専門性を武器に独立 通勤なし・ワーケーションと自分にあった働き方を満喫 翻訳・通訳 長谷川千絵さん
翻訳・通訳のフリーランスとして活動している長谷川千絵さん。フリーランスが活躍しやすい業界の中で、専門性を身につけるため戦略的にキャリアを構築。それが功を奏してか、ワーケーションも楽しみながら、ご自身にあった働き方を実現されています。今回は普段のお仕事の内容や、今の働き方が実現できている背景に迫ります。
特許事務所で専門性を身につけ、フリーランスとして独立
ーーまずは今の業務内容を教えていただけますか?
日英の翻訳と通訳をメインに、フリーランスとして仕事をしています。独立前は特許事務所に勤めていたこともあり、特許出願書などが得意。特許事務所が機械や自動車専門だったので、特許に関係なくともメカニカルな文書や契約書にも対応しています。最近ではマーケティング関連の文書にも領域を広げました。
通訳については新型コロナの影響を大きく受けました。コロナの前は国内外の展示会に同行して通訳する業務が多かったです。今ではzoomなどオンラインツールを使った商談での通訳の依頼が増えてきました。
ーー展示会もメカニカルな分野を対象にしているのですか?
機械系分野に加え、ファッションやIoTなど、幅広く対応しています。展示会はつまるとこと商談の場。金額と数字のやりとりなので、実はものすごく専門知識が必要というわけでもないんです。
ーー翻訳・通訳のフリーランスはどのように仕事を広げていくのでしょうか?
職業柄、まずはエージェントに登録してお仕事を受けることが多いですね。登録先エージェントを増やすとより多くのお仕事が入ってきます。Webサイトを設けているので、その経由で仕事がくることも。クラウドワークスやランサーズなど、マッチングサイトにも登録しています。
ーーなるほど。もともとフリーランスを目指していたのですか?
ずっと翻訳や通訳をやりたいという思いがあり、大学は英文科を卒業しました。翻訳や通訳はフリーランスが圧倒的に多いため、必然的にフリーランスとして働くことを視野にいれていましたね。
ーー独立するキャリアを描く職種なのですね。独立のタイミングはどうやって決めたのでしょうか。
大学卒業してすぐフリーランスとして独立することは難しいので、専門性をつけるために特許事務所で働き始めました。フリーランスで活躍している人が多い職種とはいえ、得意分野を見つけて差別化することが求められます。
ーー特許系の翻訳を専門にする人は少ないのでしょうか。
翻訳全体としては少ないですね。
自分にあった働き方の実現で高い満足度
ーーフリーランスになってよかったことはありますか?
会社に出社するのが当たり前という働き方が好きではなかったので、通勤時間がない働き方はいいですね。もともと家からあまり出たくないタイプなので(笑)。周りの人を気にしたり、気にされたりする環境ではないのもうれしいです。
ワーケーションにはなりますが自由に旅行にもいけるなど、プライベートの予定が立てやすいのも魅力ですね。
ーー普段はどんな環境でお仕事されていますか?
新型コロナ前から自宅で作業していました。調べ物をしながら翻訳することが多いので、ノートパソコンを大型モニターにつなげて作業しやすいようにしています。
ーー会社員のほうがよかったことはありますか?
やはり安定感です。会社に勤めていたときは、月に決まった収入が入ってくるので自ら営業する必要がありませんでした。
ーーフリーランスと会社員で比較すると満足度はどちらが高いですか。
断然、フリーランスになった今です。フリーランスになって本当によかったと思っています。
ーーとても充実されているのですね。
初めての電子申告もスムーズに1日で終了
ーー経理業務についてもうかがいます。いつから会計freeeをご利用ですか。
2015年9月の開業時からです。当時はまだ開業freeeがなかったので、開業届は自分で手配しました。
ーー他の会計ソフトと比較したり、エクセルで済ませる検討などはされたのでしょうか?
開業前に税金や確定申告について勉強しました。青色申告を自力で行うことは難しいということがわかり、何かしらのソフトは導入しようと思っていました。ネットで比較記事など調べたところ、会計freeeがよさそうだったので導入を決めました。
ーー確定申告についてはいかがですか?
確定申告に対してネガティブな印象がありましたが、会計freeeを使っているから楽にできています。定期的に入力しているので、確定申告作業は1日で終わり。2019年度ではじめて電子申告にも挑戦しましたが、簡単に申告できました。
ーー電子申告だとマイナンバー関連で苦戦する方もいらっしゃいますが、問題はなかったですか?
まったくないですね。フリーランスになるときにマイナンバーカードも発行していたし、パスワードもちゃんと覚えていました。
ーー日々の経理業務はどのように行っていますか?
支払いの際は、とにかくクレジットカードを使うようにしています。連携がされるのでとても楽ですね。普段はスマートフォンアプリを使って仕訳作業を行っています。
最初はどの勘定科目にすべきかが全くわからなかったですが、調べながら使っていくうちに慣れました。
使い方で困ったときには、ヘルプページを参照しています。細かく説明が書かれているので、チャットや電話のサポートまでは使わずに済んでいます。
ーー会計freeeを導入したことでどんなメリットがありましたか?
経理や簿記に関して知識がなく不安でした。だからこそ、開業当初から導入を決めました。導入直後は、それでも時間を取られるものというつもりでいたんです。でも実際に使ってみると、本当に簡単。本業に集中できるので助かっています。
AI化の危機を逆手に、新しい領域に前向きにチャレンジ
ーー今後広げていきたい領域など取り組みたいことはありますか?
だんだんAI化が進んでいて、特に翻訳については精度もあがってきています。今はまだよくても、近い将来、翻訳の仕事で食べていくことが難しくなるかもしれません。翻訳だけでなく編集業や書籍の翻訳など、AIが入り込みにくい分野まで領域を広げていきたいと思っています。書籍に関しては、自分の名前の入った本が出るとうれしいですしね。
ーーすでに動いていることはありますか?
マーケティング分野の翻訳については、トライアルのテストが通り、すでにお仕事として取り組み始めています。あとはコピーライティングの本を読んで勉強したり。最近noteをはじめましたが、それも伝える文章を書く勉強の一環として取り組んでいます。
ーーご自身で文章を書かれてみていかがですか?
文章の構成や、何を伝えたいかなど、書き手の気持ちがわかるようになりましたね。翻訳にも活きてくると思います。
ーー最後に、これからフリーランスになる人へのメッセージをお願いします。
フリーランスになる前に、専門性をつけておきましょう。どんな職業でも、専門性とそれに伴う実績がないと営業で苦戦することもありえます。
ーー会社員でいるときでも、実績を詰むことを意識して仕事したほうがいいと。
そうです。独立前に、人を納得させる事実を掴んでおいたほうがいいですね。
私はフリーランスになって充実した生活を送れているので、迷っている人がいたら
ぜひ挑戦してみてほしいです。
ーー本日はありがとうございました。
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