カクヨム俳句コンテストに参加しました
第2回カクヨム短歌・俳句コンテストに、俳句二十句部門で参加しました。
季語は【雲の峰】だけの二十句で、自分でも馬鹿げていると思いつつ、句を詠むのは楽しかったです。特にキャッチコピーに置いている句は自画自賛にはなりますが、よい出来で、かなり気に入ってもいます。
この直近、東京マッハという句会を題材にした本を読みまして、それ以前にも東京マッハの主催の一人である千野帽子氏『俳句いきなり入門』などは読んでいたのですが、俄然俳句を作ってみたいという欲がむくむくと湧いてきて、今回に至ったわけです。
さて今回、俳句を詠むのはほとんど初めてだったため図書館へ行って、句集と入門書を借りてきました。立風書房『現代俳句集』と祥伝社『型で学ぶはじめての俳句ドリル 著夏井いつき・岸本尚毅』の二冊に助けられながら、どうにか二十句を仕立てました。
特に「俳句ドリル」で面白かったのは、有名な松尾芭蕉の
という句の鑑賞で、この句を読むとき、実は物事が順番に起こっているのではなく「水のをと」が聞こえたあとから、古池や蛙という情景に改めて気付いたのではないか、という読みが披露されていて、それは真似の出来るものなんだ――型があるものなんだ、と気付かされたのが、とても興味深かったです。
この引用句も「古池や」と同じ構造を持っていることが分かります。この句を詠んだ主体は、まず「とほき音」を聞き、ついで「燈影」がゆれたのを見たあと、あるいはそれと同時に、「雪」がおちたことに気付くという順番になっています。
けれど、鑑賞者は「燈影ゆれ」という情景のあとに、「雪」が立ち現れてから「とほき音」を聞くという順番になっています。
作品が素晴らしいとされる理由を聞いた後に、作品を眺めるとまた違った良さを感じ取ることが出来て、それは何事にも代えがたい喜びだなあ、と改めて思いました。
それから、情景を鮮明に描写する句が、案外好きだったのだと気付いたのも面白かったです。「現代俳句集」では、宇多喜代子さんや黒田杏子さんの句に興味を惹かれました。
いずれの本も鑑賞の入門書としても、大いに助かりました。
夏本番の熱さに備えて 梅雨入りの週末に記す
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