【BL二次小説(R18)】 実況見分①
「ったくよォ!」
玄関を開けるなり、荒北は怒号を吐いた。
「な、なに?なんかあった?」
迎え入れながらビビる新開。
「オメーんとこの路線、どーなってンのォ?」
靴を脱ぎながら新開に怒りをぶつける。
「路線?人身事故でもしてたのかい?」
なだめようと、新開は冷蔵庫からベプシを取り出す。
大学生になった新開と荒北は、日曜日になると互いのアパートへ出入りしていた。
卒業して別々の大学になったが、どうしても高校時代の習慣が抜けず、誰かの部屋でゴロゴロして駄弁っていないと落ち着かない。
東堂は遠いし、福富はバイトなので、必然的にこの二人で毎週寄り合っていた。
こんな風にいつまでもつるんでいないで早く大人にならなくては彼女も出来やしない、と二人とも心の中では思っているのだが、箱学寮で数年一緒に過ごした居心地の良さが染み付いてしまっていた。
面倒だからルームシェアしようか、という意見も一度出たのだが、互いの大学の中間地点にアパートを借りると、どこへ行くにも遠くて効率が悪いと判明し却下。
結局、電車を乗り継ぐが互いのアパートへ毎週交互に遊びに行くことにした。
「で?何があった?」
ベプシを飲んで少し落ち着いたようなので、新開は改めて聞いてみた。
「……」
荒北はベッドに腰掛け、先程電車の中であった出来事を思い出している。
「クッソ!あのオッサン!」
ボフッ!
荒北はベッドを拳で殴った。
「痴漢だヨ!痴漢!」
「痴漢?」
聞き返す新開。
「オッサンが女性に痴漢してたのを目撃したのかい?」
「ちげーよ!オレが!痴漢されたンだヨ!オッサンに!」
「おめさんが?オッサンに?」
新開は驚いた。
「アー!ムカつく!」
荒北は毒を吐きながらベプシをグビグビ飲み干す。
「殴ってやったんだよな?もちろん」
「それがヨ!ゲフ!逃げられたンだよ!」
「逃げられた?おめさんらしくない」
荒北は状況を説明し出した。
「いきなりビタッ!と全身密着してきてヨ。ケツと胸揉まれてヨ。うなじの匂い嗅がれてヨ。一瞬の事だったんだ。ビックリして振り向いた時にャもう扉が開いてて、サーッと降りてってた。まさに奇襲だった。アイツ相当手慣れてンぜ。……チクショーッ!」
ヒュー!
ガコン!
荒北はベプシの空き缶をゴミ箱に投げ入れた。
ストライク。
「……」
それを聞き、新開は真剣な顔をしてなにやら考え込んでいる。
「なんだヨ。もしかしてそのオッサンに心当たりあんのか?」
「……ビタッと全身密着されたって?」
「アア!背後からな!」
「どんな風に?」
「どんなって……こう……」
荒北はベッドから立ち上がり、右手を上げる。
「オレぁ右手で吊革掴んで立ってたんだ。そしたらそのオッサンが左斜め後方から……」
「左斜め後方から?」
新開も立ち上がり、一緒に実況見分を始める。
「そう。そっからいきなりビタッ!と」
「こう?」
新開は荒北の背後からビタッ!と抱き付いた。
「そう。そんでオレの右脇から右手を伸ばし胸揉んでェ、左手でケツを……」
「こんな風に?」
新開は密着したまま右手で荒北の右胸を揉み、左手で尻を揉んだ。
「……いや、そんな優しく撫でるんじゃなく、もっと乱暴にムギュッと……」
乱暴に、と荒北は説明しているのだが、新開はずっと優しく撫で回している。
そして荒北の耳元で囁いた。
「……で、耳たぶを舐められたんだな……?」
── ゾクッ! ──
耳元直下に新開の低いイケボで囁かれ、荒北は頭の天辺から足の爪先まで電流が走った。
「い、いや、そうじゃなくて……うなじの……」
「耳たぶを舐められたんだろ?」
はむっ。
「!!」
新開が背後から耳たぶを甘噛みしたので、荒北は飛び上がった。
── ゾクゾクゾクッ! ──
「ち、違……」
ペロペロっ。
「アン!」
耳たぶを甘噛みされたまま舐められ、荒北は思わず喘ぎ声が漏れてしまった。
すかさず新開の舌が荒北の耳の穴の中に入ってくる。
ピチャピチャ。
「アッ!アアー!」
全身をくねらす荒北。
しかし新開は荒北を抱き締めて離さない。
右手の指先で荒北の乳首辺りを入念にまさぐる。
左手は尻を激しく揉んだ。
「ちょ!アア!ナニやって……アッ!アアン!」
「はぁはぁ。靖友……」
新開は明らかに興奮していた。
荒北の首筋に吸い付き、舐め回している。
荒北の尻に、新開の硬くなったモノが擦り付けられた。
「し、新開!アン!違うってェ!アアッ!そこまでされてねェって!アハン!」
「はぁはぁ。嘘言うなよ。はぁはぁ。されたんだろ、こんな風に」
新開は荒北の耳の後ろを舐め、右手はシャツを捲り上げ、左手はベルトに手を掛けた。
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