
三日坊主日記 vol.238 『ザ・コンテンツ・エキストラという公演』
「ザ・コンテンツ・エキストラ」という、コントのような演劇(ではないな)のような舞台を見てきた。
湯浅 崇くんという、僕の映画『泥の子と狭い家の物語』に、主人公あずきの高校の担任(兼業で寺の住職もしている)、井之頭という役を演じてくれた俳優の誘いで知った。この湯浅くんは、とても気のいい青年で、自身が所属する劇団テノヒラサイズの作・演出を務めることもある、多彩な男だ。
この「ザ・コンテンツ・エキストラ」は、もう何度かシリーズでやってるらしいんだけど、なかなか楽しめる。軽いノリのコントを数本、約一時半。湯浅くんの他に、上野真紀夫、太田浩司という3人芝居。湯浅くん以外は知らなかったが、この3人がなんとも言えないいい味を出している。息もピッタリだし。20人程のお客さんも大いに盛り上がっていた。このメンバーで本格的な演劇も是非見てみたいものだ。
客席が大いに盛り上がったのには理由がある。同じ会場で、公演が始まる3時間ほど前から演技のワークショップがあったのだ。つまり、この舞台を見て盛り上がっている観客の多くがワークショップの生徒。つまり、身内なのだ。サクラ(偽客)とまではいわないけれど、そりゃあ盛り上がるだろう。
これはなかなかウマイ手かも知れない。演技のワークショップを受けにきた人たちがそのまま舞台の客になる。演じる方としてはワークショップと舞台のダブルで料金が取れるし、客席は既にポッカポカに温まっているのである(もちろん、観劇だけでもOK)。生徒にしてみれば、演技が学べて、しかもその後で先生たちのお手本が見られる(お手本になる内容かどうかはわからないけどね)。
しかも、ワークショップで一番頑張ったと認められた人は、この舞台に(少しだけだけど)参加できるのである。それは気合が入るだろう。劇団員でもない素人が、プロの俳優たちと一緒に舞台に立てるチャンスなどまずあり得ないのだから。この公演、これからも続いていくそうなので、良かったらどうぞ。
それにしてもウマイ集客方法だ。お客さんを上手に集める方法のワークショプをしてくれないかな。それなら僕も参加するのに。
