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地テシ:369 意外と近い「栓水止」の世界
劇団☆新感線の舞台を何十台ものカメラで撮影して海外のサウンドエンジニアにミキシングして貰って映画館の大スクリーンで上映する企画であるゲキ×シネ。そのゲキ×シネが20周年というコトで様々な企画が行われております。
その一つとしてこの春にゲキ×シネ解説映像が作られていたんですね。知りませんでした。コレを見て頂ければゲキ×シネとはどういうモノかご理解頂けると思います。
改めて見ると毎回豪華なゲストをお招きしておりますね。我が劇団ながら驚かされます。もちろん次回の「バサラオ」でも生田斗真さん、中村倫也さん、西野七瀬さん、そしてりょうさんと、またもや豪華ゲストでお送りいたしますので、どうぞご期待下さいませ!
さて、いまさらですが私は散歩が趣味なんです。道の曲がり具合や繋がり具合、土地の高低や地形との関係、土地の歴史と古ぼけて哀愁のある建物。そういったモノを愛でながら歩くのが好きなのですが、最近また新たに厄介な楽しみを見つけてしまいました。
それが「栓水止」探し。いや、要するに「止水栓」のコトなのですが、稀に右から書かれた「栓水止」というのが見つけられるのですよ。
いやいや、判りますよ。マンホールに興味を持つようになるたあ、いよいよニッチな方向に向かってやがるなって。でもねえ、コレが中々に楽しいんですよ。
路上には数多くのマンホールがあります。ご存じ、直径1mくらいの下水のマンホールだけでなく、電気やガス、電話などの小振りのメンテナンスホールもあります。
そして意外と多いのが上水道の小さな鉄蓋。直径15cmくらいの「制水弁」や「仕切弁」などは2〜3個まとまってあったりします。
そして、そんな中に直径8cmくらいの小さな「止水栓」というのがあるんですよ。道路の下に敷設された配水管から住宅に引き込まれている給水管の途中にあって、水を止めるコトができる栓です。通常は長方形のメーターボックスの中にあるのですが、それとは別に独立したメンテナンスホールがある場合があるんですね。
でね、ネットで色々調べ物をしていた時に、この止水栓が右書きになった「栓水止」というのが見つかるという記事を読みましてね。おそらく戦前までに設置されたものではないかと予想されます。気になったモノだから探しに行ってみたら、なんだか簡単に見つけることができました。できてしまいました。
その後も気にして下を見ながら歩いていたら、そりゃもう見つかる見つかる! もう20個以上も見つけてしまいました。別に珍しいモノでもないってコトですよ。
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例えば、千駄ヶ谷の鳩森八幡神社の近くにはいくつかあるという情報を聞いて探しに行ったら、情報通りの場所にまず一つ。
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で、近くにもいくつか有るってんで探してみたら住宅のタイルの中に埋まっていました。
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自分でもよく見つけたなとか思いましたが、同時に「路上だけじゃなくてこういう所も探さなくちゃいけないんかい!」とも思いました。実際、こういったカンジで一段上がった場所にある場合も多いコトにも気付きました。
さらに、その近所をウロウロしていたらこんなモノも見つけてしまいました。
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こりゃもう、ほぼ「栓止木」ですよ! 「モク」ですよ! いや、多分「水」なんでしょうけど、どう見ても「木」にしか見えないんですよね。とはいえ木止栓なんてものは有りませんからねえ。これも右書きの止水栓なんでしょう。
この鳩森八幡神社には有名な富士塚もありまして、江戸時代から大人気の神社だったのです。ですので周りの道も古くから整備されていて、それで古い鉄蓋も多いのでしょう。町割りも古いので中々に面白いモノが他にも色々見つかりました。
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栓水止をいくつか見つけてきた経験から考えて、要するに古い鉄蓋は古い道に多いんじゃないかと思います。「れきちず」に記載されている様な江戸時代からの道、あるいは「東京時層地図」や「今昔マップ on the web」で見られる戦前からの道のような、軽く(時には激しく)蛇行しているような古い道です。
かといって古い道ならば必ず見つかるというワケでもないんですよね。そりゃそうだ。つまり戦前から有る道で、でも拡幅や直線化がされていない細めの住宅街の道だと見つけやすい、ようです。
散歩好きとして家の近所はもう散歩し尽くしたと思っていたのですが、当然ながらかつてはマンホールなんか気にして歩いていなかったんですよ。ですので、最近は以前から歩き慣れた道を、下を見ながら歩き直している毎日です。近所の道、二周目です。そしてまた栓水止を見つけてしまっています。
ただね、よく知っている道ならば良いのですが、初めて歩く道でも路上に注意を向けてしまいまして、味わいのある建物とかを見つけるのが下手になってしまいました。そりゃそうだよね。下ばかり見ていたら周りが見えないよね。危険だし。
だもんで、散歩しながら路上を見たり建物を見たり景色を見たり、そのうえ車や歩行者にも気をつけなければなりませんから散歩が忙しくなりました。ノンビリ歩くのが散歩の楽しみなのに。なんだか本末転倒です。
でもまあ、自分が楽しいんだからいいか。いいんだよね、多分。
ちなみに、東京や関東だけではなく大阪などの関西でも見つかるそうです。他の地方都市ではどうかは知りませんが、気になる人は探してみて下さいませ。多分、あると思うよ。私もまだまだ探しますぜ!
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