GUITAR RIG 6解説【ディレイ編】
この記事ではGUITAR RIG6におけるディレイ・コンポーネントの情報を整理しました。
GUITAR RIG 6を使ってギターの音作りをする際に整理した情報を残しておきます。
マニュアル読もうにも英語苦手な方や、手っ取り早く設定を知りたい方は是非活用ください。
Delay Man
概要
Delay Manは、暖かみのあるクラシックなエコーペダルをモデリングしている。ビブラート・コーラスエフェクトが内蔵されており、これを使用することでサウンドに動きを加えることができる。
コントロール
Tap:ここをクリックすると、クリック間の平均時間から「Time」を自動設定する。
Time:ディレイタイムを調整する。
Sync(note symbol):「Time」での設定をメトロノームに同期させる。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
Input:入力信号のレベルを調整する。
Chorus/Vibrato:Chorusエフェクトを使うか、Vibratoエフェクトを使うか選択する。
Depth:ChorusまたはVibratoのエフェクトの強さを調整する。
Mute:入力信号をミュートして、エフェクトのみ聞こえるようにする。
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
↓↓↓以下、エキスパートモードでのみ設定可能。(上級者設定)
Acceleration:「Time」を変更したときに、その変更が反映されるまでの時間を調整する。左に回すと、「Time」を変更した時ゆっくり時間をかけてディレイタイムが変化していく。
Bass:低域周波数の応答性を調整する。
Treble:高域周波数の応答性を調整する。
Rate:Chorus/Vibratoの周波数を調整する。
Sync(note symbol):「Rate」をメトロノームに同期させる。
モデル機種(元ネタ)
something like an Electro-Harmonix Memory Man
Psyche Delay
概要
Psyche Delayは、さまざまな雰囲気のアンビエントエコーとリバースエフェクトを生成することができる。
コントロール
Tap:ここをクリックすると、クリック間の平均時間から「Time」を自動設定する。
Time:ディレイタイムを調整する。
Sync(note symbol):「Time」での設定をメトロノームに同期させる。
Reverse:ディレイエフェクトをリバースサウンドにする。
Detune:左チャンネルのディレイエフェクトの音程を-50 ~ +50[cent]の範囲で調整する。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
Pitch:ディレイエフェクトの音程を-12 ~ +12[semitones]の範囲で調整する。「Feedback」を組み合わせることで、独特なサウンドエフェクトを作ることができる。
Mute:エフェクト音をミュートして、入力信号のみ聞こえるようにする。
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
↓↓↓以下、エキスパートモードでのみ設定可能。(上級者設定)
L/R Offset:左右のチャンネル追加するオフセット時間を調整する。これによりディレイエフェクトのステレオイメージが強化される。
Stereo Reverse:右チャンネルのリバーブエフェクトを削除し、左チャンネルからのみ再生されるようにする。
Stereo Detune:左右チャンネル両方に、デチューン設定を反映する。
X-FB:左チャンネルの出力を右チャンネルの入力にフィードバックする。または、その逆のフィードバック量を調整する。
モデル機種(元ネタ)
pseudo late 60s delay with reverse mode and pitch-shifting FX
FeedbackとPitchを活用したサウンドメイク例
Massiveのプリセット「Bellclarinet」を使用し、FeedbackとPitchを使ったサウンドエフェクトを制作してみました。
Psyche Delayの設定は以下の通り。
Quad Delay
概要
Quad Delayは、2つのステレオチャンネルに分散された4つのディレイステージで構成される。フィードバックと内蔵モジュレーションを組み合わせることで、複雑で生き生きとしたディレイサウンドを作成できる。
コントロール
Tap:ここをクリックすると、クリック間の平均時間から「Time」を自動設定する。
Time:ディレイタイムを調整する。
Sync(note symbol):「Time」での設定をメトロノームに同期させる。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
Invert:エフェクト信号の極性を反転し、入力信号をキャンセルすることで、ディレイエフェクトのキャラクターを変更する。
Rate:4つのディレイステージで適用されるモジュレーションの周波数を調整する。
Depth:4つのディレイステージで適用されるモジュレーション量を調整する。
Mute:エフェクト音をミュートして、入力信号のみ聞こえるようにする。
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
↓↓↓以下、エキスパートモードでのみ設定可能。(上級者設定)
Sync Delays:「Rate」の設定をメトロノームに同期させる。
Diffusion:個々のディレイ時間に変化量を調整する。これにより、4つの異なるディレイによるステレオエフェクトとなる。
Bass:低域周波数の応答性を調整する。
Treble:高域周波数の応答性を調整する。
モデル機種(元ネタ)
