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芳香剤について

断捨離が苦手かもしれない。服を買う前にまず捨てなさい等、片付け収納する事が出来ない人は物を増やすべきではないかもしれないが、なんだかんだと増えてしまう。不要な物は捨てればいいだけなんだけど、たまに「別の用途に使えるかも」などと思って捨てられない緩衝材や良い造りの箱等、明らかにゴミなのに捨てずに置いてしまう物がある。そういう謎のスペース、無駄に場所を占有してしまう奴らをひっくるめて私は芳香剤のような物、と呼んでいる。

芳香剤ほど馬鹿げた商品もない。消臭剤とも呼ぶけど、嫌な臭いを良い臭いで一定期間ごまかすという物で、乾燥しにくいネバネバした物質が少しずつ乾いていく過程で良い匂いを放ち、空になったら買い換え時という画期的な商品で、メーカーはわけのわからん乾きにくくて良い匂いを出す、もしくは悪い臭いを吸収出来る素材を開発するのに真剣だ。

私は普段の自分の臭いが臭いとは思わないけど、たまにふとした時に「あれ?」と思う瞬間があり、もしかして臭い?と不安になる。そこであらゆる消臭剤が目に入り、狂ったように買い漁る。ブレスケア、エイトフォー、消臭力。大ヒット商品の数々。仕組みはわからないが恐らく詐偽ではないのであろう。しかし効果が続く時間に差はあれど、どれも永遠ではない。一番長い間香る芳香剤でも約1ヶ月から2ヶ月程度。忘れた頃にカッピカピになっている。あぁ、買い換えなきゃ、買い置きあったっけ?と憂鬱な気分になる。おかしい。必需品ではないので買い置きなんてあるはずもなく、買い物リストにすら入らない。なんなら分別してゴミとして捨てるのすら面倒臭い。最終的に臭いってどういう事なの。

捨てるという事は非常にエネルギーを使う。大切にしてきた物であればなおさら捨てにくい。リサイクルという言葉を発明した人は優しい。少なくとも自分は捨ててないし次の人に託すという呪われた儀式。いやそれは捨てろよ、というような物まで売っていたりするのでリサイクルショップ巡りはやめられない。

私が昔から抱えている段ボール箱が3~4箱程度ある。中には思い出の写真や誕生日に友達からもらったヴィレヴァンのファニーグッズ等が入っている。他にも入っていたけど「流石にもう要らないかな」という審査が半年に一回程度あって、そのたびに勝ち残ってきた価値のある物達。永遠に匂いを放ち続ける物達。手放す事の出来ない呪われた装備と言っては過言すぎる。

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