三日坊主日記 vol.191 『見積もり半額になりますか?』
今日も一日暑かったが、18時を過ぎてやっと夕立ちが降った。
久しぶりに打ち合わせの二階建て。めちゃくちゃ暑いので移動するだけでも命懸けだ。しかも日傘を忘れて出たので、冗談抜きで命の危険を感じたのだ。
いま、動画制作の経験があまりないweb制作会社からの依頼で、プロデュースというか監修のような立場で動画の企画を進めている。ちょっと前にプレゼンテーションを終え、返事待ちだった案件だ。
なかなか返事がないんで流れたのかなと思っていたら、半額でできないかという連絡があったらしい。しかも、元になっている金額は我々が算出したものではなく、最初に先方が提示した金額なのである。はじめて映像作品を作るというので、喜んでもらおうと予算内でギリギリできる最高のアイデアを持っていってたのに、まったくもって甲斐がない。
その連絡を受けたweb会社の担当者がどうすれば実現できますかと相談してきたんで、打ち合わせに行ってきた。電話でも済まない話ではないんだけど、その担当及び会社の人たちがどう考えているのか直接会って温度感を知りたかったんで、会うことにしたのだ。
それにしても、いきなり半額にして欲しいとはどういうことなんだろう。逆の立場で考えて、その会社に見積もりを半額にしろと言ったらどう反応をするんだろうか。とてもじゃないが受け入れないだろうし、ビジネスとして成り立たないのではないか。推測でしかないが、我々が出した見積もりを信用してないんだと思う。ということは、我々も信用されてないということだ。はじめてのことなんで、変なところに力が入っているのかもしれない。
僕の会社が受けていたなら間違いなくお断りしている案件だが、今回はそのweb会社の気持ちひとつ。やるなら方法を考えるし、やめるならそれでいいと思うのだ。その辺りをやんわりと、ニコニコしながら聞いてみた。すると、担当も経営者もやりたいという。僕さえよければ、ぜひ方法を考えて実現したいというのだ。自社の利益が出なくてもよいと。そこまで言われるとやらないと仕方がない。気は進まないけど、やることにした。
それにしても、こんなことがどうしてまかり通るんだろうか。東南アジアの屋台じゃないんだから、いきなり半額なんてありえない(先日行った香港の屋台でもブルース・リーのTシャツを半額にしてくれといったら、あっちへいけと追い払われたのだ)。こんな無茶を聞くから作品のクオリティが下がるし、作品のクオリティが上がらないからまた予算が下がる。映像業界は負のスパイラルなのだ。
ちなみに僕は、クオリティを下げずに予算に収まる方法を考えて提案しますよ、もちろん。気持ちはすでに氷点下まで冷めているけどね。
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