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シネマクティフ東京支部の第32回東京国際映画祭ふりかえり その5

ひとつの太陽

ronpe 「じゃあ最後はまるゆさん、お願いしまーす」

まる 「はい。私は31本観た中でダントツの一本がありまして。ワールドフォーカス部門から、『ひとつの太陽』です」

けん 「あー俺が観たかったやつだー」

まる 「台湾映画ですね」

けん 「それだー」

まる 「まず今年はワールドフォーカスが充実していたと思うんですよ。もともと評判の良いものが集まっている部門だと思うんですけど」

ronpe 「そうですね」

まる 「だからまぁ当たり前だとも思いますが」

けん 「他の映画祭の受賞作とかね」

まる 「他の作品も良かったんですけど、私の中では『ひとつの太陽』で。昨日、矢田部さんとちょっと話せたときにも、私の中では『ひとつの太陽』がグランプリです!って云ってしまいました」

けん 「僕はこの上映の裏でアサイヤスを観たんですけど、作品の評判などもあり、アサイヤスじゃなくてこっちだったんじゃないかなぁと思ってるんですよ…」

まる 「私も(アサイヤスの)『WASP ネットワーク』も観てるけど、断然『ひとつの太陽』です」

ronpe 「『WASP ネットワーク』も評判良いですよね?」

けん 「いや、面白いですよ『WASP ネットワーク』も。面白いですけど、一般公開されそうなんですよ」

ronpe 「そりゃそうだね。で『ひとつの太陽』は何が良かったんですか?監督の過去作はけっこうTIFFで上映されてますけど」

まる 「ronpeさんはこの監督の過去作って観てますか?」

ronpe 「いや、観れてないですね」

けん 「チョン・モンホン監督か。僕もちょっと台湾映画は注目してるところがあって」

まる 「うんうん」

けん 「じゃあなんで観なかったんだよ!って話なんですが」

一同 「ガハハハ(笑)」

まる 「話としては家族の話で。お父さんとお母さんと息子たち2人兄弟」

けん 「ふーん」

まる 「お父さんは自動車学校の教官をやっていて。お母さんは美容師さん。それで兄弟がとても対照的で、お兄さんの方がめちゃくちゃ頭がいい。逆に弟の方が手がつけられないぐらい札付きのワルって感じ」

ronpe 「うん」

まる 「まずこの映画が夜の雨のシーンからはじまるんですが、その時点でこの映画はいい!というのがビンビン伝わってくるような」

けん 「ふーん」

まる 「そのあとショッキングな出来事があるんですけど、シリアスにはいききらない。悲しみとおかしみがあるようなこの家族が織りなす、今まで見たことないような感じ。その混ざり具合が良かったです」

けん 「へー」

まる 「バイオレンスなシーンもあるのに笑いが絶えない。この『ひとつの太陽』というのもいいタイトルだと思います」

けん 「うーん、公開されないかなぁ」

ronpe 「けっこう上映時間長いですね」

まる 「長いんですけど最高なんですよ」

けん 「今回のTIFFのスケジュール組みで一番の反省ポイントはここなんですよ。アサイヤスじゃなくてこっちだったか、という」

まる 「そうだと思う」

ronpe 「繰り返しますけど『WASP ネットワーク』も非常に評価高かったですけどね」

けん 「はい。『WASP ネットワーク』は作品の満足度しては高いです。でも公開されると思うんですよ。単純にそこです」

まる 「すごくいい作品でした『ひとつの太陽』」

けん 「イメフォとかでやってくんないかなぁ」

というわけで、東京国際映画祭で映画を観た4人の座談会でした。映画祭で映画を観る楽しさが少しでも伝われば幸いです。

text by ronpe

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