【BL二次小説】 イケメン診断①終
荒「金城~。オメー、よく見るとイケメンだなァ」
金「……それはどうも」
新「や、靖友!」
今日は箱学と総北の呑み会だ。
荒北は相当酔っ払っているようだ。
金城の顔をまじまじと覗き込んでいた。
荒「オレ、面食いなんだよねェ」
新「だったら!ほら!オレもイケメンだろ?そうだろ?」
新開は必死に注意を引こうとするが、荒北は金城に貼り付いている。
金「ありがたいが、男に言われても嬉しくないな」
新「脈無しだ!ほら靖友!金城くんなんか放っといてこっち来いよ!」
荒「でもこの坊主頭が気に入らねェなァ」
金「余計なお世話だ」
頭を撫でる荒北の手を、金城は払い除けた。
黒「面食いなんスか?荒北さん」
荒「あァ?」
黒田が聞き付け、ビール瓶を持って近付いてきた。
黒「オレだって同年の中ではいい線いってると思いますけど」
荒北のグラスにビールを注ぎながら、上目遣いをする。
荒「オメーはその半開きの目がダメだ」
黒「ぐほっ!」
ダメ出しされて泣き出す黒田。
小「荒北さん荒北さん」
荒「ア?」
小野田が笑顔で荒北を呼ぶ。
小「イケメンでしたら、今泉くんはどうですか?総北ではファンクラブもあったんですよ~」
今「おい小野田」
今泉を荒北の前に差し出す小野田。
荒北は今泉をじっと見た。
荒「……」
今「……」
荒「目付きが悪りィ」
鳴「ぶわはははは!!」
今「オレ帰ります」
小「どっひゃー!ごごごごめん今泉くん!ごめん!」
鳴「謝ったら追い討ちやで小野田くん!ぎゃははは!」
小「ええっ!ごめん!あわわ、いやホントにごめん!」
鳴「ぎゃはははは!」
東「荒北がイケメン診断をしているだと!?」
東堂が喜んで飛んで来た。
東「どうだ荒北!高校時代とは違う、大人の色香漂うオレを見よ!」
荒北の目の前で前髪をかき上げポーズをとる。
荒「デコ広がってンぞ」
東「ぎゃーーーっ!!」
悲鳴を上げ、巻島の胸に飛び込む。
東「聞いてくれ巻ちゃん!コヤツ昔から一度もオレを美形と認めんのだ!」
巻「オレだって一度も認めたことないっショ」
東「巻ちゃんまで!!」
方々で悲しみにくれている男共をよそに、荒北はしれっと言い放った。
荒「男はやっぱ顔じゃねェよなァ!」
新「散々みんなを泣かしておいて!」
新開が非難する。
荒「福ちゃん帰るのォ?オレも一緒に帰るゥ」
そろそろ帰ろうとしている福富にしがみ付いていく荒北。
タクシーの中で荒北は言った。
荒「一番イケメンは、やっぱ新開だよなァ」
福「ならなぜそう言ってやらなかった?部屋の隅で膝を抱えて泣いていたぞ」
荒「福ちゃん、オレねェ、新開の顔、スゲー好きなン。毎日ずっと見てても飽きないン」
福「……」
荒「オレねェ、好きなン。新開のことォ」
福「……」
荒北はそう言うと、眠ってしまった。
福富は荒北の気持ちを新開に伝えてやろうと思ったが、酔っ払って滅茶苦茶なことを言っているだけかもしれないと考え直し、伝えるのはやめた。
おしまい