三日坊主日記 vol.255 『うめきた再開発とブラックホールと大淀中(後編)』
今日も昨日に負けないぐらいに良い天気だ。雲は多いが陽射しが強く、とても9月とは思えない。
ニューヨークの同時多発テロから23年。あの瞬間は嬬恋にいた。ある食品メーカーのCMロケの前日で、スタッフ、キャストと同じ旅館でくつろいでいた時に飛び込んできた信じられないニュース。まるでハリウッド映画を見ているようで全く現実味がなかったのを覚えている。次の日は今日のような快晴で、撮影はなんの問題もなく終わった。
さて、昨日の続き。
今日(9月10日)は朝から大淀中へ行くために、つい先日プレオープンしたばかりのグラングリーン大阪を通って行った(グラングリーン大阪とはうめきた2期エリアのことで、今後も商業施設やオフィスビル、マンションなどができていき、2027年に全てがオープンする予定なんだそうだ)。あの長くて細くて暗かった地下通路の面影はどこにもなく、広々とした空と(暑すぎるぐらい照りつける)太陽の下を気持ちよく歩いて、大淀中まで。
大阪には、特に都市部には緑が少ない。というか、ない。もともと湿地帯で森がなかったとか、古くから人が多く住んでいたから木を生やしておくスペースなどなかったとか。砂質や粘土質の土壌は水はけが悪く植物の生育に影響するとか。いろいろ理由はあるにしても、とにかく緑が少ない。というか、ない。だから、たとえ人工的であったとしても都心部に森ができるというのは、大阪人にとって夢のような話しなのだ。いまはまだこのうめきた公園の緑も小さくてまばらだけど、月日とともに大きく育ち、立派な森になってくれるといいな。と心から願う。
そして、グランフロント大阪とグラングリーン大阪の繋ぎ目、うめきた中央の交差点(ここが街の中心になっていくんだろうか)の北側にVS.という、なんというんだろう、メディアアート施設というか、多目的展示スペースというか、安藤忠雄さん設計によるハコができている。カフェを併設した展示施設で、オープニングアクトとして真鍋大度氏の新作インスタレーションをやっていたんで見てきた。作品自体はTHE真鍋大度という感じで、いわゆる一般の方、特に年配の方にはよく分からないのではないかと思うものだ。しかし、これまで大阪でこんな作品を見る機会はなかなかなかった。だから年齢とか性別とか趣味趣向関係なく誰にとってもとても良い機会なんだと思う。結構年配の方が多くこられていたけど、なんだかみんな嬉しそうではあった。
作品も素晴らしいと思うが、この施設がとても素晴らしい。なんというか振り切っている。何に使用するんだ、とか。採算とか。そんなことはあまり考えてないんじゃないだろうか。この施設を見て、この施設があるからこそこんな表現ができる。こんな表現がしたい。そんな才能を持った人たちを挑発するような施設だと僕は感じた。僕もなんか考えてみようかしら。
とにかく、大阪がどんどん進化する。ますます東京化して大阪らしさがなくなっていくという意見も確かにあるけれど、そんなことも含めてどんどん変わっている。都心の駅のすぐそばに緑豊かな公園があって、アート施設があって、老若男女それぞれがそれぞれの時間を楽しむ。それを東京化というなら、僕は東京化しても全然構わないと思う。もっと違う部分で大阪らしさを出していきましょうね。
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