なし
REPLIKA GR
概要
REPLIKA GRは、様々なディレイ・リバーブ効果を作るために使用できる高度なディレイエフェクトである。
5つのモード選択により、幅広いエフェクトを作成可能。
コントロール
Delay mode:ディレイのモードを、以下3つから選択する。
Normal:基本的なモード。左右のステレオチャンネルに同一のディレイエフェクトを加える。
Wide:ステレオワイドなモード。左右のステレオチャンネルにわずかにオフセットを加えることで、ステレオイメージを広げる。
Ping Pong:ピンポンディレイ。ディレイエフェクトは左右のステレオチャンネルから交互に聴こえる。
Time mode:「Time」の設定方法を、以下4つから選択する。
ms:㎳オーダーで設定する。
Straight:メトロノームの音符に同期して設定。
(1/16, 1/8, 1/4 etc)
Dotted:メトロノームの付点音符に同期して設定。
(1/16d, 1/8d, 1/4d etc)
Triplets:メトロノームの3連符に同期して設定。
(1/16t, 1/8t, 1/4t etc)
Time:ディレイタイムを設定する。
Feedback:ディレイのフィードバック量を調整する。右に回すことで、フィードバックの量が多くなり、ディレイエフェクトの減衰に時間がかかるようになる。
Style selector:ディレイのサウンドキャラクターを、以下5つから選択する。
Modern:真空管によるサチュレーションを備えたクリーンで明るいディレイ。
Analogue:Bucket Brigade Deviceをエミュレートした、暗くてぼんやりとしたディレイ。
Vintage Digital:初期のデジタルディレイをエミュレートした、暖かくクランチなディレイ。
Tape Echo:クラシックなテープディレイをエミュレートした、生き生きとしたディレイ。
Diffusion:クリーンなディレイとユニークなリバーブエフェクトを組み合わせたもの。
Hi Cut:ディレイのフィードバックで、高域周波数成分をカットする。右に回すことで、暗いトーンのディレイになる。
Low Cut:ディレイのフィードバックで、低域周波数成分をカットする。右に回すことで、明るいトーンのディレイになる。
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
モデル機種(元ネタ)
なし
Modern Style(REPLIKA GR)
概要
真空管によるサチュレーションを備えたクリーンで明るいディレイ。
内蔵のモジュレーションでディレイタイムが周期的に変化する。これにより、ディレイのタイミングとピッチが変化するため、サウンドに深みと動きが生まれる。
コントロール
Saturation:入力信号に真空管のようなサチュレーションを追加する。右に回すことで、サチュレーションの量が増加し、オーバードライブのようなサウンドになる。
Stereo:内蔵モジュレーションをステレオもしくはモノを切り替える。アクティブにすることでモジュレーション結果にステレオ効果が得られる。
Rate:内蔵モジュレーションのスピードを調整する。
Depth:内蔵モジュレーションの強さを調整する。
Analogue Style(REPLIKA GR)
概要
BBD(Bucket Brigade Device)をエミュレートした、暗くてぼんやりとしたディレイ。BBDモデルは4つのモードから選択できる。
また、内蔵のモジュレーションでディレイタイムが周期的に変化する。これにより、ディレイのタイミングとピッチが変化するため、サウンドに深みと動きが生まれる。
コントロール
BBD Type:BBDモデルを、Clean・Warm・Dark・Grungeから選択する。
Stereo:内蔵モジュレーションをステレオもしくはモノを切り替える。アクティブにすることでモジュレーション結果にステレオ効果が得られる。
Rate:内蔵モジュレーションのスピードを調整する。
Depth:内蔵モジュレーションの強さを調整する。
Vintage Digital Style(REPLIKA GR)
概要
初期のデジタルディレイをエミュレートした、暖かくクランチなディレイ。サウンドは4種類から選択可能。
コントロール
Quality:Delayの品質を、High・Medium・Low・Crunchから選択する。Highは明るいサウンド、Medium・Lowは暗くざらざらしたサウンド、Crunchは明るく若干歪んだサウンドになる。
Stereo:内蔵モジュレーションをステレオもしくはモノを切り替える。アクティブにすることでモジュレーション結果にステレオ効果が得られる。
Rate:内蔵モジュレーションのスピードを調整する。
Depth:内蔵モジュレーションの強さを調整する。
Tape Echo Style(REPLIKA GR)
概要
クラシックなテープディレイをエミュレートした、生き生きとしたディレイ。サチュレーション量・テープの年齢・ワウ&フラッターの強さなどを設定可能。
コントロール
Saturation:サチュレーションの量を調整する。
Noise:テープのヒスノイズのオンオフを切り替える。
Wow & Flutter:ピッチ変化の量を調整する。
Age:制限された高域周波数応答やヒスノイズなど、経年劣化したテープの特性を強化する。
Diffusion Style
概要
クリーンなディレイとユニークなリバーブエフェクトを組み合わせたもの。狭く共鳴する空間から不自然に広大な空間まで、幅広いアンビエンスを作成できる。
コントロール
Amount:ディレイ信号に適用される拡散量を調整し、リバーブエフェクトを生み出す。
Dense:リバーブエフェクトの反射タイプを2つから選択する。有効にすると反射パターンが濃くなり、色あせたサウンドになる。無効にすると、反射パターンはまばらになり、ザラザラしたサウンドになる。
