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茜あゆむ
2019年1月7日 23:20
世界はくっきりと二つに分かれた。群青と水色。ぼくは群青へ向かって、真っ直ぐに落ちていく。ここには鳥もいなければ、雲もない。器のように群青が世界を支え、水色はベールのように世界を包む。ぼくらは各々、世界へ投げ出され、自由気ままに落下する。あるのは、この身体だけ。翼のように両手を広げても、ぼくらは飛べない。 大きな水色が、ぼくらを抱えてる。群青がそれとは気付かない内に、ゆっくりと近付く。 ぼく