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求ム、瞬間冷却POWER(ft.『Click It, Freeze It』)【Sandwiches #51】

 昨日の第50回で宣言した通り、本シリーズ「Sandwiches」は今日からシーズン2へと突入します。なにがどう変わるかといえば、や、別段大きな違いはないが、ただこれまでよりさらにラフな書き味・読み味になってゆくかもしれぬ。場面場面のこころの赴くままにやっておるゆえ、どうなるかは神のみぞ知るというテイでございます。

(こっそりひっそり、マガジンも新しいものができているので、よければフォローしてくださいね)

 とはいえ、これまで通り「楽曲紹介」コーナーは書いてゆくとお話ししたばかりやった……なわけで本日は、引き続き2018年リリースの2ndアルバム『KINŌ』から。M5「Click It, Freeze It」をご紹介します。

 こちらのMVは、前回前々回に紹介した「Amazing Season」「Deadbody」に続いて、またもや! ウエダマサキさんの手によるものです。ここで明かせば、ウエダさんはこの約2~3年間で6本の映像作品を制作してくださっており、maco maretsのビジュアル・ワールドにおいてはまさにをなす存在といっても過言ではない。彼との関わりはまた、すべての映像を紹介し終えたのちにでもまとめて振り返る機会をつくりたいなと思っています(本人に嫌がられるかもしれんけど)。

 シーンはアメリカ・ニューヨークで撮影されたものを中心に構成されており、くわえてさりげなく随所に合成での演出(たとえば、ビルの立ち並ぶ街の空が海面のように波打っていたり)も忍ばせられています。つめたく、感情を押し殺した沈黙の世界のなかでどこかただようのは「」の気配。

 その静けさとほんのりな「死」の感覚こそ、まさに『KINŌ』という可愛らしい見た目のアルバムの裏側に鋲で留めおきたいと願っておったものでした(そのため、この作品がウエダさんから送られてきた際には「きゃあすてき!」と声をあげてしまったほど)。それは「Deadbody」について書いた際(まるっこいシを抱いて(ft.『Deadbody』)【Sandwiches # 47】)にもちょっぴり触れたテーマです。

 生きとし生けるもの、避けられぬ生のプロセスのうちに「死」は含まれておって、それゆえの諦観とでもいうべき感情の息づく瞬間がどうしてもある。みなさんは、「あれれ、なんだか毎日が虚しいねえ」とそんな感覚に陥ることはございませんか。

 それともこりゃ青きモラトリアム特有の感覚やろうか、そう考えだすと恥ずかしい気持ちもあるけれど、ただこの「Click It, Freez It」という曲に関して言えばそうした日々の虚しさ何もなさをあるがままに(ややっこしいが、「ない」も「ある」として)受け入れるような、そんな気持ちの持ちようが表れていると言えそうなのです。それはある意味「ないならないを歌い またいく the night」なんて歌詞のことば通り。

 と、ここで思い出したが「死」やら「日々の虚しさ」やらムニャムニャ宣う以前に、このころは第何次かのスランプ期やった。おのれのうちの「何もなさ」、転じて「何も書けなさ」をどう消化するか? そんな課題感が、歌詞をかく行為から敷衍して生きることそれにまつわるすべての営為を同様にとらえ(先述の通り「ない」も「ある」として」受け入れ)ることへと繋がったのかもしれません。

 ただここには「何もない」といいながら、ワンクリックでそれをフリーズして、保存したいと願う「わたし」がいます。そのそれって結局なんやろうか、と問われれば返事に窮してしまうものの、ただひとつ言えるのは「ない」が「ある」ものとしてぼうっと姿をあらわす一瞬よ、その熱の放出の軌跡のことかもしれん。もしも冷凍保存するがごとく繋ぎ止められれば、無為と思えたそれらだってなんらかの存在感を持つかもしれないとわたしは思うのです。

 そうなれば「生きる喜び」とまではいかずともよ、死に到るまでの道程においての、たとえば童話『ヘンゼルとグレーテル』におけるパンくずのような、わずかな標べがわりにはなってくれそうじゃありませんか。

 ほんとうは回顧の念でもってうしろにぽろぽろこぼすのではなくって、ずっと先に硬いバゲットをまるごと投げ込むような曲が書けたらと思うのだけどね……なんて、バゲットバゲット、脱線しかけたところでもうあれだ。そういえば今日はまだ朝食を食べておらんやったもんだから、ここらでうっちゃりとんずらさせてください。また。

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 本日のおたよりはこちら(今日掲載できなかったものも、明日以降順番にご紹介させていただきますね)。

●ペンネーム:世を忍ぶ仮の姿さん

こんにちは😃 先日はnote誌上に、わたくしのボヤきを取り上げていただき、ありがとうございました。

ところで、首の痛みが酷くなっているようで、心配です。原因によってその対処法には違いがありますから、余計なアドバイスはできませんし、このご時世、病院に行くのもなかなか勇気がいりますよね。ヘルニアや滑り症だと、重症で無いかぎりは、結局のところ痛みを湿布や鎮痛剤で緩和させて、安静にするくらいしかできないみたいです(私は、ヘルニアで、無理したりストレスで痛みを引き起こす事があります)。確かに眠れないくらい辛いです。眠っても「良い睡眠」からはほど遠い質の悪い睡眠なので、寝た気がしないものです。一日も早く痛みから解放されますよう願っています。

※サンドイッチ動画見ました。仁王みたいなラッパーが出てきて、ナイフでバゲットやらサラミを荒々しく捌き、好きな物を好きなだけパンに挟むスタイル。自由だなー。2本目の、ワッフルは、一本目が荒々しいサンドイッチだったので、だいぶエレガントに感じました。

>>二度目の投稿、そしてマイ・ネックへの心配のメッセージをありがとうございます。結局病院には行っていないのですが、この「Sandwiches」冒頭でしつこく経過をお知らせしている通り、すこしずつよくなってきました。書いていただいた湿布でもって対処しています。

 そいからサンドイッチ動画も見てくださったとのことで、たしかにアクション・ブロンソンのサンドイッチは豪快すぎましたが……とかく気が滅入りそうなとき、料理の動画は本当に楽しく観ることができてよい。NETFLIXでは「ザ・シェフ・ショー」なんて番組がおすすめです。ぜひ視聴してみてくださいね(ただし、くれぐれも首の角度には気をつけて)!

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