三日坊主日記 vol.234 『prime video有料配信から無料配信へ』
prime videoで配信している僕の監督映画2本が、prime会員なら無料で見られるようになった。
『ニジェール物語』という短編アニメーション映画と『泥の子と狭い家の物語』という長編映画。
『ニジェール物語』は配信開始から一年が過ぎたので、契約通りに有料から無料配信へ移行。『泥の子と狭い家の物語』は一年には少し足りないのだが、より多くの方に視聴していただけるように無料配信へと移行した。prime会員の方はこの機会にぜひご覧ください。そして感想を聞かせてください。レビューを書いてください。よろしくお願いします。
『ニジェール物語』は、サハラ砂漠のキャンプで暮らした唯一の日本人女性フクダヒデコさんが、現地での体験を元に創作した7話の寓話集。この物語にはじめて出会ったときは、まだ本にもなっていない小冊子だった。しかし、この物語は僕に、行ったこともない砂漠の風景をはっきりととてもカラフルにイメージさせてくれた。360度どこまで行っても砂しかないはずなのにね。
少し難解な部分もあるが、それが却って想像力を刺激するとても良い物語。僕は多くの人に読んで貰いたいと思い、まず絵本を作った。そしてその原画を元に作ったのがこの短編アートアニメーション映画。映文連アワード2018 文部科学大臣賞、第31回すかがわ国際短編映画祭 公式上映、他。
【ストーリー】
世界で一番となりの木と離れている木の話。砂漠の深い深いところに眠る、大きな湖の女神の話。誰もいない広い広い砂漠に、めったに降らない雨が降って、雷がなって、そのイナズマが落ちてできる石の話。砂漠の真ん中に、地下の溶岩が突き出てできた山の話。砂嵐のあとに現れて、サソリの話をしてくれる恐竜の化石の話など、世界中を旅する船乗りの叔父さんが、おやすみ前のぼくにしてくれる七つのお話。「おじさんは船乗りなのに、どうして海のない国に行ったの?」おじさんは、それにはなにも答えず、もう遠い砂漠を思い出しているようだった。プロローグの二人の会話から、不思議な旅が始まる。
『泥の子と狭い家の物語』は、大阪で活動する「劇団テノヒラサイズ」が2012年に上演した同名の舞台演劇(作・演出 オカモト國ヒコ)を映画化したもの。現代社会が抱える問題のオンパレードのようなテーマを、笑いと涙とスペクタクルでごった煮にしたような作品。僕は2018年に再演したのを見て、ぜひ映画にしたいと強く思った。2013年にはNHKオーディオドラマ「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化もされている。岡山映画祭2024 公式上映作品、Seattle Film Festival 2024 Best Emerging Filmmaker Feature Film。
【ストーリー】
不動産屋曰く「ちょっと狭めですけど、みんなが幸せになれる家」に暮らす内田さん一家は、様々な問題を抱えながらも、開放的で幸せな家族だった。加賀美と名乗る女が、祖母松子の介護にやって来るまでは。加賀美が来るようになって、どうも母康子の様子がおかしい。主人公の小豆は訴えるも、事勿れ主義の父幸男は、まともに取り合わない。やがて、家族に良い変化が起き始める。鍼灸師だという加賀美は、幸男の酷い腰痛を一瞬にして治してみせ、再就職を叶えた。康子も明るさを取り戻し、少しギスギスしていた夫婦仲も良くなったように見えた。 やはり自分の思い違いか。母や父が言うように、加賀美は幸せを運んでくれるのか。そうして加賀美は、内田家に居ついてしまう。ところが、加賀美の行動が徐々にエスカレートし始める。家事、食事、小豆の進路や交流関係、果ては下着の色にまで口を出し、家族から自由を奪おうとする。謎の女に、徐々に蝕まれていく一家が織りなす、ファンタジー人間ドラマ。家族の崩壊と再生の物語。