【光のエネルギー保存則】平均照度は直接入射光束と反射光束を考慮している事も発見だった
光分野の中で、壁の反射率、吸収率、透過率、平均照度の関係があまり得意ではなかった。質問回答業務をする中で、沢山質問をもらったので
私なりに論文等を調べて、理解を深めたものを共有します。二日かかってしまいました。光分野は難しいです。

あまり電験では見かけないタイプの問題です。
質問内容
10×0.8×F=(1-0.8)100×80+・・・・の式がなぜそうなるのかがわかりません。
「(1-0.8)100×80」の意味が分かりません。
天井に入ってくるあらゆる光を足したものが8000lm。そのうち、反射する光が6400lm。天井面で反射しなかった光束を求めているのでしょうか。光源から直接、天井への光束ではないですよね?
求めたいのは、実際の光源から出ている天井への光束、壁への光束、床への光束を足すことですよね?
回答
「8000は天井に入ってきたあらゆる光を足したもの」「反射する光が6400」
これらは正しい理解です。素晴らしいです。
結論を先に書かせて頂きます。
(下記の3点で解決するのではないでしょうか)
・平均照度は「直接入射する光束と反射してくる光束」を用いて計算される値です。
・光源から出る全光束=天井・床・壁に吸収される光束となります。
・反射された光はいずれ吸収されます
※実際の光源から出ている天井へのF、壁へのF、床へのFを分かりやすく計算できるなら、それが一番いいですが、反射された光束がどう分布するか分からない。
私の考え方を最後に書いてありますので、そちらを先に読むと、理解できるかもしれません。
<背景>
私は当初「各面において、直接入射する光と反射されてきた光が問題文に明記されている」と理解しやすいと感じたのですが、そもそも、それが平均照度です。
また、光源から出る光束数を求めるにあたり、全部の面の平均照度に面積を掛け算し足し合わせるという手法では、反射する光が重複して加算されてしまいます。
<質問部分への回答>
(1-0.8)は「1-反射率」であり「透過率+吸収率」を表していて
(1-0.8)×100×80 [m2] は「天井面の反射光以外」を表しています。
ここで、平均照度の定義について、お伝えしておこうと思います。
平均照度の定義
面は光源からの直接入射する光束を受けるのですが、各面からの相互反射を繰り返すことも考慮されて、平均照度が得られます。つまり、平均照度には反射されてきた光束が含まれているということです。
エネルギー保存則
光にエネルギー保存の法則を適用することもできます。
光束(lm)は光の単位時間あたり放射エネルギーを人間の視感度で評価したものですから、電力と同様に扱うことができます。
光源が連続して光束(直射する光束)を放出し続けているとき、相互反射を繰り返して、室内の照度は一定値と落ち着きます。室外への透過光束を0とすれば、
「光源が室内に供給する直射する光束=天井・壁・床に吸収される光束」という関係式が成り立たなければ、なりません。
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