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三日坊主日記 vol.175 『杉無垢の家具』

杉無垢の家具を手に入れた。


もちろん我が家の家具にも合板素材や集成材でできているものがあるんだけど、何年か前からなるべくそういうのを使わないようにしようと思い始めるようになった。無垢板で家具を作るとなると、必要な板の面積によって当然太い木、すなわち樹齢の長い木が必要になる。そういう木を使うよりも、集成材や合板を使う方がエコで自然に優しいという考え方もあるだろう。だいいちお安いし、いろんなデザインがあって選択肢も広い。


しかし、無垢材の家具がよいと思うようになったのだ。そう言いながら、少し前に仕事部屋用に合板で作った小さなキャビネットを買ってしまった。が、これが決定的に良くなかった。まず臭いが酷い。ホルムアルデヒド臭がえげつなくて、それ用の吸臭剤を取り寄せたり、脱臭剤を何個も入れたけど、結局一カ月以上その臭いに悩まされた。そうなると普通では気にならないことがどんどん気になってくる。使い勝手や、なんなら自分で選んだデザインまでも気に入らないような気がしてくる。そのキャビネットもえらい災難である。


その時心に誓ったのだ。もう二度と合板の家具は買うまいと。で、今回の杉無垢の家具。実はこのキャビネットよりも先に注文していたんだけど、オーダーなので少し時間が掛かって時期が前後してしまった。やはりいい。注文時、実は半信半疑だった。杉は柔らかすぎるんじゃないかとか、木目が目立ちすぎるんじゃないかとか、すぎだけにね。


しかし実際完成して家に置いてみると、杉の荒い木目も、あの独特の匂いも、予想以上に部屋に合う。柔らかいのですぐに傷がつくのは仕方ないが、それも湿らせてやればほぼ元通りに修復することも分かった(知識としては知っていたが実際やるのは初めて)。しかも杉なのでお値段もそれほどいかつくない。とても良い買い物をしたと思えるのだ。


家具に限らず無垢のものは傷が味になるという利点がある。傷や汚れがそのモノの個性になり表情となって、ずっと新鮮さを保つのだ。今後の人生でそう多くの家具を買うとは思えないが、やはり何十年も使い続けられるものが良いと思うのである。



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