【BL二次小説(R18)】 メガネ男子①
今日はチャリ部合同飲み会である。
箱学、総北、洋南、明早等、新旧入り乱れて賑やかに開催されている。
一部未成年は勿論ジュースだ。
荒「コイツぁ!ぜってー!ムッツリだね!オレぁ確信してる!」
金「今日はやけにオレに絡むな荒北」
金城の首に腕を回し、総北組の面々に聞こえるように絡んでいる荒北。
小「そうなんですか~?金城さんのプライベートなんて全然想像つかないです~」
巻「金城は酒入っても全く崩れないからなぁ。面白味ないっショ」
なかなか金城に絡むような人間は今までいなかったので、総北組は興味津々で成り行きを見守っている。
荒「金城はなァ!ぜってー裏の顔持ってるぜ!見てろ!オレが暴いてやっから!」
荒北は相当酔っているようだ。
金「たちが悪そうだ。新開、なんとかしてくれないか」
金城はたまらず新開に助けを求める。
新「んー?」
新開はエビフライを食べるのに忙しそうで、あまり気にしていないようだ。
新「たまには靖友に絡まれるのもいいんじゃないの?金城くんの裏の顔、オレも知りたいよ」
金「別に裏の顔なんか持ち合わせていないんだが」
荒「ケッ!いつもいつもお高くとまりやがって!さぞかし徳のある高僧なんだろうぜ!」
金城の坊主頭を撫で回す荒北。
今「珍しい光景が展開されてるな」
小「あわわわ、金城さんが酷い目に」
巻「クッハハハ」
巻島は大ウケしている。
真「いいなー。オレも荒北さんに頭ナデナデしてもらいたいなー」
真波はビールジョッキ片手に、指をくわえて羨ましそうに金城と荒北を眺める。
荒「ハァ?オメーはダメだ真波。以前、オメーのアホ毛触ってなんかえらいことになった記憶あンぞ」
小「なになに?真波くんと何があったんです?」
小野田が興味深げに尋ねる。
真「あれは確か荒北さんが求愛を……」
荒「それだ!なんかどっかの星の生態だァ!」
小「なんですかそれ」
新開は荒北と怪しげな話で盛り上がっている真波をチラリと見るが、嫉妬するでもなく、ひたすらジンギスカンを食べながら考え事をしていた。
新開は荒北と恋人同士である。
しかし皆には秘密だった。
最近バイトや部活でお互い忙しくて会う機会がなかなか取れなかったが、今日はこの飲み会の後新開のアパートに荒北が泊まりに来る約束になっている。
飲み会など早々に切り上げたいのは山々だが、明日は休みでゆっくり出来ることだし、気持ちに余裕があった。
それに、荒北をもっと酔わせたいという思惑もあった。
──実は、荒北は酔った状態で二人きりになると、デレッデレになるのだ。
普段は果てしなくツンツン全開なため、この落差には凄まじいものがあった。
新開はその「デレ北」が大大大好物だった。
さっきからみんなで金城の裏の顔がどうとか言っているが、デレ北はまさに荒北の“裏の顔”と言って良いだろう。
新開だけが知っている、誰も見たことのない秘密だ。
その優越感たるや、いちいち細かい嫉妬心など吹き飛ぶ威力だった。
みんな、今のうちにせいぜい荒北と戯れているがいい。
自分はこの後、みんなの人気者荒北を独占し、めくるめく甘い甘い夜を堪能するのだ。
その時のために体力をつけるべく、今はひたすら食べ物を口に入れ続ける。
今夜はどんなプレイをしようか、目一杯甘やかしてやるも良し、多少意地悪してやるのも良し、などと新開はずっと頭の中でシミュレーションしていた。