなので、これをブラッシュアップすることが経営者や幹部に求められることです。
もっと分かりやすい現場の例は、営業の方が上司から「今月は契約10件取ってこい!」と言われて、どうやって取れば良いのか分からず右往左往、とりあえず飛び込み営業してみたり電話営業してみたり、でもノルマ達成できずに叱責されるというものです。
できる営業マンは、10件取るという結果から逆算して、何が正しい行動になるか、それをどれだけこなせば10件に到達できそうかを考えて実行します。
しかし、できる営業マンは会社の2割プレーヤーなので、できない営業マンをどうするか考えなくてはいけません。
ですので、上司が言うべきは「10件取ってこい!」ではなく、
「我が部署の結果目標は月の契約10件だ。そのために、まず何をすべきか(正しい行動)は○○と△△と□□だ。そして○○はこれだけ、△△はこのくらい、□□もこのくらい(量)やってくれ!こなす上での工夫は各自の裁量に任せる。これで10件到達できなければオレの責任だから、結果責任は考えず成果を出すことにだけ集中してくれ!」です。
ここまで見ると、KPI設定のヒントにもなるのではないかと思います。
KPIについては別記事でお伝えしたいと思います。
4. 個人のキャリアから考える
昇進昇格、転職や起業、どれであっても自身のキャリアアップを実現するためには、目標に向けて何をどれだけやったか=成果を出すことです。
転職であれば「あなたの成果は何ですか?」と面接で問われた時に答えられるように、起業して資金調達を行う場合は、事業計画を融資先に説明する時に「この行動量を達成すれば(成果を出せば)商品・サービスが売れて(結果が出て)投資回収できます。」と言えるようにしなければなりません。
是非、ご自身から参考にしてみてください。