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地テシ:300 「Vampire Survivors」ってば!

現在稽古中の劇団☆新感線「ミナト町純情オセロ」製作発表の模様がダイジェスト動画になりました!

作家、演出家、メインキャストによります見どころや意気込みなどを語った動画です。短くまとまっておりますので、作品についてお知りになりたい方はぜひともご覧下さいませ。


さて、二回にわたって旧東海道を歩いてみた記事をお送りしましたが、つまりは年末年始は色んな所に散歩に行ったなあというコトですよ。面白い散歩が多かったとはいえ、そんなに散歩ネタばかり連発してもねえ。じゃ、ここらで久しぶりにゲームの話題などを書いてみましょうか。
今回ご紹介したいのは「Vampire Survivors」というゲーム。といいますのも、yusuke3rdさんの昨年末の記事『独断と偏見の2022年「ベスト○○ゲーム」』ベスト時間泥棒ゲームとして紹介されていて気になってしまったのです。

時間泥棒ゲーム。それは悪魔のゲーム。普通にちょろっとプレイしているつもりなのに、気がついたら何時間も経っていた、という世にも怖ろしいゲームなのです。それほどまでにハマってしまうというコトですよ。
私もこれまでに様々な時間泥棒ゲームにハマってきました。最近だとPS4の都市育成ゲーム「ザ・コロニスト」とかね。でも、「Vampire Survivors」のようなドット絵シューティングゲームにハマった記憶はありません。これは気になりますよね。
しかも、このゲームはXboxのゲームサブスクであるXbox Game Passのラインナップにあるので実質無料(いや、定額制なんですけど)でプレイできるとなればダウンロードせずにはいられません。そしてダウンロードしました。そしてプレイしました。そしたら時間が泥棒されました! って流れです。


こちらが(多分)公式紹介動画です。英語ですけど。
https://cdn.cloudflare.steamstatic.com/steam/apps/256911886/movie480.mp4?t=1666779005

ドット絵で描かれた見下ろし型のシューティングというかアクションというか、まあなんか敵を倒していくシンプルなゲームです。PCではアーリーアクセス版という未完成版でも人気となり、昨年後半に完成版が発売されて各機種にも移植され、ゲーム実況配信の動画などで話題になりました。それほどまでに面白いと噂の時間泥棒ゲームなのです。

このゲームの面白ポイントはいくつもありますが、個人的に思う特筆すべきポイントはこちらの二つではないでしょうか。

1.引き算の美学
2.足し算の愉悦

これらを順にご紹介していきたいと思います。


1.引き算の美学

このゲームでは、様々なものが引き算されています。まず、ストーリーがありません。プレイヤーは何のために誰と闘うのか。全く知らないままに広いフィールドに立たされます。オマケにチュートリアルもありません。
最近のゲームではプレイの最初に丁寧なチュートリアル(操作説明)があるコトが多く、ゲームのストーリーや世界観などの導入と共に、操作の仕方や攻撃の方法などを懇切丁寧に説明してくれます。しかし、このゲームには導入もチュートリアルもなく、いきなり戦場に放り出されます。

戦場に放り出されると、敵キャラがワラワラと寄ってきます。となれば攻撃したくなるじゃないですか。ところが、どのボタンを押しても攻撃が出ません。そうなんです。攻撃ボタンがありません。
このゲームでは、一定時間ごとに自動的に攻撃が出ます。攻撃方法は武器によって違いまして、自分の向いている方向にナイフを投げたり、横方向にムチを振るったり、ランダムな方向に炎を出したり、そういった攻撃が数秒おきに発せられます。武器のレベルが上がると弾数が増えたり発射間隔が短くなったりします。

攻撃ボタンがなければプレイヤーは何を操作するのかといいますと、左スティックで自分のキャラクタを移動させることしかできません。
あとはまあ、レベルアップした時に、3~4個ある選択肢から選ぶために方向キーと決定ボタンを押すくらいですかね。つまり、プレイ中は左スティックだけで遊べます。ていうか、ホントにそれしかできません。