Movement:拡散に適用されるモジュレーションの深さと速度を調整し、反射のタイミングとピッチをシフトして幅広リバーブエフェクトを実現する。
Size:リバーブのサイズを調整する。
Expert Panel
コントロール
Input:入力信号のレベルを調整する。
Sensitivity:ダッキングエフェクトが発生するしきい値を調整する。
Amount:ダッキングエフェクトの強さを調整する。
Release:ダッキングエフェクトのリリースタイムを調整する。
Dry:入力信号のパン設定。
Wet:ディレイエフェクトのパン設定。
Width:出力信号のステレオ幅を調整する。
Output:出力レベルを調整する。
Tape Echo
概要
Tape Echoは、テープベースのディレイを再現している。ディレイは2つの仮想テープから音作りを行う。また、スプリングリバーブも内蔵している。
コントロール
Input:テープディレイの入力をスルーする。
Dry:ドライサウンドのみをミュートしてエフェクト音だけ聴こえるようにする。
Tap:ここをクリックすると、クリック間の平均時間から「Time」を自動設定する。
Head A:仮想テープAのヘッドの位置を5つから選択することで、ディレイエフェクトの遅延を調整する。
Head B:仮想テープBのヘッドの位置を5つから選択することで、ディレイエフェクトの遅延を調整する。
Sync (note symbol):「Speed」での設定をメトロノームに同期させる。
Speed:仮想テープの速度を設定する。これは、ヘッドAとヘッドBのディレイタイムに影響する。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
ECHO Bass:ディレイエフェクトの低域周波数の応答性を調整する。
ECHO Treble:ディレイエフェクトの高域周波数の応答性を調整する。
ECHO Volume:ディレイエフェクトのボリュームを調整する。
VERB Bass:リバーブエフェクトの低域周波数の応答性を調整する。
VERB Treble:リバーブエフェクトの高域周波数の応答性を調整する。
VERB Volume:リバーブエフェクトのボリュームを調整する。
↓↓↓以下、エキスパートモードでのみ設定可能。(上級者設定)
Acceleration:テープ速度が「Speed」の変更にどれだけ早く追従するか調整する。
Dropouts:長時間テープを使用した後に発生するドロップアウトをシミュレーションする。
Noise:テープノイズの量を調整する。
Warble:テープの滑りや変調の量を調整する。この現象は、「フラッター&ワウ」とも呼ばれる。
Headroom:テープが歪む前に許容されるディストーション量を調整する。
Head Mix:ヘッドAとヘッドBのブレンド比を調整する。
Reverb Time:リバーブエフェクトの減衰時間を調整する。
Spring Length:仮想スプリング(バネ)の長さを調整する。
モデル機種(元ネタ)
Roland RE-201
TRAKTOR's Delay
概要
TRAKTOR's Delayは、無限にディレイを繰り替えるフリーズ機能や、テンポシンクやステレオ拡散などの機能を備えたクラシックなディレイである。
コントロール
Rate:ディレイタイムを調整する。
Sync (note symbol):「Rate」での設定をメトロノームに同期させる。
Freeze:フリーズ機能を有効にし、ディレイを無限に繰り返す。この際、「Filter」は中央位置にしておかないと、フリーズ機能が機能しないため注意。
Filter:フィードバックループ内のLPFとHPFのカットオフ周波数を調整する。中央位置ではフィルターは無効になる。左に回すとLPFが有効になり、右に回すとHPFが有効になる。
Spread:左右のステレオチャンネルで加えられるオフセット量を調整し、ステレオイメージを広げる。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
Mute:エフェクト音をミュートする。
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
モデル機種(元ネタ)
なし
Twin Delay
概要
Twin Delayは、2つのパラレルディレイを組み合わせて高度なステレオエフェクトを実現する。2つのディレイはそれぞ左右専用になっており、これを組み合わせることでステレオイメージ内でリズミカルに跳ね返るようなエフェクトになる。
コントロール
以下設定は、LとRで独立して設定できる。
Time:ディレイタイムを調整する。
Sync (note symbol):「Time」での設定をメトロノームに同期させる。
Feedback:フィードバック量を調整する。右に回すことで、ディレイの繰り返し回数が増える。
Level:ディレイエフェクトの音量を調整する。
以下設定は、LR共通設定。
Tap:ここをクリックすると、クリック間の平均時間から「Time」を自動設定する。
Mute:エフェクト音をミュートする
Mix:ドライとウェットのブレンド比を調整する。
↓↓↓以下、エキスパートモードでのみ設定可能。(上級者設定)
Predelay:プリディレイ時間を調整する。
Sync (note symbol):「Predelay」での設定をメトロノームに同期させる。
X-FB:右チャンネルの出力を左チャンネルにフィードバックする、またはその逆の量を調整する。
Stereo Width:ディレイのステレオイメージを調整する。中央位置だとモノ、右に回すとステレオイメージが広がり、左に回すとステレオイメージが狭まる。
モデル機種(元ネタ)
なし
【参考書籍】
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