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茜あゆむ
2020年8月17日 14:22
ブウウ――――――ンンン――――――ンンンと窓に取り付けた冷風機が唸る音で、俺は目を覚ました。冷風機が貴重な電力を音エネルギーに変換するために、部屋は涼しくならず、夏はいつまでも蒸し暑いままだった。 時計の針は夜中の二時を指している。腹にかけたタオルケットを剥ぐと、もわりと全身にかいた汗が臭いとなって、部屋に満ち満ちた。 ゴミ箱からは青臭い臭気が漂っている。獣臭さと言い換えてもいいかもしれな