【BL二次小説】 モテ期、襲来②
その日の夕方。
荒北が部室から出て来ると……。
「あ!居たわ」
数m離れた所から女子の声がした。
荒「ン?」
4、5人の女子が固まってコソコソとこちらを見ている。
黒「なんスか、あれ」
女子達に気付いた黒田が問い掛ける。
荒「さァな。誰かのファンだろ」
「こっち見てるわ」
「手、振っちゃおうかな」
ヒソヒソ相談している女子達。
「荒北くーん」
「頑張ってー」
手を振って応援の声を掛けた。
荒「!」
黒「!」
驚く荒北と黒田。
黒田はワナワナと身体を震わせる。
黒「あ、荒北さん!アンタいつの間に軟派に!見損ないましたよ!」
荒「誰が軟派だ」
ベシッ!
黒田の頭をはたく。
「キャー!殴ったわ!」
「素敵!」
喜ぶ女子達。
黒「後輩殴って素敵とか!オレ殴られ損スか!」
荒「なに怒ってんださっきからオメ」
黒「オレが知りたいスよ!なんでオレこんなにイラついてんスかね!」
東「ぬ。女子!」
そこへ東堂が通り掛かった。
東「やあやあキミ達。遠慮せずゆっくり見学するがいい!」
東堂は笑顔で女子達にビシッ!と指を向け、声を掛けた。
しかし女子達は警戒心を露にする。
「なにアイツ」
「かっる!」
「いつも“東堂さま~”とか言われてる殿様気取りの奴だわ」
「イタイわね」
東「……ぬ?」
いつもと違う反応を不思議に思う東堂。
新「どした尽八」
そこへ新開がやって来た。
新開は女子達をチラッと見遣るが、特に興味を示さず荒北達の方へ近付いた。
「感じわるっ」
「クールぶっちゃって」
「ちょっとイケメンだからって勘違いしてない?」
新開に対して罵声を浴びせる女子達。
新「丸聞こえなんだけど……。なんかオレえらい言われ様じゃね?」
悲しくなる新開。
東「隼人の取り巻きでもないのか。あの娘達はいったい何なのだ?」
黒「荒北さんのファンすよ」
東「なぬ!?」
新「ええ!?」
思いもかけなかった展開に驚愕する東堂と新開。
荒「……」
しかし一番驚いているのは荒北本人だった。