見出し画像

日本酒について

初めて飲んだのは鬼ころしでした。コンビニとかに売ってる安い酒。料理酒にも使われる事も。当時は正直あまり美味しくないどころか吐きそうな味に感じて、実際に飲み過ぎて吐いたから良い思い出がなかった。でも日本人なら日本酒だろうという謎の憧れがあり、また知識欲もあったので単純に色んな酒を知りたかったし、それについて誰かと語りたかった。

幸い京都も酒造メーカーが豊富だったので、他府県の人が京都を求めるような気持ちになって、お土産気分で普通に飲んでいるといつの間にか自然と飲めるようになっていた。黄桜とか月桂冠、聚楽第などなど大衆的で値段も手頃、いまやそこそこ何でも美味く感じるぐらいには飲んでいる。京都市には日本酒乾杯条例なんていうのもある。でもやはり冬は熱燗ですよねなんつって。ただ、アルコール度数が結構高い目なので飲み比べだったり料理によって変えてみるというような事は僕は出来ないのが残念。
名前がわからず残念だけど、佐々木蔵之介の佐々木酒造の酒を祭りの時に貰って飲んだのがめちゃくちゃ美味かった記憶だけがあり、いまだに探してます。

この日記を書こうと思ったきっかけとして、2023年に新潟県へ初めて行ったのが大きいかもしれない。京都でも伏見とか有名な酒造店がある地域なら地元のデカい酒屋みたいなのや、観光バスが押し寄せるような人気店が活発にあるんだろうけど、新潟も駅前にデカい酒屋が何店舗もあり、買い物客で賑わっていた。
以前から知ってた新潟の有名な日本酒として越乃寒梅や久保田が好きだった。越乃寒梅は当時幻の酒とか呼ばれてプレミアプライスだった為、醍醐のディスカウント店で定価の三倍ぐらい支払って買い、父の日にプレゼントして一緒に飲んで、初めて美味いと感じた思い出の酒でした。

他にも東北には美味い米があって綺麗な水が湧いていて間違いなく美味い日本酒が沢山あるんだろうけど、開拓すればするほど、知れば知るほど奥が深いというよりも、自分の中にある「好きな味」というのが薄れてしまうような気がして、あぁこれがいわゆるDD(誰でも大好き)か、と悟った次第である。
だから僕は越乃寒梅だけが好きなんだ、という気持ちを胸に強く持ち、たまに良い事があったら一升瓶3千円ぐらいの買います。ランクが色々あるけども、正直飲み比べてみたけどみんな違って皆良いというか、好き嫌いというか、ごめんあんまわかんない。
昔父親が行きつけの店で特級酒と二級酒飲み比べたら全員二級の方がうまくて店主に怒られたと言っていたのを思い出した。もう酔えたらなんでもいい。

でもまぁ上を見たらキリがないから下から2番目ぐらいが一番美味しいんかな、2番が一番なんだなと言い聞かせて生きているのです。それなのにあの京都のお節介酒屋店員さんときたら、「(こいつコレしか知らんのやろな、せや似たようなやつオススメしといたろ)越乃寒梅がお好きでしたら、こちらの商品も飲みやすくておすすめなんですよ」とか言って、レジ横の商品を買わせようとしてくるんです。
それの何がダメなんって思う人もいるかもしれないけど、そういう余計な事をしようとする人が大っっ嫌いなんですよね。
あぁもうどうぞナメて下さい、どうせ越乃寒梅しか知りませんよ、はいどうぞもっとなめまわして欲しい、プロの京都の酒屋さんからしたら越乃寒梅なんて飲んでんじゃねぇよとか思ってそう。いや、これは偏見ではなく透けて見えた態度みたいなものを感じたわけです。も〜うぺろんぺろんナメ回された気分です。ぺっるぉ〜んって音がする、え何これ?愚痴が止まらない。まぁいいか。
なのでその店には2度と近づきたくないのに吸い寄せられてしまう私はカブトムシ。プライドゼロですえへへ…酒屋さん好きなのでね、その裏返しです。悔しいけど楽しいね。今度おすすめされたら買ってみようと思います。

やっぱり冬は鍋と熱燗が最高です。じゃあ夏はかき氷に冷酒ぶっかけるのか?というかビール一択だもんね。夏に日本酒呑みたくなるのは、よっぽど辛い事があった時に変わってしまうのが面白い。夏なんてそんな辛い事ある?っていうぐらい夏が恋しいのですが、それでも凹んだ時に自販機で買ったワンカップをカッと飲み干すとすべてがどうでもよくなってきてアッチの世界にぶっ飛べるんですよね、ヤバい奴。

昨年末にふるさと納税でチョイスした山形の日本酒があったんですが、山形県に行った思い出を反芻してたらいつの間にかもう飲み干してしまい、あと10ヶ月どうして過ごそうかが悩みどころ。
秋田もふるさと納税したつもりだったのが出来てなかったらしく、しょうがなく既出の酒屋で雪の茅舎を買った。雪の茅舎は仙台に行った時の居酒屋にも置いてあってとても美味かった。東北は飯も酒も美味すぎる。もし僕が住んでたら絶対食い過ぎて太りまくっていたに違いない。山形で見た巨大な小学生が忘れられない。数人で下校してたから多分同級生だと思うんだけど一人だけ力士みたいにデカくて、良いモン食ってそうだなぁと想像したら夢が広がった。ていうかまわりの子も痩せてる子がいなくてマジで食い物が美味いんだろうなと思った。素晴らしい。

結局日本酒を語ろうとすると東北へ想いを馳せる事になるのだなと思った次第。でも獺祭という有名な酒はまだ飲んだ事がないので飲んでみたい。形から入るスタイル。そして結局よくわからんくなって越乃寒梅に戻ってくるというのが一連の流れな気がする人生。

いいなと思ったら応援しよう!