レベルアップなどによって、最大6種類の武器と強化アイテム(攻撃範囲が広がる、など)を持つことができ、それぞれの武器を強化させることによって超強力キャラになることができます。
後半には画面を埋め尽くすほど多数の敵キャラと、画面を埋め尽くすほど多数の自分の弾とで、何が何やら判らない画面になります。なにやらビカビカ画面です。ワラワラと寄ってくる多数の敵をバカバカと倒していくとドバドバとドーパミンが出てフツフツと多幸感に包まれるのです。
しかし! しかしですよ! ゲームを開始して30分が経つと、どこからともなく超超超強力な死神が現れて、驕り高ぶった主人公を瞬殺します。まさしく瞬殺です。はい、これで終わりです。


どうです。シンプルでしょ。ストーリー無し、攻撃ボタン無し、30分で強制終了。これが「引き算の美学」です。
このシンプルさと面白さの秘密については、フリーのゲーム開発者であるNesさんが同じくnoteにて丁寧に解説されているので、ちょっと興味が湧いた方は是非ともお読み下さいませ。なるほど! とヒザを打つこと請け合いです。


このゲームでは、どれだけ強力に成長していても30分経ったら問答無用で殺されてゲームオーバーになります。そしてスタート画面に戻されます。
え? じゃあ今までの努力は無駄になるの? いえいえ、大丈夫です。プレイ中に集めた金貨を使って新しいキャラを解放したり、各ステータスをあげたりできますので、さらに攻略の幅が広がります。始めは数分しか保たなくても、そのうちに30分遊べるようになります。
そして条件を満たせば隠されたキャラや新たなステージや新モードもドンドン追加されるので、やることはさらに増えていきます。新しい武器も手に入ります。
この武器はどんな使い心地なのかな、次のステージはどうなのかな。よし、あと30分プレイしようかな。というワケで時間が泥棒されていくのです。
しかもプレイするごとに何らかの新しい要素が解放されていくので、次の30分、また30分、もっと30分と泥棒が止まりません。

そう、ここからが「足し算の愉悦」です。


2.足し算の愉悦

選べるキャラクタは普通にプレイしていれば25人くらいに増えます。それぞれに特徴(10レベルごとに攻撃力が上がる、など)があり、またそれぞれが異なる初期武器を持っています。つまり武器も25種類くらいあります。ほとんどの武器は最高まで成長させることでさらに強力な武器に進化します。つまり進化武器も20種類くらいあります。多いねえ。
これらの武器が全て攻撃方法が違い、それぞれに異なる特徴と使い心地があるので、新しい武器を手に入れたら使ってみたくて仕方が無くなるという罠が潜んでいます。

また、なかなかに困難な条件を満たすことで解放される隠しキャラも20人くらい居ます。これらの隠しキャラがまたクセのある特徴を持っています。それぞれの初期武器は上記の進化武器であるコトが多いですかね。

さらに、プレイを手助けしてくれる効果(初期武器の発射回数が常時増える、など)をもつアルカナというカードも20種類くらい手に入ります。ステージも増えていきますし、シークレットやらコレクション表やら新たなモードやらが解放されたりします。もう、プレイするごとに何かしら新しい要素が増えていくのです。

つまり、ステージやらキャラやら武器やらアイテムやらアルカナカードやら、もう様々な要素がドンドン増えていっちゃうので、気になっちゃって止め処が判らなくなるというのが時間泥棒たる所以です。
まさに「足し算の愉悦」なのです。


このように、引いたり足したり、シンプルながらもやり込み要素の多いゲームでして、その時間泥棒さ加減に大評判となりました。まあ、最終的には作業感は否めなくなりますが、低価格で長く遊べてカタルシスも大きいとなれば評判になるもの判ります。
私もあらかたの要素を解放したところで一旦やめて、PS5の「Forspoken」に移行してしまいましたが、今でも時々取りこぼした要素を目指してついついプレイしてしまいます。まあ、それほどまでに中毒性が高いというコトなんですよ。

ちなみに、30分経ったら出てくる無敵の死神ですが、ある二つの武器を進化させると倒すことができちゃいます。しかもプレイヤーキャラとして使うコトができるようになります。
このRed Deathさん、さすがに無敵に強くはありませんが、とにかく足が速くて重宝しますよ。


「Vampire Survivors」はWin/Mac、Xbox One、Xbox series X/S、Google Playなどで発売中。とにかく中毒性が高いのでくれぐれもお気を付け下さいませ。