編み物をしています
旅先で毛糸を買いました。
オレンジ色がグレーから茶色に変わる段染めの糸です。
一かせ260gでできるものを探したら、ベストがありました。
夫のを作ります。クリスマスには間に合わないけれど。
本番の糸を使う前に、古い毛糸を引っ張り出して手馴しをしました。
グレーのツイードヤーンでミニマフラーを編みました。
ジャケットの内側で首元に巻く短めのマフラーです。
こっちをクリスマスプレゼントにします。
編み物は好きです。かぎ針編みも棒針もレース編みも。
自分ではデザインできないから、誰かの編み図を見ながら編みます。
単調な繰り返しは、心を落ち着けるにはもってこいの作業です。
一本の糸が絡まりあって、面になり立体になる。
我が手の中で糸が少しずつ形になっていくのが嬉しいし誇らしい。
始めたきっかけは自分のため。長い長いマフラーを編みたくて。
思春期には、友だちに触発されて憧れの人に編んだりしました。
家庭を持ってからは、夫と娘のために。手が遅いから、あんまりたくさんは作れなかったけれど。
いつか作ろうと買った毛糸は、長く箱にしまったまま。
それはずいぶん前に、友人に送りました。
今手元にあるのは、編みかけのセーターやら、半端に残った糸たち。
冬の夜長に、残り物たちに新しい形をあげましょうか。
毛糸はほどけばまた一本の糸に戻ります。
失敗しても、またほどいて編み直せばいい。
根気さえあれば、出来上がるまで諦めなければ、いつかきっと形になる。
そういう優しさが好きで、編み物をするのかもしれません。
オレンジとグレーと茶色のベストが完成する頃には、春になっちゃうかも。
それもまたご愛嬌。
そんなふうに思えるくらい、私も気が長くなりました。