空の色を眺める


刻々と流れてゆく時間の中で
取り残されてしまいそうになる

僕はただ

空の色を眺めていたいだけだった

からからに乾いた街の景色を
容赦なく覆い尽くすような雨に

やはり僕はただ

眺めているだけしかできなかった

せめて遠くのあの人が
どうか無事でありますように

そんな願いは
届くのか
叶うのか

絶望の時代に無力な男
希望の種はまだ芽を出さない

雨は今日も降り続く

それでもただ
空の色を眺めながら

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